『怪盗グルーのミニオン危機一発』に込められた水野晴郎イズム
#しばりやトーマス #金ロー
先週の一作目に続き、2週連続の放送となる今夜の日本テレビ系『金曜ロードショー』はシリーズ2作目『怪盗グルーのミニオン危機一発』が登場!
前作で月を盗み出すという、最大の大仕事をやってのけた世界一の大怪盗グルーは孤児院から三姉妹を引き取って彼女らの親代わりとなり、大悪党としての過去を捨て去って暮らしていた。そんなグルーの元に悪党としての腕前を見込んで、ある仕事の依頼が舞い込む。グルーは再び悪党に戻ってしまうのか? 前作を上回るドタバタが展開する大ヒットコメディ第二弾!
グルーは世界一の大怪盗であったが、今では孤児院から引き取ったマーゴ、イディス、アグネスの三姉妹の親代わりとして平凡な暮らしをしていた。相棒のネファリオ博士もマッドサイエンティストだった過去から一転、今では「美味しいゼリー」の開発に心血を注ぎ、バナナから誕生した子分のミニオンズも相変わらずの様子。
そんなある日、反悪党同盟のエージェント、ルーシー・ワイルドが強引にグルーを連れ去ってしまう。同盟の局長であるラムズボトルからグルーは、北極圏の秘密研究所から何者かによって奪われた薬物PX-41を探し出すよう依頼を受ける。
PX-41はどんなに大人しい生物も狂暴化させてしまう危険な薬品で、悪党がこれを悪用したら大変なことになる。同盟は「悪党のことなら悪党だ」と世界一の大怪盗グルーに悪党ぶつけることに。盗まれた薬品はあるショッピングモールに隠されていることがわかり、グルーはルーシーと組んで潜入捜査を開始する。
モールで二人はピザ屋を経営するエドアルドという男に注目する。グルーはエドアルドが怪力自慢の大悪党「怪盗エルマッチョ」ではないかと疑う。エルマッチョは武器を一切使わず、自分の肉体ひとつで盗みを働く名前通りの「マッチョ」な男だった。しかしエルマッチョは20年前にダイナマイトを巻き付け、火山に飛び込む(なんでそんなことをしないといけないのか、まったくわからない)という最期を遂げたはずだった。
深夜にピザ屋に忍び込んだ二人は隠し金庫を見つけるが、そこには秘伝のサルサソースがあっただけ。結局PX-41は別の店に隠されていたのだが、そのころ、ミニオンたちがひとり、またひとりと消えていることにグルーは気づかないままだった(何しろ数が多いので少しぐらい消えたって気づかない)。
子供嫌いといいつつも過去の経験から親の愛情に飢えている三姉妹を見捨てられないグルーは冒頭から三姉妹のために自宅のパーティを開き、ゲストに呼んでいた役者がドタキャンしたために自ら女装して妖精の役をこなしてしまうほどの子煩悩ぶりを発揮している。
親代わりをきちんと果たしているグルーだが、彼にかなえられないものがひとつだけある。母親だ。三女のアグネスが母の日の朗読会で母親がいないことからうまく朗読できないとなり、「母親がいればいいのに」と心情を吐露する。近所には独り者のグルーに彼女を世話しようとするおせっかいな人物もいるが、グルーは女性関係にはからっきしだ。
なにしろ、子供のころに片思いの女の子に告白しようとして、無関係の女子から「キモイ」とバカにされてしまってから「女なんて!」という思いを強くしている。なんて悲しいエピソードなんだ。他人事とは思えません! 女性を遠ざけてマッドサイエンティストの博士や人間でない異形の生物ミニオンと暮らしている理由もわかる気がします。
だから女性エージェントのルーシーと仕事をしてるのを見たアグネスらから「彼女と結婚するの?」と言われても首を横に振る。「彼女とは仕事だけの関係だ」と言うが長女のマーゴがピザ屋のエドアルドの息子、アントニオに惚れてしまう。思春期らしく恋に恋する乙女なマーゴを見たグルーは「あんなやつと一緒にさせないぞ。絶対にダメ!」と言い出すの。しょうがないお父さんだな!
そんな親バカぶりを見せるグルーも、ルーシーへの想いに気づくと過去のトラウマをかなぐり捨ててルーシーに全力でアピールする様は涙なしには見られない。二人とも奥手なので147回もデートするところとか……。
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