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深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】Vol.734

アダルトショップを舞台にしたモンゴル映画 Z世代の青春『セールス・ガールの考現学』

ピンク・フロイドの名盤『狂気』がキーアイテム

アダルトショップを舞台にしたモンゴル映画 Z世代の青春『セールス・ガールの考現学』の画像5
音楽を担当したマグノリアンは劇中にも出演

 親ソ連時代に欧州文化に親しんだカティアと、いつもヘッドフォンで音楽を聴いているサロール。世代の異なる2人をつなぐキーアイテムとして、ピンク・フロイドの世界的なベストセラーアルバム『狂気』が使われている。1970年代~80年代、ピンク・フロイドは大変な人気を誇り、旧ソ連でのライブ公演も行なった。1973年に発表された『狂気』は、色褪せることのない名盤だ。

センゲドルジ「芸術には音楽が欠かせません。僕のアトリエにはプロ仕様の音響システムを設置しており、いつもピンク・フロイドを流しているんです。ピンク・フロイドは時代を超越した存在であり、僕は彼らの音楽から多くのインスピレーションを受けています。もちろん、僕は新しい音楽も大好きで、ライブにも行きます。モンゴルで人気のマグノリアンはお気に入りで、今回の映画音楽を担当してもらっただけでなく、出演もしてもらったんです(笑)」

 センゲドルジ監督は「これからも今のモンゴル社会を撮り続ける」とのこと。本作が描いたモンゴルの若い世代が感じる「生きづらさ」は、日本の若者たちが抱える不安や悩みと通じるものが多そうだ。サロールがさまざまなトラブルを乗り越え、美しく成長していく姿に魅了される日本人も続出するに違いない。

『セールス・ガールの考現学』
監督・脚本・プロデューサー/センゲドルジ・ジャンチブドルジ
出演/バヤルツェツェグ・バヤルジャルガル、エンフトール・オィドブジャムツ
配給/ザジフィルムズ 4月28日(金)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
©2021 Sengedorj Tushee, Nomadia Pictures
zaziefilms.com/salesgirl

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最終更新:2023/04/20 21:15
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