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日刊サイゾー トップ > 社会 > 事件  > 六代目山口組中核「弘道会」直参組長が射殺される

六代目山口組中核「弘道会」直参組長が射殺される…「ラーメン店店主」「インスタグラマー」の顔も

事件当日、銃撃現場周辺の様子

 名古屋に本拠地を置く三代目弘道会といえば、六代目山口組の中枢を担う武闘派組織だ。
 
 弘道会の創設者でもある司忍組長は、六代目山口組組長であり、二代目弘道会会長を務めた髙山清司若頭は、“山口組の最高指揮官”と表される同組若頭を務めている。さらに、現三代目体制を率いる三代目弘道会・竹内照明会長も六代目山口組で若頭補佐を務めている。こうした人事からもわかる通り、六代目山口組の中でも、弘道会の勢力は最大最強であることは疑いようがない。
 
 だが先日、それほどまでの実力組織の直系組長が射殺されるという、まさか事件が起きたのだ。事件の背後には一体何があったのだろうか。
 
 業界内に一報が駆け抜けたのは4月22日のこと。神戸市内のラーメン店「龍の髭」の店内で弘道会の二次団体・湊興業の余嶋(よじま)学組長が銃弾を浴び、亡くなったのだ。事件発生当初は自殺と他殺の両方の可能性があるという情報が錯綜していたが、その後に後頭部から銃弾が発見されたことから、当局は事件として捜査を開始。さらに、口の中に銃口を入れられ、そこから発砲されたのではないかという憶測が飛び交うことになった。
 
 だが、そのことについて、業界関係者はこのように否定する。
 
 「余嶋組長は格闘技の覚えがあることでも知られており、黙って拳銃を口の中に捩じ込まれるような人ではない。そんな状況になれば、当然、反撃に出たはずだ。事件は不意をついた一瞬の出来事だったのではないか。どういう背景があったのかはわからないが、余嶋組長が襲われやすい状況にあったことは確かだった」
 
 湊興業といえば、神戸市内で唯一の弘道会直系組織として知られており、2005年の六代目山口組体制発足後はさらに勢力を拡大させ、その名を業界内で轟かせるほどだったという。
 
 「ただし、暴排条例などの影響で湊興業もご多分に漏れず、衰退化していったのではないかと考えられます。山口組分裂直後の2016年には、湊興業の組事務所が荒らされるということもありました。その後、神戸山口組が六代目山口組と対峙するだけの勢力があった頃には、今回の事件現場であるラーメン店の厨房に余嶋組長が立つことがあるという情報を受け、神戸山口組がこの店を監視下に置き、余嶋組長の動向をマークしているのではないかと噂されたこともありました」(ヤクザ事情に詳しいジャーナリスト)
 
 前述の通り、「余嶋組長が襲われやすい状況にあった」というのは、このような状況を指すのだろうか。
 
「実際に余嶋組長は『龍の髭』の店主として、店内では組員の警護もなく働いていた。そのように組長が1人になりうる状況を危惧した弘道会サイドからは、余嶋組長に対して、警戒を強めるようにという旨が伝えられていたといわれています。しかし、そうした緊迫した状態も、神戸山口組の組織力が著しく衰退化していく中で緩和されていき、昨今の余嶋組長はラーメン店店主として、SNSを頻繁に更新し、インスタグラマーとしても知られるようになっていたという話です」(同)
 
 そんな余嶋組長の身に何が起こっていたのだろうか? 山口組分裂問題との関係性はあるのだろうか? 現時点では、予断を許さない状況のようだ。
 
 なお、余嶋組長の告別式は4月26日に神戸市内で執り行われたが、同市内が警戒区域(特定抗争指定暴力団に指定されている六代目山口組では、公安委員会が定める「警戒区域」内では、同じ暴力団の組員が5人以上集まることが禁じられている)のために組員たちが一堂に介することができず、弘道会幹部らは少人数に別れて、順番に葬儀に参列したという。
 
(文=山口組問題特別取材班)

ヤクザ業界をフィールドとする作家、ライターおよび編集者による取材チーム。2015年の山口組分裂騒動以降、同問題の長期的に取材してきた。共著に『相剋 山口組分裂・激動の365日』(サイゾー)がある。

やまぐちぐみもんだいとくべつしゅざいはん

最終更新:2023/04/28 18:30
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