高市早苗大臣の捏造騒動で永田町恒例の“あの声”が聞こえてこない不思議
#高市早苗
国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。
国会はドラマ『罠の戦争』の終了で悲しみにひたりたいところでしたが、もういろんなニュースが全部WBCに持っていかれましたね。決勝戦が行われていた日本時間3月22日午前中は普通に公務中でしたが、委員会の合間などに「日本優勝!」と伝わってきて、議員や秘書たちも喜んでいました。
神澤も朝から部会の準備や代理出席の会合などがいくつもあり、中継は見ることができませんでしたが、移動の時などネット速報をチェックしながら一喜一憂しておりました。最近はサッカーやバスケなどスポーツもいろいろですから、今回の選手たちの活躍で野球人気が再燃するといいですね。
思えばひと昔前は政治家や評論家にも野球好きが多く、政治情勢に絡めていろいろと語り合ったものです。たとえば「ツーアウト満塁の絶好期に、うちの代表は見逃し三振、何やっとるんだ……」とか「うちの政党は監督からのサインを無視するボンクラが多いから勝てない」とかですね。
高市早苗大臣の状況を野球に例えるなら「9回裏同点、無死満塁の絶体絶命のピンチ。今後を考えると心臓(=晋三)がドキドキします」みたいな感じでしょうか。
国会では「秘書=男性」が常識?
今回の高市大臣の騒動については国会内も意見が分かれていて、「あくまでかばう」派、「辞任までいかないよう落とし所を探す」派、「いったん辞めたら?」派など、さまざまです。
神澤的には、早く落とし所を見つけて落ち着いていただきたいですね。数少ない女性議員なのですから。ただ、この件については「これだからオンナは……」という声は意外に聞こえてきませんね。
実は、神澤は国会内のジェンダーギャップで今もがっくりすることがあります。公設秘書の男女比を調べた公的なデータはないですが、『国会便覧』の公設秘書の名簿を見ると、女性と思われる方々の割合が3割くらいまで増えてきていると思います。神澤が秘書になった約30年前の公設秘書の女性比率はおそらく5%にも満たなかったと思うので、女性の公設秘書の採用は進んできているとは言えると思います。
それでも、いまだに事務所の電話に出ると「秘書に代わってください」と言われることが多いです。男子大学生のインターンは言われたことがないそうで、年齢ではなく女性を秘書とは思わない方たちがいるのでしょうね。
ある官僚氏は、電話でのやりとりの後に事務所でレクもしたのに、翌日になって「昨日は神澤さんはいらっしゃいませんでしたね。神澤さんは公設秘書ですか? 政策担当ですか?」と電話をしてきました。
残念ながら、永田町も霞が関も超のつく「男社会」で、LGBTQなどへの理解がないのは、差別発言で先月更迭された荒井勝吉前総理秘書官だけではないんですよね。
諸外国と比較しても、国会議員の男女比率は非常に低いです。内閣府の男女共同参画局のデータ(2022年12月23日現在)によると、日本の衆議院の女性議員比率(10.2%)は190か国中165位で、G7加盟国の女性議員比率が平均約30%であるのに対して、OECDやG7加盟国では最下位となっています。
議会制度は国ごとに異なるので、議員比率を国際比較する際は、二院制の場合は通常は下院で比較します。参議院の女性議員比率(23.1%)では94位でやっと中間くらい、衆参の合計の女性議員比率(14.7%)では147位と、やはり低いですね。意思決定の場に多様性がなければ、政策の細部に多様性の視点が入ってきません。国会議員に限ったことではないですが、あらゆる分野で女性の割合をアップしてほしいです。
もっとも「女性なら誰でもいい」というわけではないですよね。議会を欠席しての不倫温泉旅行が問題になった上西小百合元衆院議員、「このハゲー」で話題になり、今はテレビのコメンテーターとしても活躍されている豊田真由子元衆院議員、不倫相手の元妻が自殺までしている山尾志桜里元衆院議員、差別発言がたびたび炎上する杉田水脈衆院議員など、お騒がせ議員も多いです。もはや懐かしいお名前も多いですが、日本をよくするためには男女関係なくがんばらなくちゃって思います。
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