超高学歴アイドルグループ「学歴の暴力」が語る「私たちが高偏差値のワケ」
#アイドル
センター試験の理系科目は400点中398点で、東京大学理科二類を受験
「アイドルになるため」と東大、京大を目指したなつぴとあずき。生物を学ぶために京大を目指したえもり。一般入試の場合、彼女たちが入学した国立大学は基本的に、毎年1月なかばに実施される大学入試センター試験(当時)を受けた上で、各大学が2月下旬頃に個別に実施する二次試験も受験し、両方の成績を総合して合否が判定される(難関校ほど、二次試験のほうが重視される傾向が強い)。東大理科二類が3.4倍、京大農学部が2.3倍、名大情報文化学部が2.4倍(2023年度前期)という倍率の難関校に合格するまでの、彼女たちの受験エピソードとは?
――受験期について教えてください。なつぴさんとえもりさんはあまり勉強が好きではなかったとのことでしたが。
えもり 勉強が大嫌いだし、そのうえ受験期はうつ症状が出ていたので、苦しい時期でした。憶えているのは、電車で塾に行く途中、車両の連結部で泣きながら英単語を暗記するとすごくはかどることに気づいたことぐらいですね。それ以来、毎週電車の連結部で単語帳を見ながら泣く人になりました。蛇腹にはさまりそうなあの恐怖感が、ちょうどよかったのかもしれません。
なつぴ 東大合格という目標が高3でできてからは、猛烈に勉強しました。ただ、私は人の話を聞いて理解するのがすごく苦手なので、学校では授業を聞かずに寝ていて、放課後に塾の自習室に直行して閉まるまでひたすら問題を解いていました。休日は10時間ぐらいは自習室にいた気がします。
あずき 私は塾にすら行かず、1人で勉強しました。周りに人がいると、視線とか何を考えているのかが気になって集中できないんですよ。
ただ、何時間も座っていると太りそうだったので、学校で勉強したことを思い出しながら徒歩で30分かけて家まで帰ったり、部屋でスクワットをしながら勉強したりしていました。小さい頃から「もっとかわいくならなくては」みたいな強迫観念があって、太るのは受験で落ちる以上にいやで……。
――三者三様の受験期を過ごされて、実際にセンター試験の点数はどのぐらいだったんですか?
なつぴ 私は、一番合格点が低く、かつ医学部進学枠があることに惹かれて東大の理科二類を受験したのですが【註】、センター試験は900点中8割5分くらいでした。ちなみに理系科目に限っていうと、400点中398点です。二次試験は、英語と数学(ともに120点満点)がどちらも75点ぐらい、国語(80点満点)が20点ぐらいしか取れず、理科が物理と化学(2科目で計120点満点)でどちらも30点ぐらいかな。合格者平均よりは、まあまあ上だったかなと思います。
【註】基本的には、東京大学医学部へ進学できるのは理科三類の学生のみであるが、学部1~2年時に成績上位を維持している者については、理科二類から医学部への進学もあり得る。
合格発表はネットのみだったのですが、自分の番号があったときは「よかった……」と、うれしさより安堵の気持ちのほうが大きかったです。その後、母に知らせたら「まさかあなたが受かるなんて!」と泣き叫んでいました。
えもり 私は試験の点数まではそんなに憶えていないですね。センターが8割5分ぐらい取れて、二次試験の点数は合格者平均よりちょっと下ぐらいだったはずです。
印象に残っているのは、京大の受験会場で、周りが参考書やノートを読んでいるのに、1人だけ『ちゃお』(小学館発行の少女マンガ誌)を読んでいる女子がいたこと。ヤバイな、怖いなと思いましたが、今彼女がどうしているか気になります。
あずき 私も試験の点数は、センター、二次ともにえもりちゃんと同じような感じでした。ただ、受験勉強中は京大が合格圏内だったのに、センターで失敗してしまい、1月後半に仕方なく志望校を変えて、京大ではなく名大に。小学校の頃からずっとパソコンと勉強全般が好きで、京大では総合人間学部を目指していたので、似たようなことが学べる学科を探しました。
最終的には、名大と慶応大学のどちらに進学するか迷ったのですが、トイレの印象で名大の情報文化学部に行くことを決めました。
田中 ああ、トイレは女子学生の進学において重要なポイントですよね。
――えっ? トイレが決め手に!?
あずき はい。受験会場だった慶応の校舎のトイレが寒々しくて、めちゃくちゃ古かったんですよ。名大のトイレは、きれいだし暖房便座もついていて魅力的でした。公立中高のトイレがずっと寒々しかったので、大学に入ってまでそういう学生生活はしたくないと思っていたんです。
田中 大学ってへんな場所で、トイレだけ見ても、共学の学校なのに男子用のほうが多かったり、女子用だけ行きづらい場所に配置してあったりすることが、普通にあるんですよ。
あずき ただ、2人と違って私の家族は、私が勉強をがんばっていることにあまり関心がないようでした。特におばあちゃんは、受験勉強に励んでいい大学に入った私を、あまり快くは思っていなかったようです。
というのも、おばあちゃんから定期的に届くお惣菜と一緒に入っている私宛ての手紙は必ず、「がんばらないで」という言葉で締めくくられていたんですよ。最初はなんのことだかわからなかったのですが、手紙の文脈からだんだんと、おばあちゃんは「女の子は大学で勉強なんかしなくてもいい」と思ってるってことが理解できました。
田中 それは、“女子あるある”かもしれませんね。
(第2回へ続く)
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事