サメ社会学者Rickyに聞く、「サメ映画」という深~い沼と可能性
#映画 #インタビュー
『ニンジャVSシャーク』のツッコミポイント
――『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』のツッコミどころはどこですか?
Ricky:まず、全然サメが出ない(笑)。キービジュアルにドーンとサメが描かれているわりに、たいしてサメが出てこないのは「サメ映画あるある」ですけど、それにしても出ない(笑)。
――もったいぶったうえに、出てきても数分(笑)。ほかにもありますか?
Ricky:ネタバレになるので詳しくは控えますが、ラストシーンには……B級サメ映画の十八番がすべて詰め込まれています。
でもそのグダグダ感、雰囲気で強引に押し通す感じは、まさにサメ映画。意味わかんないところだらけなんだけど、全部ひっくるめて、「ああ、サメ映画をやりたかったんだな」という愛はすごく感じました。
――ポスターの構図も若干ジョーズっぽいし、「スピルバーグも驚く怒涛の死闘」と謳っちゃってる。こういうノリも「サメ映画あるある」ですね。目新しいのは、設定が江戸時代で、忍者が戦うことでしょうか。
Ricky:とりあえず日本だから忍者(笑)。アクションシーンは感動しますが、サメ部分とのギャップが半端ありません。ただ時代的には、江戸時代の人たちがサメを知っていても全然おかしくはありません。サメって、古事記に記述があるほど、日本社会では古くから親しまれてきた生き物なんです。
――登場したサメについて、“リアル”と照らし合わせて、いかがですか?
Ricky:映画では10メートルぐらいの設定なのかな。モデルにしたと思われるホホジロザメは、ちゃんと記録されたもので、最大全長6メートルほど。そう考えるとなかなかのデカさですが、やたら巨大化させるのも「サメ映画あるある」です(笑)。
サメ映画の「可能性」
――改めてサメの魅力と、サメ映画の魅力はそれぞれなんだと思いますか。
Ricky:サメの魅力は、第一にやはり「多様性」。「アイドル性」とも言い換えられますね。平べったかったり細長かったり、本当にいろんなサメが世界中にいる。例えるなら、AKB48のスゴい版、みたいな感じなんですよ。いろんな子がいて、どこかにきっとあなたの“推し”が見つかります。
第二に、「謎の多さ」ですね。例えばジンベイザメってすごく有名なのに、繁殖については、まだまだベールに包まれているんです。謎に満ちているというのは大きな魅力です。
――では、「サメ映画」の魅力は……?
Ricky:「なんでもあり」、フリーダムさ。サメ映画なら許される、という包容力でしょうか。僕は、この「なんでもあり」に大きな可能性を感じているんです。
「タックスシャーク」ってご存知ですか? 会計ソフト「freee」を作っている株式会社freeeが2017年に作った、確定申告を促すPR動画です。僕はこれを見て、「サメを使って、何かの啓発や社会貢献ができる可能性があるな」と。
――何がなんだかわからないけど、とにかく、サメにはまだまだあらゆる可能性が眠っていると。
Ricky:でも真面目な話、サメやサメ映画って今、本当にキテますよね。今後ますます、サメやサメ映画と人々との関わりは面白くなっていくと思います!
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