カップヌードルのCMは代理店ノリ?
#CM #日清食品
テレビだけにとどまらず、動画視聴の機会がさらに増えた現代、それに付随してCMを目にする機会も増えている。かねてからCMのクリエイティブに関しては、話題に上がることも多かったが一方で、SNSなどを通じた批判もまた、多く目にするようになってきた。
そうした中で最近、やり玉に挙がってるのが日清のようだ。
前年同期比12%増と、増収増益を続けている日清食品グループ。主力商品であるカップヌードルには「ねぎ塩」と「ラクサ」が追加されるなど、新商品開発でも順調のようだが、その広告戦略にはネット上でさまざまな声があがっている。
「これまでも『Hungry?』のキャッチフレーズを流行らせたり、大友克洋氏のアニメを展開するなど革新的なCM企画を展開してきた日清。ですが最近のカップヌードルの緩めのCMに対してはどうも『広告代理店の内輪ノリ感が鼻につく』というツイートがあがり、それに同意する人が多かったようです。確かに、独特な雰囲気を醸し出すCMは好みがわかれるところですが、確実に記憶に残るんですけどね。弊社内では、TikTokで人気のインフルエンサーやクリエイターを起用してたのが、裏目に出てしまったという側面もある、と言われていました」(広告代理店関係者)
「広告代理店の内輪ノリ」と呼ばれるには、CMの制作過程に理由がある。
「現在の日清食品社長は広告への関心が高く、最低でも月に一回は、CMなどの成果物のチェックを自らがおこなっています。また、同社の広告戦略の統括は、有名クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏がつとめている。同社社長と佐藤氏の付き合いは10年以上に渡って続いており、常に新しく、時代を先取りしたものを求める傾向にあるようです」(前出・広告代理店関係者)
一兆円企業のトップと、広告業界の重鎮、彼らの要望に応えるのは、代理店サイドにとって相当なプレッシャーがある。
「電通や博報堂は彼らの要求に応えるべく、日夜社内のトップクリエイターによるプレゼンを繰り返すも、一度や二度ではなかなか採用されない。日々行われる会議では、いかにクライアントと佐藤可士和に『刺さるか』が重要なため、結果的に“視聴者を無視した内輪ノリ”の基準を設けてしまうこともあるのかもしれません。代理店サイドとしては、クライアントの好みに振り回されるなどハードな現場のようですが、桁違いの出稿量を誇る同社。その要求には全力が応える体制が続いています」(前出・広告代理店関係者)
一部では不興を買うものの、2022年度のCM好感度ランキングでは2位になるなど、基本的には支持を集めている日清食品のCM。広告代理店の努力は無駄ではなかったようだ。
そんな中、広告業界では近年とある企業が「日清のパクリCM」を量産していると囁かれている。
「同じく飲食メーカーの『明星』のCMには若干、疑問の声があがっています。『チャルメラCMはどん兵衛のパクリ』などの声が SNS上で散見されています。確かに現在放映中の本田翼出演の『一平ちゃん』のCMのカオス感は、日清『カレーメシ』に似ているし、そもそも同じく本田翼が出演中の『LINEMO』のCMをも想起させます。とはいえ、いずれもCMも同じく博報堂がつとめていますし、CM業界では、受けてる他社ののりに合わせたりすることは日常茶飯事なんですけどね……」(CMディレクター)
目立ってナンボのテレビCMの世界。視聴者が置いてけぼりの作品が量産されないことを願おう。
延々と頭を回転する「コレ絶対うまいやつ~♪」日清食品、パクリ上等の戦略
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