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「THE SECOND」対決にしたことで“後攻の勝率が圧倒的に高い”デメリット

「THE SECOND」対決にしたことで後攻の勝率が圧倒的に高いデメリットの画像1
番組公式サイト」より

 コンビ結成16年以上が参戦できる賞レースが今、盛り上がっている。「M-1グランプリ」の参加規定が結成15年以内なので、その救済措置でもある大会。4月29、30日の2日間で予選16組から決勝の8組が決まった。準決勝の配信が1000円で見られるが、生配信の時間のみでアーカイブ配信なし。準決勝だというのに、今までの賞レースとは比べ物にならないぐらいの温かさが会場にはあった。予選はフジテレビの本社スタジオで開催されたのだが、そこにピリついた空気はなかった。

 前説の1日目は「素敵じゃないか」が趣旨説明をされ、ピン芸人「イチキップリン」のモノマネネタで会場を温めた。2日目は「ダイタク」が前説をし、早い段階でお客さんの笑い声が聞こえ、ダイタクもほっとしていた。2日目も「イチキップリン」のモノマネネタで会場は温まった。両日1組目から爆笑が起こり、申し分のない楽しいお笑いライブとなったのだが一つ気になる事が……。

 先攻、後攻で対決をするのだが、今回も審査員の一般の観覧客が100人いて採点方法はつまらなかった1点、おもしろかった2点、とても面白かった3点とつけることができ満点が300点となる。

 そこで、どうしても後攻の勝率が高い。2日間で8回の対戦、16組の芸人がネタを披露するのだが、先攻が勝ったのはたった1回で、マシンガンズVSランジャタイでマシンガンズが勝利した回のみだった。ちなみにこの日マシンガンズは一番笑いを取り、得点も289点とMAXを叩き出している。マシンガンズはこの日5番手の登場だった。前の4組よりも笑いがあったということもあってか得点は抜けていた。

 そして、ランジャタイは逆に強いネタをやったのだが、日に恵まれずなのか、この日トップレベルでハマらなかった。お笑いライブは鮮度が命なのでこういう部分も面白いところではあるのだが……。対決バトルが終わると2組が登場しMCのマヂカルラブリー(29日)、トレンディエンジェル(30日)と絡むという決勝戦のような演出で、トークする場も設けられている。そして2組がネタを終えた後に得点を発表してリアクションがあるという形だ。

 次に対戦する2組に渡すときにリセットされてしまうのだろうか、どうしても先攻が勝ちづらい。それは強い芸人が後攻に置かれている可能性が高いというのも実はある。1回戦でネタを披露した時に会場のウケがよく、選考委員の評価が高かった8組がポットAとして選ばれた。テンダラー、スピードワゴン、ジャルジャル、ギャロップ、囲碁将棋、三四郎、金属バット、ランジャタイ。この8組は各ブロックの最後に配置された。

 なのでポットAに選ばれると2回戦、3回戦と後攻に選ばれることになる。そしてその選ばれたポットAからは決勝に8組中6組が選ばれている。選考委員の見る目に狂いはなかった。となると元々後攻が勝つ確率が高くなるのは仕方がない。2回戦で調べるとまた何かが見えてくるかもしれない、2回戦の対決バトルと32組16試合中後攻の勝つ勝率は13勝とやはりかなり後攻が有利となっている。これは今年が偶然そうなのか、来年は全く違うのか。このまま後攻の勝率が高くなり続けてしまうと不安になる芸人もいるかもしれない。気のせいならいいのですけど。

サンミュージック所属のお笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」 のツッコミ。コンビのネタ作りを担当するほか、お笑いに対するプロ目線の考察に定評があり、「M-1」などの大会はみずから大会を観覧して分析。自身のYouTubeやライブなどで披露する。中でも「女性芸人」研究家として、東京スポーツで連載を持っている。 YouTubeチャンネル【馬鹿よ貴方は、新道竜巳のごみラジオ】

Twitter:@kPXfF3Xm1jvbLMS

【サンミュージック公式】馬鹿よ貴方はプロフィール

ばかよあなたはしんどうたつみ

最終更新:2023/05/06 07:00
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