なぜR-1グランプリで大型モニターを使うネタが評価されるのか?現役芸人が分析
#芸人 #R-1 #馬鹿よ貴方は 新道竜巳
今年のR-1グランプリ2023は面白かった。2021年から芸歴10年以下のみ参加できるという形になり、時間内に収まりきらずに急に終わったようにも思えた2021年のゆりやんレトリィバァ優勝から、いろいろな面で注目が集まるようになりました。そして、今年も誰が優勝するかわからない、相変わらずレベルの高い戦いでした。
見終わって1つ気づいたことがありました。最近、大型モニターを使ってネタやる人増えてきたな……。そして、モニターを使っているピン芸人って評価高い人が多いな……ということ。
今年の決勝でモニターを使ってネタをやったのは、優勝の田津原理音、3位の寺田寛明の2人でした。準決勝でも天井吹き飛ぶぐらいウケていました。そして、準決勝の出番で寺田寛明は2番手という不利な状態だと思われましたが、圧倒的な笑いの量と構成で決勝に勝ち上がり、また2番手になっていました。なのに3位という、超人的な戦い方を見せつけてくれました。
田津原理音も決勝でウケていて面白かったと思った人はたくさんいたと思いますが、準決勝は倍以上ウケていました。実際は、準決勝でもモニターを使うピン芸人は他にもいました。「なんだ、決勝に勝ち上がっていない報われない芸人もいるんだ」と一見思いますが、そうではなく2022年にNSCを卒業したばかりの大阪NSC44期生、準新作という芸人が2年連続で準決勝まで勝ち上がっているのです。とんでもない評価のされ方です。
今年だけかと思う方も多いと思いますが、2022年準優勝のZAZYもモニターを使っていました。2020年の野田クリスタルも、モニターを使ってゲームをするというネタで優勝。
なぜこんなにもモニターを使っている芸人が評価されるのでしょうか。一見、勘違いする人が増加しそうでもあります。賞レース決勝のネタに引っ張られる芸人はライブで山のようにいるので忠告しておきます。モニターを使ったから多めに得点が入ったわけではなく、今までフリップネタで評価されていた芸人がテンポとボケ数を増やすために苦肉の策でモニターを使ったことが評価されただけです。
2022年の寺田寛明もモニターを使わず、フリップでとんでもない笑いの量で準決勝から決勝に勝ち上がった。それはZAZYも同じです。もっと面白いものを提供する手段として、クリックするだけで次の絵が見せられるモニターにしたのではないかと思います。
モニターは運ぶのと、客席から見やすいかなり大きなサイズをレンタルしなければならないので、お金がとんでもなくかかります。そこまでしてでも勝ち上がりたいという、こだわりの強い芸人がモニターを使って勝ち上がっているんだと思います。なので、とりあえずモニターを使ってピンネタを作ろうという考えはおすすめできません。
そして、それとは真逆で道具を一切使わないでネタをやったサツマカワRPGも、審査員に言われていましたが、非常にかっこよかったです。そして、フリップでネタをして敗者復活から勝ち上がってきた、こたけ正義感も、これからモニターになるのか、このまま突き進むのかも気になります。
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