手越祐也から村上信五、そしてBTS、BE:FIRSTまで…“ホストアイドル”が語る「僕らのアイドル」
メンバー全員が現役ホストの5人組アイドル「ぐるちょく」。元体育教師のせい、元ジュノンボーイで俳優のらん、元ジャニーズジュニアで料理人のななせ、元エリートサラリーマンのかずき、元公務員で最年長のリーダー・りゅうじという5人のメンバーは、日本最大級のホストグループ「groupdandy」の各店舗に所属する売れっ子ホストたちだ。
昨年12月に沖縄で撮影されたファースト写真集『Splash!』(小社刊)の発売記念イベントとして、4月7日・8日には発売記念ライブを開催。インディーズデビューシングル「シャンペンナイト」ほか、哀愁漂うオリジナル曲「Akai Ito」などの楽曲をを披露した。群雄割拠のアイドル戦国時代に、すでに順風満帆なホスト人生を歩んでいるにもかかわらず、あえてアイドルとしての活動をスタートさせたメンバー5人と、“ぐるちょく研修生”のやまとに話を聞いた――。
ホストの仕事とアイドル活動の両立は、とても難しい
「“本業”のホストとしての仕事が忙しかろうが、ダンスや歌唱のレッスン時間が1時間しかなかろうが、アイドルとしての僕らのステージを見にきてくださる方からすれば、目の前のそのときの僕たちのパフォーマンスがすべてですよね。『僕たちはホストの仕事もあって忙しいから、下手くそでも勘弁して』なんて言い訳は通用しない。だから、忙しいということをあまり言わないようにしています」
こう語るのは、ぐるちょくのセンターを務めるせい(28)。アイドル活動で時間を取られれば、ホスト客への連絡は疎かになり、ホストとしての営業活動もままならなくなるリスクだってある。人によっては、「まずはホストの仕事を全力でやれよ」「アイドルなんてやっている場合じゃないだろ」などと言ってくるかもしれない。
「僕たちぐるちょくのメンバーは年齢も経歴もバラバラですが、みんなホストという仕事に就いていて、偏見やあまりよくないイメージを持たれることも多い。でも、僕たちがアイドル活動をすることで、どんな年齢でもどんな職業でも、やりたいことがあれば、最初の一歩を踏み出してトライすることができる――ってことを伝えられるんじゃないかと思ってやっています。一度きりの人生、僕たちの姿を見て、少しでもいいから前に進もうという気持ちを持ってもらえたらうれしいですね」
ホストは偏見を持たれやすいいけど、実際には僕らは一生懸命
同じく、“ホストだけどアイドル”であることに関して言及してくれたのは、ぐるちょくの“オシャレ番長”かずき(21)。
「僕たちは全員現役のホストですが、どうしても“女性をだまして稼いでいる”という偏見を持たれやすい。でも、実際はそうじゃないんです。アイドルという仕事を一生懸命やることによって、いろんな方々にまずは僕たちを知ってもらって、そこから、ホストの仕事や僕たちのパーソナルな部分についても知ってもらう。そして、悪い人間じゃないんだ、誠実に頑張っているんだってわかってもらって、ホストに対するネガティブな見方を変えていきたいですね」
もちろん、各メンバーの“姫”(=ホストのお客様)は、彼らのアイドル活動も応援してくれているそう。ただ、ジャニーズや“メン地下”(男性の地下アイドル)などの元アイドルがホストをやれば多大な集客効果が期待できるが、それとは逆に「ホストがアイドルをやる」という場合、アイドルとしてのファンになってもらうためのハードルはなかなか高い、ともかずきは語る。
「そこはまさに、今後の課題ですね。自分の姫は『頑張っているね』と写真集やCDやグッズを買ってくれたりもするけれど、僕たちのアイドル活動を見てファンになってくれる人は、まだまだ多くはない。4月の感謝ライブにも、TikTokで僕たちのことを知って見にきてくれた方もいましたが、まだまだでした。だからこそこれから、アイドルとしての活動をより一層頑張っていかないといけないと思っています」
僕たちのアイドル活動が、一歩前を踏み出すきっかけになれば
ぐるちょくメンバー最年長のリーダー・りゅうじ(35)は、EXILEのボーカルオーディションに挑戦した過去もあるほどの歌唱力の持ち主。昨夏、groupdandyに所属するホスト総勢1400人のなかからメンバーの1人として選ばれ、目下、未経験のダンスと格闘中だ。しかし、そんな自分だからこそ、勇気を与えられる存在になれるのではないか、と語る。
「アイドルになったからには、老若男女問わず、僕らのライブを見てくれた人が少しでも元気や勇気をもらえたり、笑顔になれたりするなど、何かプラスの影響を与えられる存在になりたいですね。僕はこの年齢でダンスを始めましたが、でも何か新しいことを始めるのに、遅すぎることはないと思うんです。僕は、ホストの世界もアイドルの世界も、好きでやっています。誰か他人の人生を変えるのはなかなか難しいかもしれないけれど、僕たちのアイドル活動を、ちょっとした楽しみ、前へ一歩踏み出すきっかけにしてもらえればと思いますね」
手越祐也くんや山田涼介くんは、男性から見てもカッコいい
日本の男性アイドルのトップに君臨するのは、今も昔もやっぱりジャニーズ。「元ジャニーズJr.」という経歴を持つななせ(26)にとって憧れの人物は、“辞めジャニ”の手越祐也、そしてHey!Say!JUMPの山田涼介なのだという。
「画面越しに見る手越くんは、アイドルとして完璧です。『世界の果てまでイッテQ』(日本テレビ系)に出演していたときも、無謀な挑戦であろうが一生懸命やりきるし、どんな劣勢の状況でも自信満々でした。運動神経もいいし歌もうまいし、そしてもちろん見た目もカッコいい。この人は天才だなって思うんです。それから、山田涼介くんは“カメレオン”。いろいろな顔を持っていて、自然とその場に溶け込める。演技もうまいので、憧れます」
ななせが挙げるこの2人の共通点は、男性から見ても「カッコいい」と思わせる点だという。同性が認めるアイドルになりたいと、ななせは語る。
「僕らがやっているぐるちょくとしても、女性だけにキャーキャー言われるようなアイドルというよりは、同性から見てもカッコいいと思われるグループになっていきたいですね。僕たちのアイドル活動を見て勇気をもらって、『自分もアイドルをやってみたいな』って若い男の子たちに思ってもらえるような、そんなアイドルになりたいです。男が認めるカッコよさって顔や見た目じゃなく、中身を見てもらっているということ。そこって実はホストも同じで、女の子にただカッコいいと言われているだけでは稼げないんです。同業者から認められるほうが、売れるホストになれるんですよ」
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