民放テレビは「日テレ一強」時代へ? TVerの新広告展開で他局潰し
#日本テレビ #TVer
日本テレビの快進撃が止まらない。2022年の年間個人視聴率において、全日・プライム・ゴールデンの全3部門で1位を獲得。個人視聴率の「3冠」は12年連続となる。民放テレビ局では絶対的な強さを見せている日テレは、2023年もその手を緩めないようだ。
3月には、NHKと局の垣根を超えたプロジェクト「NHK×日テレコラボウィーク」を開催したばかり。
「テレビ放送が始まって70年となったことを記念して、同じ年に放送をスタートさせたNHKと日テレが番組コラボを行いました。3月12日から8日間かけてコラボし、『NHKのど自慢』、『有吉の壁』、『チコちゃんに叱られる!』、『笑点』など人気番組が参加。それぞれの番組レギュラーが、局を横断して出演するなど豪華なものになりました」(スポーツ紙記者)
両局が横断コラボを行うのは、テレビ放送開始の60周年、65周年に続く3回目となる。今回は、これまでのコラボでは考えられない大規模プロジェクトとなった。その裏には、両局のトップが変わったことが大きく関係しているという。
「NHKは今年1月25日に、日銀元理事の稲葉延雄氏が新会長に就任した。日テレも、2022年6月29日付で石澤顕氏が新社長になっている。今回のコラボはそれぞれの局でトップが変わったばかりということもあり、かなり気合いが入ったものになりました。ただ、WBCの開催中ということで、あまり話題にならなかった(苦笑)。NHKも日テレも、WBCの放映権を持っていなかっただけに少しでも巻き返したいところでしたが、視聴率では大惨敗することになりました」(同上)
とはいえ、今回のコラボで両局はしっかりと”目的”を達成することができたという。
「NHKの狙いは、ずばり日テレが持っている若年層の視聴者です。日テレは、テレビ局の中で13~49歳を対象とするコア視聴率がもっとも高い。特に、今回のコラボに参加した『有吉の壁』はコア層に絶大な人気の番組。NHKは『有吉の壁』のためにわざわざ局内を貸してロケをOKしたほどです。日テレとしても、NHKとコラボすることでブランド強化ができた。また、逆にシニア層の視聴者も開拓することで、ライバルのテレ朝を引き離すことができます。特に今回、WBCの放映権もなかったフジテレビは、かなり危機感を覚えています」(民放関係者)
フジテレビだけでなく、実は今回のコラボは、テレビ関係者の間では歴史を変えるほどの衝撃があったと言われている。
「ただでさえ総視聴者数が減っている中、視聴率の高いNHKと日テレがガッチリ手を組んだ事実は恐ろしい。CM販売において、日テレは改めて民放1位という印象を与えられるようになりました。今回、大がかりなコラボをしたことで、今後も何かあれば周年を関係なく協力することもできる。もはや、民放では日テレの1強時代に突入しようとしています」(同上)
そんな日テレは、さらにネット配信でも新たな取組を開始。絶対王者として、他局を潰しにかかっている。
「日テレ独自のサービスとして、TVer向けに『デジタルコンテクスチュアル広告』の配信をスタートします。これは、番組に合わせた広告を自動検知して最適化するもので、実際に日テレの検証でも効果が上がっているといわれる。Tverは、視聴者数が爆発的に伸びているにも関わらず、CM料金が安く商売にならないといわれていた。今回、日テレは独自サービスで広告の直売りをすることで、Tverも儲かるサービスになる可能性がある。日テレはTverへの映像配信にも力を入れ始め、他局は完全に乗り遅れた形。Tverも、日テレが牛耳ることになっていきそうです」(同上)
「テレビを超えろ、ボーダーを超えろ。」をスローガンに、さまざまな仕掛けを行っている日テレ。他の民放各局は、もうその背中すら見えなくなりそうだ。
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