凶悪事件のトラウマが伝播する社会派ホラー! シリーズ最終作『ハロウィン THE END』
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世界中を震撼させてきた人気ホラーシリーズが、ついに終焉を迎えた。ハロウィンの夜、不気味なマスクを被った“ブギーマン”が殺戮を繰り広げる『ハロウィン』シリーズ。オリジナル版の公開から45年という歳月を経て、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督によるシリーズ最終作『ハロウィン THE END』が4月14日(金)より日本で公開される。
ジョン・カーペンター監督が生み出したシリーズ第1作『ハロウィン』(78)は、低予算作品ながらホラー映画史上に残る大ヒット作となった。デヴィッド監督は、ジョン・カーペンター監督が認める正統な続編として『ハロウィン』(18)と『ハロウィン KILLS』(21)を手掛け、共にオリジナル版を上回る大ヒットを記録。『ハロウィン THE END』は新三部作の完結編であり、“ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズとヒロイン・ローリーの長い長い戦いに終止符が打たれることになる。
あのブギーマンに後継者が現れる!? そんな意外な展開が『ハロウィン THE END』では待っている。舞台となるのは、おなじみ米国イリノイ州にある架空の街・ハドンフィールド。大学進学を目指す真面目な若者・コーリー(ローハン・キャンベル)は、ハロウィンの夜にベビーシッターを頼まれた。だが、いたずら好きな少年・ジェレミーの悪ふざけが原因で事故が起き、ジェレミーは転落死してしまう。
裁判では無罪となったコーリーだったが、一部の人は「サイコパス野郎」と冷たい目で彼を見ていた。心を閉ざすコーリーに、優しく接するのはローリー(ジェイミー・リー・カーティス)だった。殺人鬼マイケル・マイヤーズとの一連の抗争によって、彼女も街では変人扱いされていた。ローリーの孫娘・アリソン(アンディ・マティチャック)も、コーリーに好意を抱くようになる。
再び、ハロウィンの夜。アリソンはコーリーを誘って、ハロウィンパーティーへと出掛ける。だが、「よくパーティーに来れるわね」と、コーリーは罵声を浴びせられる。その場を逃げ出したコーリーは、さらに街の不良たちからボコボコにされるはめに。
身も心も傷ついたコーリーは、古い下水道に潜んでいたマイケル・マイヤーズ(ジェームズ・ジュード・コートニー)と遭遇。2人の深い心の闇は共鳴し、コーリーの性格は豹変。ハドンフィールドは、新たなる惨劇を迎えようとしていた。
トラウマを抱える街・ハドンフィールドが舞台
新三部作を任されたデヴィッド・ゴードン・グリーン監督は、セス・ローゲン主演の『スモーキング・ハイ』(08)やジョナ・ヒル主演の『ピンチ・シッター』(11)などのコメディ映画で頭角を現し、ボストンマラソン爆破事件を題材にした『ボストン ストロング ダメな僕だから英雄になれた』(17)などの実録ドラマでも知られている。マクドナルドで起きたストリップ強要事件を描いた問題作『コンプライアンス 服従の心理』(12)の製作総指揮も務めた。エンタメ系と社会派ドラマ、どちらも得意としている。
デヴィッド監督が手掛ける新三部作は、どれも社会派ホラーと呼びたくなる内容だ。マイケル・マイヤーズとの戦いによって、平凡な女子大生だったローリーは、すっかり平凡ではない人生を歩むはめになった。40年が経っても、ローリーの持つ心の傷は癒えずにいる。そのことは孫娘のアリソンにも大きな影を落としている。また、前作『ハロウィン KILLS』ではローリー一家だけでなく、ハドンフィールドという街自体がトラウマを抱えている様子も描かれていた。
新作『ハロウィン THE END』は、そんな深いトラウマにローリーやアリソンが立ち向かう様子が描かれている。ローリーは忌まわしい過去を伝記として書き残すことで、アリソンは看護師として日々働くことで、トラウマを克服しようする。一方、繊細なコーリーは、マイケル・マイヤーズの闇に次第に侵食されてしまう。
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