天才であることを諦めた南キャン山里がとった異常な変化
#お笑い #オードリー #南海キャンディーズ #だが情熱はある
『だが、情熱はある』(日本テレビ系)は、南海キャンディーズ・山里亮太とオードリー・若林正恭の半生を描くドラマだ。第4話では、山里(森本慎太郎、SixTONES)がコンビを解散し、ピン芸人・イタリア人になった経緯が描かれた。一方、若林は相変わらず虚無な日々を送り続けていた。
山里が味わった絶望
大学も卒業し、芸人一本の生活となった山里は、新コンビ・足軽エンペラーとして人気バラエティ番組『ガチンコ!』の新企画「漫才道」(TBS系)のオーディションに挑む。今でいう『BREAKING DOWN』のように過剰なヤンキー演出で目立つことに成功し、見事に番組出演権を勝ち取る。
本番ではバリバリのヤンキー演技をする相方の和夫(清水尋也)との対比を利用していい人に見られようとするなど、姑息な手段を用いる。その甲斐あってか、足軽エンペラーは見事に優勝を果たした。
だがしかし、売れない。
全国ネットの人気企画で優勝し、ブレーク必至と目論んでいた山里のアテは完全に外れ、普段と変わらない劇場仕事のみの日々を送ることになる。ちなみに「漫才道」は、お笑いファンにはお馴染みとなっているオール阪神・巨人の巨人の名言「弟子やったらパンパンやな」が生まれた企画だ。
「今一番アツイ番組」「若手芸人の登竜門」「過去の出演者はみんな売れている」。こういった触れ込みを信じていたのに、結果的にまったく売れないというのは芸人あるあるだ。
さまざまな芸人が「ブレーク確定」の判を押されたと思い込み、ただ何事もなく終わっていった。結果としてブレークを果たしているが、ウエストランドだって『笑っていいとも』(フジテレビ系)の週替わりレギュラーに抜擢され、その後10年近く地下に潜っている。本人としてはわけがわからないことだろう。「漫才道」を制した山里は、絶望を味わっていたのだ。
山里がイタリア人になった理由
前コンビ・侍パンチは、山里のパワハラが原因で解散となっていた。足軽エンペラーでは初めこそ気を使っていた山里だったが、「漫才道」をきっかけにまたしてもパワハラを開始してしまう。自分はこんなに頑張っているのになんなんだ、売れないのは相方のせいだ、ネガティブで陰湿な考えに頭を支配された山里は、ネチネチと相手のミスに責め立て、不毛な上下関係を作り上げる。
結果、パワハラに耐え切れなくなった和男から、自転車を投げつけつけられてしまう。のちに冷静に話し合いをするも、コンビは解散となる。
ここで山里の人生を語る上で欠かせない「天才」という言葉にスポットが当たった。
これまでの山里は、周囲に天才と思わせるために奇行に走っていた。ブツブツと独り言をもらし、終いには猫の餌を食べる、普通ではないと思われるために必死だった。しかし、和男にパワハラしてしまった自分を見つめ直すと、「自分を見つめるのが怖くて和男に当たっていた」という事実が浮かび上がってしまった。自分が天才ではないと自覚しなければならないときが来たのだ。
コンビ解散後、山里はピン芸人・イタリア人を名乗るようになる。ネタはタンバリンを叩きながら、レストランやイタリアあるあるを言うというキワ者キャラで、天才とは程遠い芸風だった。ドラマではさらっと流されたが、山里が天才と決別した証のようにも受け取れる。まぁ拗れた山里のことだから「天才だからこそ、逆にキワ者になった」という思考があったのかもしれないが……。
そう言えば若林は“じゃないほう芸人”
山里がテレビや大きな舞台を踏んでいる一方で、若林は無風の芸人人生を送っていた。客が2人のクレープ屋の横でやる営業と、相方・春日俊彰(戸塚純貴)がバイトするモノマネショーパブの前説のみ。モノマネを見に来た客には全く受け入れられず、苦し紛れに「アメフトのモノマネ」と題して舞台上でアメフトをするも、客には引かれてしまう。
芸人人生に、ほぼ進展がなかった。
変化があるとすれば、春日が先輩に可愛がられ始めたことだ。キャラクターのある春日は取っ付きやすいが、若林は後輩だとしても近寄りがたい。このとき若林が何を考えていたのかはわからないが、思えば、オードリーのブレーク後も若林は「じゃないほう芸人」と呼ばれていた。『M-1グランプリ』で準優勝する前から、若林はじゃないほうとして戦っていたのかもしれない。
今夜放送の第5話では、ナイスミドル(オードリーの旧名)に解散の危機が訪れる。一方の山ちゃんは現・相方であるしずちゃんを口説き始める。
●前回まではこちら
『だが、情熱はある』山里の“パワハラ期”という過去を忖度なく描ききった3話
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