山岳民族に残る「嫁さらい」の実情を追う 『霧の中の子どもたち』と日本の非婚化
文春は孤軍奮闘…ジャニー喜多川氏の性加害問題と日本メディアの体たらく
2023/04/04 19:00
#元木昌彦 #週刊誌スクープ大賞 #ジャニーズ事務所
今週の注目記事・1「死から3年『俺の子を産んでほしい』特別な関係を結んだ女性が明かすもう一人の『志村けん』」(『週刊新潮』4/6日号)
同・2「『中村倫也と結婚』を視聴率稼ぎに利用される『水卜アナ』の負荷」(『週刊新潮』4/6日号)「中村倫也が陥ちた水卜麻美アナの肉食力」(『週刊文春』4/6日号)
同・3「『お尻から出血』ジャニー喜多川『少年性虐待』6人の報告書」(『週刊文春』4/6日号)
同・4「宮内庁に激震『秋篠宮』熱望の新設『広報室長』に女性『外事警察エース』のなぜ」(『週刊新潮』4/6日号)
同・5「『大増税ニッポン』の税金は不公平」(『週刊新潮』4/6日号)
同・6「大谷翔平を両親はどう育てたのか」(『週刊文春』4/6日号)
同・7「岸田“有頂天宰相”解散まっしぐらの落とし穴」(『週刊文春』4/6日号)
同・8「『叔母』も標的『京都タリウム殺人鬼』狙いは『開かずの金庫』だった」(『週刊新潮』4/6日号)
同・9「はま寿司従業員の告発『“消費期限切れ”の魚を…』」(『週刊文春』4/6日号)
同・10「壱岐17歳“少年自死”同居の離島留学生が虐待告発『里親に怒鳴られ叩かれ…』」(『週刊文春』4/6日号)
同・11「斎藤幸平がニッポン大転換を解き明かす」(『サンデー毎日』4/9日号)
同・12「懲りない男 井川意高(58)元大王製紙会長がカジノでまた溶けていた」(『フライデー』4/24日号)
同・13「医学部受験のカリスマ『和田秀樹』が“塾代返還裁判”敗訴で『裁判官の壁』」(『週刊新潮』4/6日号)
同・14「娘への躾、海外留学 松嶋菜々子(49)の最強ママ伝説」(『週刊文春』4/6日号)
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今週は現代とポストが合併号でお休み。
WBCの余韻が残っているのか、文春、新潮の記事にもこれはというものがない。というわけで今週は順位なし。
最初はNHK大河ドラマ『どうする家康』で家康を「己の妻や子ごとき平気で打ち捨てなされ!」と一喝する母・於代を演じている松嶋菜々子(49)のお話から。
彼女は、俳優の反町隆史と結婚して、18歳と15歳の娘を持つ母親だという。彼女の躾は、自分も両親から厳しく躾けられてきたため、礼儀や言葉遣いには厳しく、松嶋によれば、娘たちは、
「すごい『怖い』って上の子は言ってます。厳しくしてるつもりではありますけど、子どもも別人格ですから。思ったようにはならないので、日々反省です」(松嶋)
2人の娘は松嶋の友人が暮らす海外に留学しているそうだ。
今も週2~3回のジムは欠かさず、美貌とスタイルを維持しているそうだ。
自分にも厳しい母親は、子どもたちにも厳しさを求めるようだ。大変だろうな娘たちは。
お次は『80歳の壁』(幻冬舎新書)が大ベストセラーになって“時の人”になっている精神科医の和田秀樹(62)のお話。
和田は、東大在学中に、東大や医学部志望の学生に向けた塾「鉄緑会」を立ち上げた受験界のカリスマでもあるという。
2004年には「和田塾緑鐵舎」という6年制の塾を開校し、医学部に合格しなければ授業料を返金する「合格保証制度」で有名だった。
そこにある生徒が入学してきた。最初から東大理三に入ると公言していたが、高3の春の全国模擬でも到底及ばない成績だった。
だが、親もほかは受けさせないと拒否した。その結果、最難関大学を4つ受けたがすべて不合格になったそうだ。
すると、医学部に入れなかったとして生徒側が、授業料返還を求めたが折り合いがつかず、民事訴訟を提訴。
3月13日、東京地裁は和田塾に756万円の支払いを命じた。
和田は憤る。
「実力に合った大学を受けて落ちたなら当然返金しますよ。実際に過去そうした例で返金を行っています。しかし、どこかの医学部に受かる力はあったのに実力に合わない大学だけを受験して、それで落ちたら返金というのはさすがに納得がいきません」
和田の怒りはもっともだが、「落ちたら返金」とうたっている以上、致し方ないのでは。
地裁は、「学力に応じた大学を受験した場合のみ合格を保証する」などの注釈を記さなかったことが被告側の落ち度だとしたようだが、こうした注釈をつけては、入塾する生徒は少なくなってしまうのだろう。
今の和田にとっては、800万ぐらい痛くもかゆくもないだろうが、二足のわらじは、そろそろ脱ぎ捨てたほうがいいのでは。
80歳でなくても「壁」はどこにでもあるのだから。
私は競馬依存症である。毎週土曜、日曜は、昼頃からテレビにかじりつき競馬三昧。
だが昔とちがって年金生活者だから、1レースに何万とは賭けられない。言葉は悪いが「乞食博打」である。
それでも馬が走っているのを見るのは楽しい。ゴール前の攻防は、たかが千円しか賭けてなくても手に汗を握る。
昨日の高松宮記念は、4歳馬で二冠馬のスターズオンアースから馬単で買っていた。ジャックドールではさほどつかないが、ゴール前では差したと思った。力ははるかにスターズのほうが上だった。だが、鼻差届かなかった。
これが競馬である。たかが競馬、されど競馬。スターズオンアースが次に出てきたら、間違いなく勝つ。この馬の敵はイクイノックスだけだ。
とまあ、熱くなってしまうのだが、この井川意高という男は、一晩で何億と賭けるバカラ賭博に心底魅せられてしまったのだろう。
大王製紙という製紙会社の御曹司だったのに、関連会社から借り入れた106億円という途方もない金をバカラ賭博で失い、特別背任容疑で逮捕され、懲役4年も食らったのに、また、韓国・ソウルのカジノに姿を見せ、「小銭を賭けている」姿があったとフライデーが報じている。
最初は、20万円程度のバカラをやっていたが、そのうち、もう少し掛け金の多いところへ移り、負けが込んでくるとまた安い掛け金のところへ戻る。
最初に姿が目撃されてから、20時間が経過していたという。
フライデーに対して井川は、カジノは5年ぶりで、一晩数千万円でやってきた自分には、パチンコのようなもの。3日3晩やって数百万円しか負けなかったと話している。
だが、その後も韓国のカジノで賭けている姿を目撃されているという。
バカラ賭博依存症という病なのであろう。他人のことはいえない。私も立派な競馬依存症という病である。
だが、恵まれているのは、私にはカネがないし、サラ金に借金してまでやろうという度胸がない。小人閑居して不善をなさない。いいのか悪いのか、しょせん小物だからな。
さて、和田秀樹が軟派のベストセラー作家であるなら、斎藤幸平東大准教授は硬派のベストセラー作家である。
彼の『人新世の「資本論」』(集英社新書)は46万部売れたそうだ。私も読んだが、今の時代にマルクスを蘇らせた新鮮な読書体験だった。
その斎藤が、サンデー毎日で田原総一朗のインタビューを受けている。
聞くべき内容は多いが、次の言葉を紹介しておきたい。
「脱成長型社会にする。市場をどんどん広げて経済成長していけばいいというマインドから脱却していくことだ。私は思想が専門なので、新しい価値観への転換を訴えていきたい。例えば、最大年収の上限を1億円にする制度を導入したらどうか。競争はあってもいいが、その結果としてどんなに勝っても、三木谷(浩史楽天グループ創業者)さんでも孫(正義ソフトバンクグループ会長)さんでも1億円以上は取れない。過剰なファーストフード、ファストフアッションなど、健康にも地球環境にもよくない商品の過剰広告は規制する。教育、医療、公共交通機関の無償化も大事だ。誰もがベーシックなものに対し、最低限のアクセスができるようにする。井手(英策慶應義塾大教授)さんのベーシックサービス論に近い」
1億円という額がいいかどうかは別にして、金儲けの上限を決めるというのは私もいいと思う。
これだけ消費税を上げて、社会福祉が充実するどころか、どんどん低下していくような国づくりでは、多くの国民が不幸になるだけだ。
用のない防衛費増額など即刻やめて、ベーシックインカムについて本格的に議論するべき時であろう。私はそう考える。
文春が報じた長崎県壱岐島で離党留学していた高校2年生の椎名隼都(17)が行方不明になっていた事件は、3月20日、壱岐島南西約4キロにある原島の岩場で遺体が発見された。
警察は自殺の可能性が高いと見ている。
離党留学も、父親が再婚するので、再婚相手が彼をそばから離そうとしたのではないか。そんな見方もあるようだ。
どちらにしても椎名が自ら望んだことではないようだ。そのうえ、里親のAからスマホを取り上げられ、取り戻そうとすると怒鳴られていたという。
食事もAの家族と留学生たちは差をつけられ、去年の夏は、遅くまでゲームをしていた椎名を含めた留学生たちが、台風で暴風雨の中、山の上で正座をさせられたという。
Aは文春から「虐殺だと思うか」と聞かれ、
「……世間一般的に見れば、虐待ですよね。でも、僕らの中ではそういう気持ちっていうのは親心と思って。でも結果は結果なので(椎名君の)気持ちを読み取れなかった。しかも長いこと」
と答えている。
しかし、壱岐市教育委員会の久保田良和教育長は、
「日常的に叩かれていたり怒鳴られたりしていたら、椎名君は三年半もそこ(Aさん宅)にいるわけがないんです。親代わりで優しくされていたということだと思う」
とふざけたことをいっている。
優しくされていた高校生が自殺するはずがないではないか。両親からも見放され、里親からは虐待のようなことをされていたから、自ら死を選んだのではないのか。
徹底的に椎名の死を調べ、もう一度留学制度を見直さない限り、この島へ子どもを留学させようなんて親は出てこないだろう。
ところで、今度は回転ずしの「はま寿司」である。ここは、私が好きなすき家の牛丼のゼンショーホールディングスがやっていて、全国に575店舗あるという。
そのはま寿司の福島県にある「はま寿司郡山堤店」で、店長の指示の下、長年にわたって使用期限(消費期限)切れのネタの使用やラベルの改ざんが行われていると、従業員が文春に告発している。
使用期限切れのネタを出すのは週末や祝日、大型連休やお盆などの繁忙期だそうだ。
もっとひどいことも日常化していたという。
「使用期限が切れて黒ずんだマグロを『これ、揚げ物にして』と店長に言われました。期限が切れたネタは揚げ物として使うのも本来NGなのですが……。背景には店長のパワハラもありました。意に沿わない態度を取ると『バカかお前!』『ふざけんな』などと叱責されるので、抵抗できずに不正に加担してしまったのが実情です」
しかも、こういうことはここだけではないというのである。
今年2月には、こうした内部告発があり、ゼンショーによる立入り検査が行われたが、広報室は、「使用期限切れ食材が実際に(利用客に)使用されたかどうかは確認できていません」と回答しているが、従業員はこういう。
「本部の人が検査に来ている目の前で期限切れのネタを提供するワケはありませんよね」
その通りである。ここはいまだに一皿100円だそうだが、その安さが、使用期限切れのネタを使っていることで保たれているとしたら、我々利用者への裏切りであろう。