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志村けんさん命日の加藤茶ツイートに見るドリフメンバーの絆…当時の伝説と無敵感

志村けんさん命日の加藤茶ツイートに見るドリフメンバーの絆…当時の伝説と無敵感の画像1
故・志村けんさん

 2020年3月29日、伝説のコントグループ「ザ・ドリフターズ」のメンバーであり、現役として第一線で活躍していたお笑い芸人「志村けん」さんが新型コロナウイルスによる肺炎の為亡くなった日だ。この一件はお笑い界だけではなく世間的にも衝撃が走り、日本国中が悲しみに包まれたと言っても過言ではない。

 そんな志村さんの死から3年経った2023年3月29日。同じ「ザ・ドリフターズ」のメンバーである加藤茶さんが自身のTwitterで「今日で三年。」とだけ綴り、志村さんの3回目の命日を報告し、かつて志村さんとコントで扮した議員姿の2ショットを投稿した。

 この加藤さんの「今日で三年。」という少ない文字からも、志村さんへの想いや、残された加藤さんの悲しさ、さらに盟友での遺志を継ぐ決意など、様々な感情や意思が伺えるような気がした。

 当初、加藤さんにとって志村さんの死はなかなか受け入れられるものではなかったらしい。以前加藤さんの妻である加藤彩菜さんが「中居正広の金曜日のスマイルたちへSP」(TBS系)へ出演した際に、志村さん死去後の加藤さんの様子を語っていた。

 志村さんが亡くなってすぐに「志村けんさんの追悼特別番組 46年間笑いをありがとう」(フジテレビ系)が収録され、加藤さんを含めた「ザ・ドリフターズ」メンバーやゲストの方などが出演。その収録までは加藤さんは気丈に振舞われていたそうだが、収録が終わると一気に崩れたとのこと。

 その日から、加藤さんは夜な夜な志村さんのコント番組を見続けた。しかし、笑うわけでもなく、ただひたすら眺めていたという。奥さん曰く、食事ものどを通らなくなっていたようで、加藤さんの悲しみは我々には計り知れないものだっただろう。

 同じグループというだけではなく、「8時だョ!全員集合」(TBS系)が終わった直後、同じTBSにて「加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ」という加藤さんと志村さんをメインとした番組が放送され、空前のブームとなった。同じ時代に生きて、同じように苦楽を共にし、同じ目標に突き進んだお二人の絆はグループの枠を超えたものであったのは間違いない。

 そんな加藤さんが志村さんの死を受け入れたのは2022年3月に「ザ・ドリフターズ」のメンバーで志村さんのお墓参りに行ったときだった。詳しい心情はわからないが、そのお墓参り以降、志村さんとのコントを笑いながら見られるようになったとのこと。

 もちろん志村さんを忘れることはないが、加藤さんの中で、少しずつ思い出となっているのかもしれない。

 加藤さんの投稿に対してファンから「いまだに信じられないです」「いつまでも最強タッグだと思ってます」「まだまだ実感がわかない」などのコメントが寄せられ、さらに「加藤さんも元気に毎日過ごしてください!」「志村さんの分まで長生きしてください!」という加藤さんの健康を願う声も上がっていた。

 「ザ・ドリフターズ」で思い出したのだが、つい先日知り合いの姪っ子が「ザ・ドリフターズ」の存在を知らなかった。現在15歳ということもあり、確かに「ザ・ドリフターズ」というグループ名を知らなくても仕方がない。なので「加藤茶とか志村けんがいるグループだよ」と伝えると、志村さんはかろうじてわかるものの、加藤さんに関しては名前すら聞いたことのない様子だった。

 言われてみれば志村さんは「天才!志村どうぶつ園」(日本テレビ)や「志村けんのバカ殿様」(フジテレビ)など多くの番組で活躍しており、「ザ・ドリフターズ」時代の功績を知らなくても現在進行形のコメディアンとして認知しているのだが、加藤さんになると年に数回の特番や子供が視聴する確率が低い番組などへの出演が多く、見たことはあっても認知するのが難しかったのかもしれない。僕と15歳のジェネレーションギャップがあるのは承知しているのだが、「ザ・ドリフターズ」というグループがこれからの世代には存在すら知られない可能性があると思うと、とても切なくなり、時代の流れを感じてしまった。

 今回、加藤さんのツイートのおかげで、「志村けん」という偉大なるコメディアン、さらに「ザ・ドリフターズ」という伝説のコントグループが存在したことを僕たち世代は思い出し、これからを担う世代に知ってもらう機会になったはずだ。

 そして語り継がれることにより、「いかりや長介」「高木ブー」「仲本工事」「加藤茶」「志村けん」の5人が作り出す笑いの方程式がいつの世代まで通じるのかを見てみたい。出来ることなら新作コントではなく、過去の映像でもいいから僕たちが熱狂した純度100パーセントの「ドリフコント」を見て欲しい。

 あの頃の「ザ・ドリフターズ」の無敵感は思い出しただけでも震える。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/04/05 12:00
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