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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 3大特撮を制覇した坂本浩一監督のサメ映画
『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』公開記念 坂本浩一監督インタビュー

3大特撮を制覇した坂本浩一が監督 『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』の制作秘話

3大特撮を制覇した坂本浩一が監督 『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』の制作秘話の画像1
坂本浩一監督(写真/石田寛)

 忍者VS鮫!! 空前のサメ映画ブームに、遂に日本映画が殴り込みを果たす!! 4月14日にいよいよ全国ロードショーとなる『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』。

 この作品は「スーパー戦隊」「ウルトラマン」「仮⾯ライダー」と、いわゆる3大特撮を制覇している坂本浩一氏が監督を務めており、『ウルトラマンZ』で主人公役を演じた平野宏周や『仮面ライダーゴースト』の西銘駿などが出演。特撮ファンからも熱い視線が送られている。

 ちなみに筆者も1回でいいはずの試写を気がつけば3回観ているし、公開されたら映画館でも観るつもりだ。正直、『シン・仮面ライダー』より観ている。それだけ、中毒性がヤバい作品ということだ。

 そんなヤバすぎる『妖獣奇譚』を監督された坂本氏に、今回は映画の制作の経緯、撮影裏話や、「サメ映画」の魅力をたっぷり語っていただいた。

〈『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』あらすじ〉
刻は江戸時代。人里離れた沖津村の浜に村⼈の惨殺された死体が上がる。邪教集団・紅魔衆の首領・螭鮫⼠郎は不老不死の力を得る為に、忍術を使い鮫を操る事によって村で採れる真珠を強制的に村⼈から巻き上げていたのだ。この状況に業を煮やした村長は、助太刀を頼むべく村外れの寺にいる用心棒の潮崎⼩太郎に会いに行く。報酬とともにその仕事を⼀旦引き受ける小太郎だが、小太郎の行く手に現れたのは菊魔と名乗る女忍者だった。村⼈を救う為に鮫⼠郎に戦いを挑む⼩太郎だが、その前に現れたのは、この世の物とは思えない巨⼤な鮫…。遂に実現する、忍者対鮫の究極バトル! 生き残るのはどっちだ!

サメ映画へのリスペクトを込めつつ、「忍者」でマンネリを打破

3大特撮を制覇した坂本浩一が監督 『妖獣奇譚 ニンジャVSシャーク』の制作秘話の画像2
写真/石田寛

――今回、初めてサメ映画を監督されたかと思いますが、映画制作で心がけたことは。

坂本 サメ映画はツッコミどころを楽しみに観に来るジャンルだと思うので、ジェットコースターのような勢いで、最初から最後まで楽しんでいただきたいと思いました。上映時間の中に楽しめる要素をできるだけ詰め込もうというのが狙いで、シーンが進むごとにさらにおもしろく、惹きつける要素を散りばめられるように、脚本や演出を調整しました。数分に1回は血が必ず飛び出るし、ゾンビも出てくるし、アクションもスプラッターも詰め込んでいます(笑)。

――元々、こういったホラー要素の強い映画はお好きだったのでしょうか。

坂本 今は特撮作品を監督させていただくことが多いのですが、映画全般好きですし、アメリカではホラー映画に携わることも多かったですよ。それに普段はアクション要素の多い作品を制作しているので、アクション映画を観ると頭が仕事脳に切り替わり、撮影方法などいろいろ気になってしまいます。なので、リラックスしたいときは、ホラーやサメ映画を観るほうが多いんですよ(笑)。

 だから、サメ映画の“バカバカしい部分”も楽しめるって分かっているつもりでいたんですが、いざ自分にオファーが来て、いろいろなサメ映画を観直してみたら「あれ? ちゃんと作っている」と、驚きました(笑)。サメのルックもいろいろあるので、どんなサメがいいかリサーチしました。その中でも『ロスト・バケーション』(16)のサメが自分のイメージに近く、クオリティも高かったので、CGチームにイメージを共有しました。撮り終わった後には、「サメ映画の制作者はみんな大変だったんだなぁ」とリスペクトするようになりましたね(笑)。

 そんなサメ映画をリスペクトしつつ、バケーション中のカップルが事件に巻き込まれる……というサメ映画のマンネリパターンを、どうやって打破するか?という挑戦もありました。

――打破のための秘策が今回は忍者だったと!

坂本 ですね(笑)。サメを軸にしながらも、サメ以外の部分でも楽しめるギミックとして忍者が登場します。もともとこの映画の企画自体が海外展開を狙ってスタートしていて、リアリティのある忍者よりも、エンターテイメント性の高い忍者の設定にしてあるので、忍術も使うし、血も飛び出します。自分が子どもの頃から大好きな『魔界転生』(81)や『伊賀忍法帖』(82)のような山田風太郎テイストの忍者の世界をイメージして作りました。

――呪文を唱えたり、エロスが溢れていたりする、魔人タイプの忍者ですね。今回、主人公の潮崎⼩太郎を演じている平野宏周さんは『ウルトラマンZ』で演じられたナツカワハルキとはひと味もふた味も違う、大人の乱暴な色気のようなものも感じられました。

坂本 平野くんはハルキのイメージが強く、他の作品でも、真面目で可愛い後輩のような役が多かった気がします。最初に台本を渡したときも、平野くん自身は、どこか頼りないけど好きな人のためには一生懸命頑張る信助の役になると思っていたみたいで、小太郎役だと伝えたらびっくりしていました。平野くんは身長もあるし、身体つきもガッシリしているので、小太郎のような悪漢役が見てみたかったんです。案の定、ばっちりハマりましたね。

 逆に、西銘くんの可愛らしい愛されキャラが信助にはハマり役でしたね。『ゴースト』を撮っていたときも、西銘くんの人柄とお芝居には癒されていました。しかも、沖縄出身で海に慣れているところもこの作品にはプラスでしたね!

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