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WBCに霞んだNHKと日テレのコラボ、消えない“民業圧迫”の声

WBCに霞んだNHKと日テレのコラボ、消えない民業圧迫の声の画像1
NHK(Getty Images)

 テレビをつけたら、NHKのアナウンサーが民放の番組に出てきて驚いた人も多かったに違いない。

 3月12日から19日までの1週間、共にテレビ放送70年を迎えるNHKと日本テレビが、「NHK×日テレコラボウィーク」と題していろいろな番組でコラボを実施。人気番組の出演者が両局を行き来した。

「今回のコラボは60周年、65周年に次いで3回目。期間中には『NHKのど自慢』と『行列のできる相談所』、『ダーウィンが来た!』と『ザ!鉄腕!DASH!!』、『チコちゃんに叱られる!』と『ぐるぐるナインティナイン』などがタッグを組んだほか、『踊る!さんま御殿』にNHKのアナウンサーが出演したり、『有吉の壁』のロケがNHKで行われたりと、さまざまな試みが行われました」(テレビ情報誌記者)

 このほかにも、有吉弘行がNHKと日本テレビを股にかけた生放送番組に出演し、『笑点』のメンバーがチコちゃんに叱られたり、朝ドラ『舞いあがれ』の出演者が『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』に出たりする場面も。さらに、「どーもくん」や「そらジロー」もライバル局に登場したが、大型コラボも吹き飛ばしたのがWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)だ。

「せっかくの興味深いコラボでしたが、コラボ期間はWBCと丸かぶり(苦笑)。コロボ企画の目玉だった『ダーウィンが来た!』と『鉄腕DASH』は日本vsオーストラリア戦の真裏でしたし、『ぐるナイ』と『チコちゃん』も、裏でやっていた日本vsイタリア戦の視聴率が50%近かったので、完全に吹き飛ばされました。

 WBCとは被らなかった『さんま御殿』は前週より約2ポイント上がっているので、潜在的にはコラボで数字が上がる力があったはず。『ダーウィンが来た』を筆頭に、WBCの裏になってしまった番組はのきなみ前週より数字が下がっており、ただただ、もったいなかったですね」(民放バラエティ番組制作関係者)

 人気番組がどれだけ力を合わせても、大谷翔平ひとりに持っていかれた両局。一方で、コラボ自体に意義を唱える声もある。

「言わずもがなですが、NHKは受信料制度で成り立っているテレビ局で、番組で商品名を言うのがNGとなるなど、番組制作にいろいろな制約があります。それなのに、NHKの局アナが民放のバラエティ番組に出たり、民放の番組がNHKを使用するのは、公共放送が特定の民間企業に資金を垂れ流すようなもので、民業圧迫です。

 TBSやフジテレビの関係者は、『NHKに払った受信料が、なぜライバルの日本テレビのために使われるのか』と思ったことでしょうし、一般の視聴者でも、『日本テレビのために受信料を払った覚えはない』と感じた人はいたでしょう。そのあたりをウヤムヤにしておいて、一方では『受信料を払わなければ罰金を頂戴します』なんて、どの口が言えたものでしょうか」(キー局関係者)

 金の使い道に鈍感な人が信用できないのは、古今東西、万国共通でどこでも同じ。チコちゃんに叱られないとわからない?

 

木村之男(芸能記者、TVウォッチャー)

1972年生まれ、東京都出身。大学時代にライターとして活動し始め、出版社~編集プロダクションを経てフリーに。芸能・カルチャー・テレビ・広告業界などに精通する。趣味はテレビに映った場所を探し出して、そこに行くこと。

きむら

最終更新:2023/03/25 13:00
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