SixTONESの音楽は両極端を表現出来てしまうからこそ信頼出来る
#ショウムライター
夢がモリモリと言えば?
そう、SMAPである(年代がバレるナニガシ)。
では、声がニギニギと言えば?
……。
正解はそう、SixTONESである。おっさんは前記事に於いてSixTONESの3rdアルバム『声』は声がニギニギでありおっさんのホイホイも多分に仕掛けられている作品であった、と記した。とっっっても良かったつうかおっさんのファンがもっと増えたらいいと思うくらいに、ホイホイもしてたんすよ本当に。
そして上記をお読みなすった諸兄諸姉が有り難い事にそちらに対してもニギニギして下すったらしいとの事もあり、更にはライブに於ける声出し即ちそっちのほうのニギニギもめでたく解禁と相成ったという事もあるので、此処は一丁おっさんは追いニギニギをかますしかねえやなと思った次第であるのだ。いやはや、めでてえこってす。
それではおっさんのおっさんによるおっさんの為の追いニギが諸兄諸姉の為ともなるという事を願って、SixTONES「声」形態別収録曲のレビューに参りたいと思う。
先ずは通常盤に収録されている「Cat Call」、コイツがいきなりのクセモノである。折角「Always」にて大団円となったのにも関わらず甘えた声で君即ちリスナーである俺にキャットからコールが来てしまうという構造となっている。
全形態共通13曲のパフォーマンスを終えステージを降りたSixTONESの6人は楽屋に着くや否や早速寂しがりやの猫へと変貌、シャワーもそこそこにあろう事か俺即ちこのおっさんに電話を掛けて来る訳だ。そしてカーテンコールからのキャットコールと言える電話の内容はきっとこうだ。
「ねえ、こっちは終わったよ。今何してる? 会えない?」
きいやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
全体的にエコーがかった上物がふわふわと気持ちいい上にメンバーもそれぞれ低音部からしゃくる様にセクシーな歌い上げを聴かせてくれる。ううむやはりこれはのっけからけしからんですぞ。
打って変わってストレートな歌い出しから始まる「オンガク -声ver.-」はハネるリズムに乗るファンキーなギターのカッティングとベースのスラップがカッコいい、生楽器の楽しさを存分に楽しませてくれる1曲。かなりテクニカルな演奏とは裏腹にしっかりとJポップのマナーに則ったサビの譜割り(8ビートの表にしっかりとメロディーが乗せられている)が挑戦的でありながらも調和しており、演奏を聴いても良し歌を聴いても良し。これまた別方向でけしからん。
通常盤のクロージングは物悲しいピアノのアルペジオがリードするバラード「Again」。サビの一節に”声”そしてラスサビ前に京本大我による痛切なロングトーン”I miss your voice”とある通り「Always」の祝祭感と対を成す楽曲とも考えられるばかりか、「声」という作品のクロージングに最も相応しいのは実はこちらなのでは……? とすら思う。
その証拠に前述のロングトーンを合図として堰を切った様にそれぞれの”声”の表現が溢れ出すラスサビが凄いのだ。主旋律とハモりがほぼ同じボリュームで鳴らされるばかりかそのメロディはエモーショナルに歌い崩され、更にフェイクまで入りまくりの全部乗せ。圧倒圧巻の最終曲。参りました。
初回盤A収録となっている「Need you」はSixTONES流のEDM、トロピカルハウスと言った趣き。2番の歌い出しと同時に一瞬鳴らされるスムースなギターのフレーズに何処となく90年代のエッセンスも感じさせられ、おっさんはニヤリであった。
続く「STAMP IT」も同じくEDM的な構造となっているが、前曲とは真逆の方向性。重苦しく鳴らされる重低音、歪ませたシンセがオリエンタルなリフを刻む中”理性は死んだ”とまで歌われる甘く危険な情事である。
ダンスミュージックに特化しながらも光と影、陰と陽の激しいコントラストを描き出す2曲、前作「City」の記事にて おっさんは”同じグループとは思えない”程の多重人格的な表現に舌を巻き過ぎて窒息しそうになっているのだが、この両極端を表現出来てしまうからこそSixTONESの音楽は信頼出来るのだ。よって何度も言うが、おっさんが(も)聴くべきであるし、おっさんのファンが増えて欲しいと言う話にまた戻ってしまうのである。
初回盤Bに収録されているのはグループ6名をそれぞれ2人ずつに分割してのユニット曲が3曲収録。先行するは森本慎太郎と田中樹のユニットで「OPA!」ポルトガル語の”おお!”的な感嘆詞であり日本各地で展開されているファッションビルの事である(おっちは多分関係ない)が、ある種素っ頓狂と言うか軽薄と言うか軽いノリのシンセリフが主導する勢い任せのパーティーチューンであり、濃厚なアルバムの世界から”お楽しみはまだこれからだ”と言わんばかりにユニット曲の世界へとリスナーを誘ってくれる。
続いてひたすらに楽しい京本大我と髙地優吾による「ラ・ラ・ラ・ラブストーリー」。一聴してそれだと分かるミュージカル調、スイングジャズ調の楽曲。AメロBメロサビの合間合間もスキャットの合いの手で埋め尽くされており、やっぱりひたすらに楽しい。演奏も同じく細かいフレーズの応酬となっているのだが作曲クレジットに目を向けるイワツボコーダイ氏と吹野クワガタ氏の名であり「Rosy」のタッグによる作品と言う事が分かる。納得でありガーサスだ。
余談であるがこれは世代だからだろうか。東京事変の「女の子は誰でも」と続けて聴くとなお楽しい。
最後はジェシーと松村北斗の「愛という名のベール」。ピアノとストリングスが主導するダンサブルなナンバーであるのだが、これ曲名曲調歌詞全てにKinKi Kidsの風がそことなく香るつうか激しく吹き荒れているではないか。終始物憂げで歌謡曲チックに繰り広げられるメロディの展開なんか、やはりどうしたって想起させられてしまう。
思わずおっさんは「カナシミ ブルー」を続けて聴いてしまいましたし、これこそ正におっさんホイホイではないか! またしてもやられた! くそう! 好きだ!と思いました。
さあ、今週末の北海道公演をもってツアー「慣声の法則」アリーナ編を終え、来月からは追加公演である「慣声の法則 in DOME」を控える彼等。やっぱもうここまで来ると、観たいつうか俺ことおっさんことショウムライターは観ん訳にはいかんのではないかと使命感にすら駆られる今日この頃なのですが。
サイゾーさんどうにかなりませんかねえという前回と同じ結びにて、記事を締めさせて頂く。
庄村聡泰(ex-[Alexandros])、SixTONES『CITY』全曲聴いて“くそう。好きだ。”
おっさんは今、歯ぎしりが止まらない。 口惜しい思いに焦がれる身体は激しく、そして小刻みにがたがたがたと震えている。がちがちがちと噛み続けた爪はすっかりと擦り減ってし...元[Alexandros]庄村聡泰、SixTONESの美学研ぎ澄ませ過ぎで尖り過ぎな「Rosy」の構造を活字化して悶絶
おいこらちょっと待ってくれよいい加減にしろよ勘弁してくれよマジでさあ。 なんだこれゲロクソにカッコいいじゃねえかアルバム丸々で書くつもりが気持ち良過ぎるもんだから一...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事