ぺこぱ、急失速の裏事情…ブレイク後の苦しい現状と“優しい漫才”の限界点
#ぺこぱ
ぺこぱが沈んでいる。『M-1グランプリ2019』(テレビ朝日系)での「優しい漫才」「人を傷つけない漫才」で一躍スターになり、さまざまなメディアを席巻、冠番組も獲得した。しかし、今や影が薄くなりつつあるという。その理由は何だろうか。
「相手を否定しない漫才で話題を集めた2人。ブレイク後の平場のトーク番組でも、最初の方は、主に松陰寺太勇が相手からの強い言葉を受け取って飲み込み、笑いに変えていました。ただし、それだけでは飽きられると判断したのか、いつしかその手法でのトークをやめたのです。つまり、漫才ステージ上でのぺこぱから、バラエティ番組でのオリジナルの自分たちを見いだそうとしたのです。結果、松陰寺はトークスキルが上がり、かなり精度の高いパスや質問、場をとらえたツッコミができるようになりました。ただし、残念なのは、他にもいるお笑いタレントの1人になってしまった、ということです」(テレビ業界関係者)
相方・シュウペイについても、以下のような声が聞かれる。
「出たての頃はバラエティ番組で『シュウペイでーす!』のフレーズを放っていましたが、これは基本、挨拶ギャグなので連発するものではない。また、漫才ではボケを繰り出し、松陰寺がいさめるという図式がありましたが、普段から特別ボケを言うタイプでもないので、2人でいても笑いになりにくい。しかも、『M-1』でブレイク後、何か新しいキャラが発掘されたわけでもないのが苦しいところです」(同)
つまり、『M-1』で注目された後、それ以上の爪痕が残せていないということに尽きるようだ。
「彼らも危機感を覚えたのか、ある番組で『優しい漫才』を捨てて、松陰寺がシュウペイのボケを否定しまくるスタイルに挑んでいましたが、やはり見てて“据わりが悪かった”ですね」(同)
また、彼らがクローズアップされた当時は時代的な追い風もあったという。
「『M-1』でブレイクした翌年、世界はコロナ禍に突入。『ステイホーム』が叫ばれ、人々は不自由な生活を余儀なくされました。さらに毎日、感染者数や死亡者数が伝えられ、生活しているだけでも心が疲弊していく日々。そんな中、ぺこぱの優しい笑いはさらに浸透していきました。しかし、昨年末の『M-1』で、ウエストランドが、いわばぺこぱの逆を行く毒舌漫才で優勝したのです。これは、世間が人への『ディスり』をある程度許容できる空気になってきたという見方もでき、大きな転換点になったといえるでしょう」(同)
ぺこぱは『ぺこぱポジティブNEWS』(テレビ朝日系)、『ぺこぱのオールナイトニッポン0』(ニッポン放送)が3月末で相次いで終了する。彼らが所属するのは、スギちゃん、ダンディ坂野、小島よしおなど一発屋芸人も多く在籍するサンミュージックプロダクション。果たして、ぺこぱは息の長い芸人になることはできるのだろうか。
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