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ダウンタウン・浜田と千鳥・大悟はほぼ無傷…芸人のスキャンダルと好感度の裏事情

ダウンタウン・浜田と千鳥・大悟はほぼ無傷…芸人のスキャンダルと好感度の裏事情の画像1
ダウンタウン・浜田雅功(写真/Getty Imagesより)

 「みんなでしゃべるとニュースはおもしろい」というキャッチコピーを掲げて「AbemaTV」で放送されているニュース番組「ABEMAPrime(アベマプライム)」。

 進行を平石直之アナウンサー、そして曜日ごとにMCを変え、過度な演出や切り取りを完全排除し、ニュース解説だけでなく議論を通じて、これまでの常識や価値観が大きく変わる今の時代に合った「変わる報道番組」を目指している番組だ。

 20日の放送回では人物や物事に対して1つの型にはめて、全体を一括りに判断するいわゆる「レッテル貼り」を取り上げた。出演していた木曜日MCの「EXIT」さんは、「チャラ男」というレッテルともとれるキャラクターを自ら貼っており、りんたろー。さんはそのレッテルに敢えて反するような「真面目な行為」を行うことにより、そのギャップを褒められ、意図せず仕事が増えたという。芸能界ではレッテルとそれに反するような二面性が期待されている、とコメントした。

 確かにタレントは二面性で好感度が上がるパターンがしばしば見受けられる。例えば「ニンゲン観察バラエティ モニタリング」でタレントのJOYさんに対し、「もしも海で水着美女にサンオイルを塗ってとお願いされたら……」というドッキリを敢行した際、チャラそうなイメージのあるJOYさんだが、お願いしてきた水着美女をフォローしつつ、奥さんがいるから塗れないときっぱり断り、ネット上では称賛の声が上がったり、普段は突拍子もない行動で場をかき乱すようなキャラクターの「江頭2:50」さんが、自身のYouTubeチャンネルに投稿した「代々木アニメーション学院」の入学式で見せた真面目なスピーチは、視聴者を感動の嵐に包んだ。まあ江頭さんの場合、もっと有名な好感度が爆上がりするエピソードはあるのだが、今は触れずにいよう。

 つまり表のイメージにマイナス要素があり、本来の姿がプラス、またはプラスマイナスゼロだと好感度が上がり、このギャップこそがタレントとしての需要や人気に繋がるのだ。

 たまにこのギャップが反対に作用する場合もある。それは本来の姿がイメージよりもマイナスだった場合だ。これは芸能界において多々あることで、表に出ることが少ない。稀に表に出てしまうと“ゴシップ”になったり“炎上騒ぎ”になってしまう。

 ちなみにこのギャップだが、人によってはかなり得する場合がある。たとえば「不倫」や「浮気」という世間一般的な考えでいうと「悪い」行いすら、タレント個人が抱かれるデフォルトのイメージ次第でプラスに好転するのだ。

 最近でいうとダウンタウンの浜田雅功さんの「パパ活」騒動。奥さんがいる身で奥さん以外の女性とそういう関係になることは本来なら非難されて仕方のないことだが、浜田さんが元々「品行方正」というイメージではなく、さらに過去のニュースからも度々「不倫」や「浮気」をしているという印象があるので、ある意味「パパ活」程度では印象は悪くならないのだ。

 しかも流出したLINEの内容の可愛らしさ、フレンチクルーラーで涙するなど、それだけ見ると“良いギャップ”と言えるものが暴露されたことにより、「可愛らしい」とか「人間味がある」など、一部で騒動前より好感度が上がってしまったのだ。

 ちなみに浜田さんと類似している芸人がもう一人いる。それは千鳥の大吾さんだ。大吾さんも過去に不倫騒動があったのだが、ほぼ無傷で仕事をしている。これは浜田さんと同じで、元々古き良き芸人像である「飲む打つ買う」を地でいっているイメージがあり、言動や行動からそういうことをしていてもおかしくなく、大吾さんに関してはプライベートに関しての好感度はそこまで高くなかった為、芸人としての責務を果たしていればオッケーという位置にいたので、無傷だったのだ。

 逆に同じ芸人でもアンジャッシュの渡部建さんやチュートリアルの徳井義実さんのように元の好感度が高い芸人だと、同じようなスキャンダルやゴシップが発覚した際、それまでのプラスイメージからの落差が激しい為、仕事上のダメージは絶大で、芸能界への復帰が難しくなってしまう。

 ABEMAで放送されている千鳥さんのバラエティ番組「チャンスの時間」に「ノブの好感度を下げておこう!」という人気企画がある。これは好感度が上がり過ぎてしまったノブさんが、スキャンダルを起こしてどん底に落ちることがないよう、前もって好感度を下げておくという企画であり、今の好感度至上主義の芸能界に対するアンチテーゼともとれる企画だ。元々好感度が低い職業であった芸人が世間的な人気や需要を上げる為に好感度を高めた結果、一昔前の「清純派アイドル」ばりに「品行方正」を求められ、仕事の量と比例して自身の首も絞めることになってしまった。

 今は個性の時代。「品行方正」な人間もいれば「品性下劣」な人間もおり、それぞれの個性や特性を認め合い、その上で視聴者は自分にとっての好みを篩い分けて選択する。なので選択される側の芸能人は万人受けを狙う必要はないのだ。芸能人が人気を獲得するためのマニュアルはもはや無いに等しく、自分を偽らず本来の自分に近いキャラクターを誇張させ、無理をしないのが人気獲得の一番の近道なのだ。

 「ギャンブル好きアイドル」「チャラ男なのに真面目」「破天荒だけど礼儀正しい」「芸人にそっくりなアイドル」「ボケない芸人」etc.多種多様な芸能人が存在する今の芸能界が本当に羨ましい。今みたいな芸能界だったら僕も芸人を辞めなかったかもしれない。だって楽しそうなんだもの。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/04/27 11:00
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