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日刊サイゾー トップ > エンタメ > お笑い  > ウッチャンナンチャン不仲説を覆す仲の良さ

後輩が見たウンナン不仲説の真相…南原「ネタの正解は相方を笑わせること」

ウッチャンナンチャンの2人は仲が良い、と思ったエピソード

 では、僕が実際に接して、お二人は仲が良いんだろうなと思ったエピソードをひとつ書こう。僕がマセキ芸能社に入って間もなく、マセキ芸能社の芸人やスタッフを集めての飲み会があった。そこには先輩である「ドロンズ」さんや「バカリズム」さん、解散してしまったが一番先輩だった「ファンキーモンキークリニック」さん、一番後輩の僕たち「ホーム・チーム」という4組の若手芸人と、マネージャーさんや事務の方、そして今思えばかなりレアなケースである「ウッチャンナンチャン」のお二人が参加していたのだ。

 マネージャーさんやスタッフさんともろくに話したことがない僕は元来の人見知りを発揮し、隅っこで大人しくしていた。すると、偉いマネージャーさんが僕のもとへ来て「檜山もせっかくだからウンナンさんと話してこいよ」と言ってくれたのだ。確かに僕以外の若手芸人たちは我先にという感じでウンナンさんとお話させてもらっているのだが、正直、ウンナンさんに憧れてマセキ芸能社に入った僕からすれば、ウンナンさんに話しかけるなんて恐れ多くておいそれと出来るものではない。

 ビビり散らかした僕は、せっかく誘ってくれたマネージャーさんに「あ、みなさん話したいみたいだから、僕はまた今度で良いですよ」と妙に強がってしまった。しかし、その僕の返答に「また今度なんてないかもよ。このチャンス逃したら後悔するぞ」と、ビビり檜山の背中を優しく押してくれたのだ。

 確かに、こんなチャンスめったにない。そして、明日僕の身に何があるかわからない。今話さないと間違いなく後悔すると思い、思い切って南原さんのもとへ話しかけに向かったのだ。何を話していいかわからなかったが、とりあえず僕がどれだけウンナンさんが好きかという思いをぶつけ、南原さんがやっていた「リングの魂」(テレビ朝日)という番組の話を延々としゃべっていた。

 南原さんからしたら、ただのファンと話している形になってしまい、本当に申し訳なかったのだが、僕の熱が一通り冷めたくらいの頃からお笑いのネタの話になっていった。すると、南原さんから「檜山、ネタにとって一番大切な事ってわかるか?」という、初歩的であり永遠の課題ともとれる難問が出題されたのだ。当時の僕は間違えた答えを言って面白くない人間だと思われたくないというくだらないプライドを持っていた為、回答を思いあぐねていると、南原さんは「考えすぎだよ」とつっこんでくれた上に「正解は相方を笑わせること」と答えを教えてくれたのだ。

 南原さん曰く、お客さんよりも前に相方を笑わせられなければダメだと。相方は自分を理解してくれてるし、自分と同じくらいお笑いの知識があるはず。その相方が自分で笑ってくれるってことは間違いなく面白い事だし、ボケの方向性もコンビとして当たっているはずだからと。僕は妙に納得し、それ以降、台本を作る際は相方を最初のお客さんだと思い、相方を笑わせる為にボケを考えるようになった。南原さんの「相方を笑わせること」という答えを聞いて、この人達は本当に仲が良いんだなと実感したのを、今でも覚えている。

 ちなみに内村さんともお話させて頂いたのだが、僕が見てきたウンナンさんの番組ヒストリーを話しただけで、たいして盛り上がらなかった記憶がある。

 そういえば内村さんとドラマの現場で一緒になり、本番を待つ会議室で二人きりになったことがあった。その頃はある程度芸歴もあり、内村さんに認知されていたので、そこまで緊張することもなく、多少フランクにお話させてもらえるようになってはいたのだが、マネージャーさんもいない状況は初めてだったので、内村さん自身は優しい方なのにもかかわらず、勝手に重圧に襲われていた。

 妙な緊張感に包まれていた会議室で、内村さんがふと「あれ? 今日ってしし座流星群が来る日だっけ?」と質問してきたのだ。僕は「今日でしたっけ? ちょっと待ってください」と携帯を出し調べると、実は昨日だったことが判明。すぐさま「しし座流星群は昨日でした」と言ったのだが、内村さんはサンドイッチに夢中で僕の話は聞いていなかった。たった一瞬で興味を持たれなくなってしまったので、もしかしてなんか失礼なことをしてしまったのか、もしくはボケた方が良かったのかなどめちゃくちゃ悩んでしまい、過去に内村さんの担当をしていたマネージャーさんに相談したところ、「内村さんってそういう人だから」と言われた。

 南原さんは兄貴肌、内村さんは超マイペース。案外みなさんが思っているイメージと逆なのではないだろうか。

 ウッチャンナンチャン世代であり、様々な番組をビデオで録画していた生粋のウンナンファンの僕は今回のラジオを楽しく聴取させてもらった。出川さんとの絡みも、バカリさんとのやり取りも全て面白かったが、やはりウッチャンナンチャンが二人きりで話しているシーンが一番痺れた。

 番組中、学生時代を振り返るたびに内村さんが「あの頃は本当に楽しかった」と何度も言っていたのが印象的だった。楽しかった時期に一緒にいたお二人は、今もその楽しかった頃の延長線上を二人で歩いているのだろう。なんとも羨ましい話だ。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/03/03 11:00
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