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Netflix『名アシスト有吉』に吉本芸人ナシ、“吉本”と“非吉本”の深まる断絶

Netflix『名アシスト有吉』に吉も芸人ナシ、深まる吉本と非吉本の断絶の画像1
Netflix公式サイトより

 有吉弘行が“アシスタント”を務めるコメディシリーズ『名アシスト有吉』(全10話)が3月14日からNetflixで配信される。

 芸人、アスリート、アーティストなど、10組のゲストがMCを担当するバラエティ番組に、有吉がアシスタントして参加。芸人たちがチャレンジするさまざまな企画のなかで、有吉がムチャブリを繰り返すという内容だ。総合演出は、『有吉の壁』、『有吉ゼミ』(日本テレビ系)などを担当した、元同局の橋本和明氏が担当する。

 地上波では難しい、過酷な内容となっているこの番組。企画に挑戦するのは、小峠英二(バイきんぐ)、春日俊彰(オードリー)、大久保佳代子(オアシズ)、三四郎、タイムマシーン3号、錦鯉、森田哲矢(さらば青春の光)、渡部建(アンジャッシュ)など総勢52人の芸人たちだが、そのなかには吉本興業所属の芸人の姿は一切ない。

「まさに“非吉本”の番組です。25年くらい前なら、非吉本勢だけでの番組というのもいくつかありましたが、ここ最近では結構めずらしいパターン。フジテレビの『ぽかぽか』も基本的には非吉本勢で構成されていますが、ゴリエだったり、OWVやOCTOPATHのメンバーだったり、多少は吉本勢も絡んでいますから」(テレビ局関係者)

 では、どうして『名アシスト有吉』は非吉本勢で固められているのだろうか?

「今回の番組は有吉さんがメインであり、“製作著作”は日本テレビとなっています。一方で、吉本芸人が多く出演する番組では、吉本興業が制作に加わるパターンが多い。今回はあくまでも有吉さんとNetflixと日本テレビによる番組ということで、吉本が食い込む余地がないんです。ここに吉本芸人を入れると、吉本側が権利関係でいろいろと主張してくることとなる。そこで吉本側と権利関係などで揉めるのは、Netflixや日テレとしても避けたいところ。そういった思惑があるのかもしれません。

 また、吉本は松本人志さんの『ドキュメンタル』を配信しているAmazonプライムビデオとの関係性も強い。たとえばNetflixで配信されている千鳥メインの『トークサバイバー』では吉本もしっかり制作に食い込んでいますが、『名アシスト有吉』ではそういう形ではない。それならば、吉本サイドとしても『名アシスト有吉』には芸人を派遣する必要ナシ、と判断した可能性もあります」(同)

 コンプライアンス遵守の流れによって、地上波テレビにおける表現がマイルドになっているなか、『名アシスト有吉』のようにハードな内容を含むネット配信バラエティ番組が増えている昨今。“吉本”と“非吉本”の断絶が加速されていくのではないかとの懸念もある。

「地上波の番組に比べて、ネット配信の番組は権利関係がしっかりしている。だからこそ揉めるケースも多いんです。特に吉本は、ほかの事務所に比べると、そのあたりのお金にうるさくて、トラブル的なものに発展やすいと言われています。“なあなあ”でできる地上波であれば、事務所も関係なく気軽にいろいろなタレントをブッキングできますが、配信番組だとそうはいかない。今後も、うるさい吉本を排除したネット配信番組が増えていくかもしれません」(同)

 日本のお笑い界は、歴史的に“吉本”と“非吉本”に分けられがちなのは事実だ。しかし、ここ最近はその垣根がなくなりつつあった。

「芸人同士のカラミという点では、事務所の垣根はあまり関係なくなっていますよ。吉本の若手が他事務所のライブに出ることもあるし、その逆もある。ただ、それはあくまで芸人同士での話。事務所同士の関係性は、変わらずライバルなんですよね。いろいろな形で、事務所間の対立構造が露見されるたびに、現場の芸人たちは困惑しているはずです」(構成作家)

 面倒な事情があるにせよ、事務所同士の断絶によってデメリットを被るのは、出演機会を失う芸人たちだ。“吉本”と“非吉本”の対立は、お笑い界への負の影響を与えてしまうかもしれない。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2023/02/24 20:00
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