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本多圭の『芸能界・古今・裏・レポート』

『27時間テレビ』で「お笑いビッグ3」を見限ったフジテレビ新社長の手腕

『27時間テレビ』で「お笑いビッグ3」を見限ったフジテレビ新社長の手腕の画像1
フジテレビ『FNS27時間テレビ』公式サイトより

 この夏、4年ぶりに復活することが決まったフジテレビ系大型特番『FNS27時間テレビ』。MCを務めるのは、「千鳥」「かまいたち」「ダイアン」のお笑いコンビ3組だが、彼らを指名したのは、昨年6月にフジテレビ社長に就任した港浩一氏だったことが明らかになった。

 「ここ数年、フジは視聴率が低迷しているうえ、女子アナをはじめ、有力社員の退社が相次いでいて、社内の雰囲気は決して良くありません。そこで港社長は、吉本興業の中でいま最も勢いがあるお笑いコンビ3組を起用して『27時間テレビ』を成功させ、社員のモチベーションを取り戻そうとしているようです」(フジ系列の制作会社スタッフ)

 もともと、日本テレビ系『24時間テレビ 愛は地球を救う!』に対抗する形で1987年にスタートした『27時間テレビ』だったが、チャリティを掲げた『24時間テレビ』に対し、『27時間テレビ』は単なる長時間特別バラエティということもあって、視聴率では『24時間テレビ』の足元に及ばず、何度も打ち切りが囁かれてきた。

 「それでも、広告収入が入るから打ち切れなかったんです。ただ、前回の『27時間テレビ』(2019年)では、総合司会を3年連続となるビートたけしが、キャプテンを関ジャニ∞の村上信吾が務め、3年ぶりの生放送を行ったにもかかわらず、平均視聴率は5.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と歴代最低を記録。スタッフも気合いが入っていたのですが、この結果に、再び打ち切り説が浮上しました」(フジ制作関係者)

 20年は、新型コロナウイルスの蔓延により放送休止となったが、その間に女子アナや社員の退社が続出。情報番組やドラマの視聴率も低迷し、社員のモチベーション低下が指摘されていた。

 「昨年、フジテレビが50代の社員に対して“退職金割増・最大1億円”という早期退職者制度を発表したところ、看板プロデューサーはじめ、100人以上の応募があったそうです。キャリアの総仕上げを考える50代にとっても、定年まで勤め上げる魅力がなくなったということでしょう」(放送ライター)

 そうした社内事情を反映してか、昨年には、アンガールズの田中卓志がゴールデン帯初MCを務める新番組『呼び出し先生タナカ』(フジテレビ系)をめぐって、パクリ騒動が起きている。

 「昨年4月にスタートした『呼び出し先生タナカ』ですが、初回放送を受けて視聴者から、『めちゃ×2 イケてるッ!』(フジテレビ系)の企画に似ている、との指摘がSNS上で相次いだんです。しかも、視聴者のみならず、『めちゃイケ』のレギュラーだったナインティナインの岡村隆史までもが、自身のラジオで『オレ、クビになったんやな。オレらがやったらあかんかったのか』とコメント。さらに、ダウンタウンの松本人志も、『酒のツマミになる話』(フジテレビ系)で『呼び出し先生タナカ』について、『世間で有名ですよ。あの番組。パクリ番組だって』と発言。波紋が広がりました」(前同)

 その後、フジテレビでは6月に、系列の共同テレビジョンの社長を務めていた港浩一氏が新社長に就任。港氏はフジの全盛期に『夕焼けニャンニャン』や『オールナイトフジ』に関わり、プロデューサーとしては長期にわたり人気を博したバラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです」などを担当。フジテレビにおける“バラエティの旗手”と言われてきた。

 「港社長は4年ぶりの『27時間テレビ』復活と、吉本の千鳥、かまいたち、ダイアンの3組をMCに抜擢することを決めました。『27時間テレビ』といえば、これまでは、ビートたけしやタモリ、明石家さんまといった“ビッグ3”を起用してきましたから、格落ちだと指摘する声もありますが、もはやビッグ3に視聴率を稼げる力はない。港社長は賞味期限がとっくに切れた3人より、いま一番、勢いがある3組で起死回生を狙っているのでしょう」(お笑い関係者)

 日テレの”愛は地球を救う“ではないが、吉本の3組がフジテレビを救うのかーー。港氏の手腕が改めて問われるところだが、港氏自身に関しては気になる指摘もある。

 「現場上がりの港氏が社長に就任したことで、社員の士気も上がるかと思われましたが、新年の挨拶で4月からの社外秘の番組について、聞いてもいないのにしゃべってしまう。緊張感という意味では、今後が思いやられます。それもこれも、社内の空気がおかしいからですよ」(大手プロマネジャー)

 ともあれ、今夏の『27時間テレビ』復活に注目したい。

(文=本多 圭)

本多圭(ジャーナリスト)

芸能取材歴40年以上、タブー知らずのベテランジャーナリスト。主な著書に『 スキャンダルにまみれた芸能界のトンデモない奴ら』など。

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最終更新:2023/03/04 16:54
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