シン・お笑い賞レース『THE SECOND』は“実力者だけ”の盛り上がりに期待
#お笑い #THE SECOND
結成16年以上の漫才師を対象としたお笑い賞レース『THE SECOND ~漫才トーナメント~』のノックアウトステージに進出する32組が2月28日に発表され、組み合わせ抽選会が行われた。
参加できるのはプロのみで、即席ユニットは出場不可、過去にM-1グランプリもしくはTHE MANZAIでの優勝経験者は出場できない。133組がエントリーした選考会を通過し、1対1のタイマン方式でのバトルとなる「開幕戦ノックアウトステージ32→16」に進んだのは、スーパーマラドーナ、スピードワゴン、Dr.ハインリッヒ、プラス・マイナス、三四郎、ジャルジャル、テンダラー、ランジャタイ、かもめんたる、囲碁将棋、タイムマシーン3号、金属バットら32組。
3月下旬に行われる「開幕戦ノックアウトステージ32→16」で16組に絞られ、さらに4月下旬の「ノックアウトステージ16→8」で8組に絞られる。そして勝ち残った8組が5月にフジテレビ系で生放送されるグランプリファイナルに進出し、ワンデイトーナメントで優勝者が決定する、という流れだ。
今大会にエントリーしたM-1グランプリもしくはTHE MANZAIの決勝戦進出者の中では、トータルテンボス、磁石、エルシャラカーニ、ダイノジ、三拍子などが敗退した。
「基本的には、実力者が順当に勝ち進んでいる印象です。劇場で確実に爆笑を取っているコンビばかりが残っていて、どの組が勝ち上がっていっても、間違いなく盛り上がる大会になると思いますよ」(構成作家)
そもそもM-1グランプリのように完全なオープントーナメントではないのがTHE SECONDだ。エントリー数も133組と、数千組が参加するM-1やキングオブコントに比べて圧倒的に少ない。
「単純にプロの漫才師だけが参加できるというのではなく、しっかり活動実績がある漫才師に限って参加できるのが今大会です。結成16年以上ということは、それだけ長く続いているということ。実績がないコンビは16年も持たずに解散しているので、そもそも出場できません。
賞レースというと、どうしても未知の才能が発掘される場として捉えられがちですが、THE SECONDはまったくの逆。だからこそ、どの漫才師も確実に面白いし、大会のレベルも高くなる。公式では“セカンドチャンスをつかんでほしい”などと大会コンセプトを説明していますが、ルール上は必ずしもそうはなっていないんです」(同)
M-1やキングオブコントは、芸人にとって“見切りをつけるタイミング”になることも少なくない。早期に敗退した結果、そのまま解散するケースもあるのだ。
「若手芸人であれば“この賞レースで結果が出なかったらやめよう”という思いで参加することも多いでしょうが、THE SECONDはそうはならない。裏を返せば、早くに敗退しても芸人にとってはなんの損もない。いわば、ノーリスクで自由に自分たちの芸を見せることができるんです。
M-1に比べて“ドラマ性”は乏しいかもしれませんが、お笑いを楽しむためだけの賞レースとしてはかなり純度が高い。またM-1は、コアなお笑いファンがディープに楽しむコンテンツにもなっていますが、THE SECONDはそこまでお笑いに興味がない人でも楽しめるものになっていくかもしれません」(同)
しかし、少々の懸念材料となっているのが審査方法だ。初戦となった東京・大阪の選考会は、大会事務局公認の審査員によって32組が選ばれた。
「例えばM-1の場合、単純な笑いの量に加え、ネタのオリジナリティー、構成力、さらには将来性なども審査に加味されると言われています。しかし、タイマン方式になるとやはり笑いの量が最大限に優先されることになる。
そうなると、どんなお客さんの前でネタを披露しているかがかなり重要になってくるし、笑いを取ることに特化した“ズルい手法”を出してくる芸人のいるかもしれない。そういったさまざまな要素を、どのように考慮して審査するのかが重要です。M-1との違いもあるし、審査結果に対してネット上で荒れることも予想される。かつ、審査員が誰なのか、芸人がやるのか、それとも観客審査の可能性もあるのかなど、まだ不明な点が多い。賞レースにおいて、審査は最も重要な部分なので、ヘタに奇をてらったシステムを導入して、水を差さないでほしいというのが、全お笑い関係者の願いでしょう」(同)
いずれにしろ、絶対に盛り上がることが間違いなさそうなTHE SECOND。新たなお笑いのお祭りとして、期待するしかない!
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