R-1、田津原理音の評価が低かったバカリズムの採点基準を現役芸人が分析
#バカリズム #R-1 #田津原理音 #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
今年のR-1グランプリ2023の優勝は田津原理音。誰が優勝するかわからない、相変わらずレベルの高い戦いでした。東京でまだ名前が知られていない田津原理音が優勝できたのも、夢があったんじゃないでしょうか。準々決勝から爆笑を取り続け、一切揺るがず最終決戦でさらなる笑いを巻き起こし優勝しました。
田津原理音に対しての評価で印象に残ったバカリズムの評価が厳しくもあり、頷けることもありました。そもそも最近の賞レースの得点は高すぎるようにも感じるので、バカリズムが低いのでなく周りが高いという見方もできました。田津原理音の1本目のネタを終えたときの得点の並びが印象に残ります。
ハリウッドザコシショウ96点、野田クリスタル96点、小籔千豊97点、バカリズム89点、陣内智則92点、計470点だったのですが、こうしてみると小籔千豊とバカリズムの点差は8点あります。そんなこともあるかと思いますが、ここ最近の点差が開きづらい事も多くあるので、目立ってしまいます(決してない事ではない)。
しかも、今回のR-1グランプリ2023では90点台が金色の文字で80点台が青色の文字で表示されるので、やたらと低く見えてしまうという演出もあったせいかと思います。バカリズムのコメントも「ただカードの羅列にならないように、なんか同じカードが出てくるなどいろんな構成も工夫していて、面白かったと思うんですけど、なんかこのネタ自体がはたしてステージ上でやるのが1番ベストなんだろうかっていうところがちょっと気になっちゃいまして、例えば映像ネタとして観たらもっと面白くなるんだろうなと舞台上でやるネタとしてどうなんだろうって考えて、若干点を引かせてもらいました」というものでした。
ここで僕が特に気になったところは「若干点を引かせてもらいました」の部分です。引くという事は基準点に満たなかったということです。基準点は高めに設定したうえで得点をつけているということがわかりました。仮に85点を基準点として観ていたのなら「引く」ではなく「足す」という言い方になります。
そして、青文字の得点を出してしまっても、他でまかなって最終決戦に勝ち進んだ田津原理音の勢いは凄かったのです。最終決戦は田津原理音とコットンきょんの戦いになりました。どちらかに票を入れないといけない。そして、バカリズムはコットンきょんに票を入れ、最後まで田津原理音に評価はあまりせずに終わったという見え方の部分が印象に残るポイントとなりました。これは好みというよりも、舞台で見た面白いネタという部分に重きを置く評価基準からの選び方になります。
それでも勝ち切った田津原理音の優勝は勢いに乗っており、実際最終決戦も一番ウケていた流れでの優勝なので、納得できたお客さんも多かったかと思います。そして、順番に票を入れていくときに、田津原理音2票、コットンきょん2票となった後に陣内智則審査員が票を入れて優勝が決まるとなったときのプレッシャーから頭を抱えて「ちょっと待って……」と言っていた全責任がのっかっているように見える画が非常に面白く、大会全体を盛り上げる流れになっており、台本のない生放送で最後の1票で優勝が決まり面白かったです。
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