ジャニーズ事務所は解散しかない? 性加害問題に揺れるアイドル帝国の行く末
#ジャニー喜多川 #ジャニーズ事務所
日本の芸能界に君臨するアイドル王国・ジャニーズ事務所。その創業者である故・ジャニー喜多川氏による未成年タレントへの性加害疑惑をイギリスの公共放送「BBC」が報じたことで、かつての所属タレントたちが続々と「週刊文春」に自らが受けた被害を告白。元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんに至っては、日本外国特派員協会で記者会見し、ジャニー氏から繰り返し受けた性被害を告発した。
「告発を受け、NHKをはじめ大手メディアも報じ始めていて、風向きが変わり始めています。ジャニーズ事務所の対応に注目が高まっています」(メディア関係者)
ある大手プロ役員は、「『BBC』の報道を受け、かつてジャニー氏の性加害疑惑を報じて裁判に発展した『週刊文春』が新たにキャンペーンを打っていますが、ここ2カ月で過去の被害を告発したのはすでに9人。泣き寝入りしている元タレントを入れたら相当な被害者数数が予想されますが、そもそも事務所のオーナーが“売り出してやる”と少年を弄んできたというのは、以前からまことしやかに噂されてきたこと。これ以上、芸能プロが同じような目で見られないためにも、ジャニーズ事務所は解散してイチから出直すべきですよ」と憤る。
ジャニーズ事務所の設立は、ジャニー氏がアメリカ大使館で通訳をする傍ら、宿舎近くの少年たちを集めて野球チームを作ったことが発端とされ、あおい輝彦、飯野おさみ、中谷良、真家ひろみの4人で事務所のグループ第1号「ジャニーズ」が結成された。
「ジャニーさんに特に可愛がられていたのがあおい輝彦で、彼はジャニーさんの勧めでいち早く俳優に転向しました。その甲斐あってか、TBSのドラマ枠“木下恵介アワー”の『3人家族』でブレークしました」(元スポーツ紙記者)
筆者は、「ジャニーズ」が解散した後、メンバーだった真家ひろみがタクシー運転手をやっていた時代に、ジャニー氏の少年愛を取材する目的で4、5回会ったことがあった。真家は、タクシー運転手をしながらも、芸能界復帰を諦めていなかった。運転しながら、自ら作詞・作曲したという歌を口ずさんでくれたが、お世辞にもうまいとは言えなかった。
ある日、真家が「新宿のホストクラブで、ホストをやりながら歌を歌うので来てください」と言うので見に行ったことがあるが、真家が歌っても、彼がジャニーズの元メンバーだったとは誰も気がついていないようだった。店が終わった後、取材しようとした筆者に、真家は「僕はまた芸能界に復帰するから、ジャニーさんとのことは言えません」と断ってきた。
真家はその後、芸能界に復帰することなく、53歳の若さでこの世を去った。
「田原俊彦もジャニーさんに溺愛された一人で、昔、写真週刊誌『フォーカス』に流出した田原の全裸写真が掲載されたことがありましたが、そこにはジャニーさんが撮ったと思われる入浴中の写真もありました。ただ、ジャニーさんが溺愛していたにもかかわらず、事務所に内緒で結婚したことがジャニーさんの姉で“女帝”と呼ばれていたメリー喜多川さんの逆鱗に触れ、事務所を退所し、しばらく芸能界から干されました」(音楽ライター)
その後、ジャニー氏の寵愛の対象は「KinKi Kids」の堂本剛、堂本光一らに移っていったというが、この頃、「週刊文春」がジャニー氏の少年愛を告発する記事を連載。ジャニーズ事務所が名誉毀損で訴える裁判闘争に発展したことで、ジャニー氏の性加害は一時的に止んだという。
「『文春』に報じられたことで、メリーさんが“しばらくは、応募してくる子供たちの写真を見るだけで我慢しなさい”と叱責したという噂が流れたほど。裁判では、ジャニー氏の性的虐待(判決文では「セクハラ行為」)を事実認定した東京高裁判決が確定していますが、ジャニー氏はその後も懲りることなく、お気に入りのタレントへのスキンシップを再開させ、嫌々ながら性加害を受け入れたタレントもいたようです」(レコード会社元役員)
昨年9月に突然、ジャニーズ事務所を退所した滝沢秀明や、今年5月にグループ脱退と事務所退所を発表した「King & Prince」の平野紫耀もジャニー氏の“スペオキ“と呼ばれていた。
「ジャニーさんの性加害にあった被害者は数知れず、なかには人生を狂わされた元タレントもいます。しかし、現役で活躍しているタレントの告発のほうがインパクトはありますから、勇気ある告発に期待したいところですが……」(芸能ライター)
前述の通り、オカモトさんの会見を受け、大手メディアでは初めてNHKがジャニー氏の性加害を報道。ジャニーズ事務所は、「聖域なきコンプライアンス順守の徹底、偏りのない中立的な専門家の協力を得てのガバナンス体制の強化等への取り組みを、引き続き全社一丸となって進めてまいる所存です」とのコメントを寄せたが、その後、事態を重く見たのか、取引先企業に対して、社員や所属タレントを対象に聞き取り調査を行ったことを文書で報告した。
「とはいえ、すでに辞めたタレントも含めて真相を調査するとは言っていない。事務所は嵐が通り過ぎるのを待っているだけのように見える」というのは前出の大手プロ役員。
「今のジャニーズはかつてのタレントへの性被害の上に成立していると言っても過言ではありません。一度、事務所を解散してイチから出直すべきです。それが事務所の社会的責任の取り方ですよ」(前同)
ジャニーズ事務所の解散を求める声は、ほかの大手プロ幹部からもあがっている。今後の藤島ジュリー景子社長の動向に注目したい。
(文=本多 圭)
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