蛙亭、10周年NGK単独公演「ベスト盤」はテレビのイメージと違うので…?
#お笑い #インタビュー #蛙亭
イワクラの突飛な発想とキャラクター、中野の説得力ある演技と躍動する豊満な肉体で、唯一無二のコントワールドを見せつける蛙亭。
2020年春に大阪から上京して約3年ーーメディアでも引っ張りダコの2人は昨年、結成10周年を迎えた。順風満帆でアニバーサリーイヤーを終え、2023年3月17日には大阪・なんばグランド花月で単独公演も控える蛙亭に、この10年間で溜まった互いへの感謝(…不満?)や、単独に向けての意気込みを聞いた。
「いま『ワンピース』読んでる人と同じ気持ちです」
──上京してこの春で3年になりますね。あっという間に売れっ子になりましたが、この変化に追いついてますか。
イワクラ:気持ちは全然着いていけてないです、今でもワケがわかってないので……。2020年の春に上京してすぐ緊急事態宣言が出て、最初は忙しくなかったんですけど、6月頃に初めてテレビに出させてもらって、そこからずっと忙しくさせてもらってて。大阪時代はテレビに出てこなかったんで、わけわからなくて。
中野周平(以下、中野):僕はわけがわからないなりに、いい方向に行ってるんだって感覚はあって、最初から不安はなかったです。奥さん(※編集部注:2022年2月、7年交際した「エリカ」さんとご結婚!)にも「こんな仕事が決まったよ」って報告して喜んでもらうことも増えましたね。大阪時代は、そうやっていい報告ができることなんてなかったので、うれしいです。
イワクラ:私もうれしいんですけど、自分が何を求められてるのかって理解できてなくて。とりあえずその日、その日を「これでいいのか」って手探りでやってます。
──忙しい中でも賞レースに挑戦し続けていますね。ネタ作りはいかがですか。
イワクラ:ネタを作りたいっていう気持ちはすごく強くなってますね。上京してから、かもめんたるさんがすごく大好きになって、う大さんの作るネタとか「劇団かもめんたる」っていうお芝居を観させてもらうたび、私もがんばろうって思います。
──蛙亭とかもめんたる、狂気じみたネタはたしかにベクトルが近いですね。
イワクラ:でも、当たり前ですけど、(かもめんたるは)ケタ違いにおもしろくて全然まだまだ届かなくて。だからといって落ち込むわけでもなくて、がんばろうって思える存在ですね。
──上京から3年で蛙亭の環境はすごく変わったと思うのですが、お2人も変化したなと実感することはありますか。
イワクラ:私はけっこう社交的になったというか、仲良くなりたいなって思う人にしゃべりかけることができるようになりました。ぱーてぃーちゃんとか、ふたりともギャルのノリがすごいんで、昔の私だったらスカしてたと思うんです(笑)。でも、飲みに誘ったりして関係を築けるようになりました。
──変化のきっかけはあったんですか。
イワクラ:きっかけはわからないですけど、東京には事務所がたくさんあって、いろんな芸人がいるからシンプルに楽しくて。大阪は松竹もありますけど、基本は吉本なんで、いつも同じ仲良しメンバーって感じだったんです。先輩付き合いとかでも、吉本の先輩だと直属だからうれしいと同時に緊張するんですけど、他事務所だったら最悪嫌われても「しょうがないか」って思えるところもあります(笑)。
あと、中野さんの変化でいうと、東京来てから、平場とかでも急に前に出てくるようになりましたね。それがムカつく……。
中野:なんでムカつくんですか(笑)。それはよくなったってことだろ?
イワクラ:いい変化だけどムカつく……。ネタづくりもだけど、できるんだったらもっと早くからやってくれ。
中野:それ言い出したら、人は変われなくなりますよ。
イワクラ:昔は一言もしゃべらないとかよくあったので、本当によくなったとは思うんです。
中野:そんなこともありましたねぇ。
イワクラ:今は言わなくていいこともわざわざ言う。「ちょっと! これやる意味あります!?」って、でっかい声でレベル1のガヤ入れて「仕事しました」っていう顔する(笑)。だからいい変化なんだけど、ムカつきますね。
──4月から蛙亭と同じ「よしもと漫才劇場(マンゲキ)」出身の芸人である、ロングコートダディやニッポンの社長、マユリカなど計6組が同時に上京してきますね。
イワクラ:いま、多分、『ワンピース』読んでる人と同じ気持ちです。ずっと読んできた人って「今、めっちゃおもろいぞ」って勧めてくれるじゃないですか。「エグいぞ、これからすごいこと起きるぞ」って。それと同じくらいワクワクしてます。お笑い界が変わるくらいに思ってます。私たちも置いてかれないように食らいつかなきゃって、やる気も出てますね。
中野:僕は(マユリカの)中谷さんと会ったらいつもハグしてるんで、抱き合う回数が増えるのかなって思います。東京も楽しいところいっぱいあるんで、中谷さんとお出かけできたらいいですね。
「蛙亭はお前のコンビでもあるんだよ」
──3月17日には、蛙亭の結成10周年を記念した単独ライブを、大阪のなんばグランド花月(NGK)で開きますね。NGKでの単独ライブは初めてだそうで。
イワクラ:はい。NGKは小学生のときに初めて生でお笑いを観た劇場なので感慨深いです。そこで10年の間にできた好きなネタだけをやって、ファンの方に観てもらえるのはうれしい。お世話になった人たちに「こんな大きな舞台でできるようになりました」って報告したいし、「またここから頑張っていきます」っていう決意表明になればいいなと。
中野:いつもの単独ライブでは、今後につながるネタをやるんで、不安もあるんです。でも今回は僕らの作ってきたネタのベスト盤を見ていただくので、「早く観てほしい」っていう気持ちが大きいですね。
イワクラ:あと、「蛙亭ってテレビで観たことあるな」くらいの感じで、たまたま暇だから来てくれるような人がおもしろがってくれたらいいなと思います。自分も生のお笑いが衝撃で、芸人になりたいと思ったので、そういう衝撃を少しでも与えられたらいいですね。仕事頑張ろうとか、なにかしらの感情を渡せたらなって思います。
──初めて生で見るお笑いが、蛙亭ってすごい衝撃でしょうね。
イワクラ:逆に、テレビのイメージとネタが違うみたいなマイナスもありえます。たまに気持ち悪いネタやると、普段からネタやってる劇場なのに、今でも「ヒーッ!」って悲鳴があがるんで。初めての方はそこだけちょっと覚悟してほしいです。中野さんが相当気持ち悪いので(笑)。
中野:僕はもう悲鳴も折り込み済みなので、快感というか、気持ちいいです。正直、想定内なので「キタキタ」って思ってます。悲鳴も笑いも、大きく感情を動かせてるという意味では同じだと思うので。なので、おおいに笑って、叫んでもらいたいです。
──次の『キングオブコント』に向けては、何か策は練られていますか?
イワクラ:策ではないですけど、中野さんがもっと早めに頑張りだしてくれたら、勝てるかもなと思います。おととし決勝行ったときは、準決勝の直前で中野さんが張り切りだして。そのおかげで、決勝でけっこう助かったんです。だからもう少しだけ早く、一緒にやる姿勢を見せてもらいたい。
中野:今年はもうちょっと早くこの山を動かしてほしいですね。
イワクラ:なんでその態度なの。お前のコンビでもあるんだよ。こんな感じでムカつくんですけど……でも、本当に助かるんです。私はネタ作り担当って言っても、最初の設定を考えるだけなので、中野さんが「こういう流れにしてみたら?」って提案してくれるのが、すごくありがたい。それは私がネタを出した瞬間に言ってくれよとは思うんですけど。
──イワクラさんも中野さんを頼りにしてる。
イワクラ:やっぱり1人でやるには限界があるんで。同期のコットンとか、コンビですごい話しながらネタ作ってますし。
──『キングオブコント2021』の決勝で披露されたネタは「実験体No.164」ですね。中野さんの提案は、どのあたりに活かされてますか。
イワクラ:大きい展開を一個作ってくれたんです。私は設定は思いつくんですけど、起承転結の「転」を作るのが苦手で。でも、中野さんはその展開を作るのがうまい。
中野:その年の夏に単独で初めてかけたネタなんですけど、やってすぐに、これはめっちゃいい素材だから、うまく料理できそうだなと思いましたね。
イワクラ:思ったときにすぐ言ってくれ。
中野:ちゃんと思いついたのは、準決勝の2日前くらいだったんです。
イワクラ:それも私が新ネタを出したときから、一緒に考えてくれてたら、もっと早く「転」が浮かんでるはずなんですよ。中野さんの場合は、ギリギリまでいろいろ考えてやっと思いついたわけじゃなくて、たまたま2日前にひらめいただけでしょ。
中野:僕なりに考えてはいたんですよ。
──蛙亭の新ネタライブって、イワクラさんの初期衝動がほとばしってる感じが好きで。それって好きなバンドのデモテープを聴くときの感覚と似てるなと思ってたんですが、実際、中野さんがアレンジを加えることで、賞レース用のネタが完成するんですね。
中野:その表現、うれしいですねぇ。神聖かまってちゃんが好きなんですけど、の子さんがいつもYouTubeにデモ音源を上げるんですよ。そのあとバンドで編曲して完成していく感じが好きなので、たしかに僕らもそうできたらかっこいいですね。
\10周年を迎えて相方に一言!/
▼イワクラ
あっという間の10年だったけど、ここからまた10年やっていけるようにいつもの最強の中野さんでNGK単独ぶちかまそう!
▼中野
岩倉とじゃなきゃここまで来れなかったよ、記念すべき10周年ライブ、1番の思い出にしよう!そしてこれからも俺についてk(殴
蛙亭結成10周年記念なんばグランド花月単独ライブ
「Thank you for 10 years. We go out into the wide sea. Come with us.」
●日時
【特別公演】2023年3月17日(金)19:00開場 19:30開演
【オンライン公演】2023年3月17日(金)19:30~20:30
●出演 蛙亭
●料金
【特別公演】前売 3,000円 当日3,500円(全席指定)
【オンライン公演】2,000円
【一般発売】
2月9日(木) 10:00開始
※16歳未満のお客様は、保護者同伴の場合のみ入場可。※場内飲食不可(但し、ペットボトルのみ可)
【オンライン公演】2,000円
2月9日(木) 10:00販売開始
◆FANYチケット
・オペレーター対応予約専用ダイヤル ℡ 0570-041-356(10:00~18:00)
・よしもと各劇場窓口(祇園花月を除く)
☆詳しくはコチラ!
https://ngk.yoshimoto.co.jp/2023/01/post-100.html
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