『THE SECOND』吉本興業勢の不振…経験値の高さがアダとなる理由
#お笑い #吉本興業 #THE SECOND
結成16年以上の漫才師による賞レース『THE SECOND ~漫才トーナメント~2023』(フジテレビ系)の「開幕戦ノックアウトステージ32→16」が3月27、28日に開催され、「ノックアウトステージ16→8」に進出する16組が決定した。
1対1のタイマン方式で争われる今回のノックアウトステージ。会場に集った一般審査員100人が3点、2点、1点の3段階で評価し、合計点が高かった漫才師が勝ち上がるルールとなっている。
ベスト16に勝ち上がったのは、2丁拳銃、スピードワゴン、流れ星☆、三四郎、COWCOW、超新塾、ラフ次元、ギャロップ、三日月マンハッタン、テンダラー、マシンガンズ、ランジャタイ、かもめんたる、囲碁将棋、タイムマシーン3号、金属バットという面々。4月下旬開催予定の「ノックアウトステージ16→8」で再びタイマン方式のバトルを行い、勝ち残った8組でグランプリファイナルが行われる。
「吉本勢、そして大阪勢が意外とふるわなかったという印象があります」と話すのは、とある構成作家だ。ベスト32では20組いた吉本芸人だが、そのうちベスト16に勝ち上がったのは7組。ベスト16では半数以上が“非吉本”という結果になった。また、大阪を拠点に活動するスーパーマラドーナ、シャンプーハット、モンスターエンジン、4月から東京に拠点を移すガクテンソクなどの実力者たちも敗退している。
「在阪のお笑い賞レースで圧倒的に吉本が強いのは当然なんですが、一方で全国区の賞レースとなるとそういうわけでもない。特にここ数年のM-1グランプリなどでも、非吉本勢が決勝戦で爪痕を残すケースが多く、かつてのような“吉本優勢”の空気は薄れていますね。今回のTHE SECONDもまた、同じ流れだったのでしょう」(同)
多くの劇場を保有し、舞台に立つ機会が圧倒的に多い吉本芸人たち。経験値の高さから賞レースで有利になると思われがちだが、意外とそうでもない事情もあるようだ。
吉本の各劇場はそれぞれ客層が異なり、劇場ごとにウケるネタ・ウケないネタがあるという。“寄席(よせ)と表現される老若男女が集まる劇場であれば、わかりやすいネタがウケやすく、コアなお笑いファンが集まるライブであれば、尖ったネタがウケやすい傾向がある。吉本芸人たちは劇場や客層によってネタを変えながら舞台に立つのがほとんどだ。さらに、賞レースの予選の場合、よりコアなお笑いファンが集まりやすいという傾向があるうえ、“客審査”が入るとなると、“お笑いファンに支持されているかどうか”などの“ウケ以外の要素”も絡んでくる。これらの複雑な状況を読んで、ネタを選んでいくことになる。
「今回のノックアウトステージは、フジテレビのスタジオでの収録でした。普段の劇場でのライブとは異なる状況の中で“一般審査員”に向けてネタをするということで、劇場での空気を読んでネタを選ぶという感じではなかったと思います。だからこそ、劇場での経験値が豊富な吉本芸人にとっては、ネタの選択が難しく、なかにはチョイスミスをしたコンビもいたのではないでしょうか。
一方、非吉本芸人はそんなにさまざまな舞台に立っているわけではないので、ある種、“決め打ち”でネタを仕上げることができた。“ブレがない”という意味で、非吉本芸人のほうが開き直って賞レースに挑めたという側面もあると思いますね」(同)
今後開催される「ノックアウトステージ16→8」ならびに「グランプリファイナル」についても、すべての審査が一般審査員によって行われるという。
「勝ち上がった芸人たちは審査の雰囲気もつかめたでしょうし、これ以降はネタのチョイスミスもなくなり、本当にガチンコで戦っていくことになるはず。番狂わせも起きづらくなり、よりいっそうハイレベルな戦いになるでしょうね」(同)
実力者たちが真正面からぶつかり合うTHE SECOND。とんでもない大会となりそうだ。
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