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引退直前の武藤敬司が“現役最後”ベルト奪取! 長州力、藤波辰爾らもはしゃぐ

引退直前の武藤敬司が現役最後ベルト奪取! 長州力、藤波辰爾らもはしゃぐの画像1
『クイズ!脳ベルSHOW特別編 脳ベルプロレスリング』(BSフジ)

『クイズ!脳ベルSHOW』(BSフジ)のスピンオフ番組『クイズ!脳ベルSHOW特別編 脳ベルプロレスリング』(BSフジ)が、2月18日に放送された。

 往年のレジェンドレスラーが一堂に会する、『脳ベルSHOW』恒例の年に一度の特別編である。この特番は、プロレスファンにちゃんと周知されているのだろうか? 是非とも、見ていただきたい。

引退直前の武藤敬司がやたらと長州力にちょっかいを出す

 田中ケロリングアナウンサーのコールによって、最初に登場したのは長州力だ。すっかりバラエティ番組ではおなじみの長州のはずが、表情を見ると口を真一文字に結んでいる。シリアスなのだ。司会のますだおかだ・岡田圭右が指摘した。

「表情、いつもと違います。YouTubeで婿養子(慎太郎さん)と絡んでるときとえらい違いです。ステーキリベラに行ってるときとえらい違う!」(岡田)

 余計なことを言う岡田。プロレス愛に溢れたくすぐりだ。まあ、婿と絡んでいるときの長州もギスギスしているのだけど……。

 続いての登場は、2月21日の引退試合を控えた武藤敬司だ。リングに上がるや、長州に向かって威嚇の「イヤ~~~!」

 前回、同番組恒例の「TKJP(叩いてかぶってジャンケンポン)」で優勝し、タイトルホルダーになった長州に、武藤はしきりにちょっかいを出した。

「もう、プロレスではベルトを取ることはできないからね。このベルト(TKJPベルト)を今日は狙っていきますよ」(武藤)

 さらに、ほかの面子もレジェンドばかりだった。次に登場したのは、長州軍の藤波辰爾! ユリオカ超特Qではなく、本物のドラゴンである。自らロープを開けて、藤波を迎え入れる長州。長州と藤波の絡みがたまらない。

「藤波さん、なんで今日来てるんですか!? これ、すげぇいいかげんなフザけた番組なんです」(武藤)

「すげぇいいかげんなフザけた番組」、脳ベル的には褒め言葉だろう。自らの強力な援軍に退場を促した武藤に、長州がギスギスし始めた。

長州 「バカたれが……! しばき倒されるぞ」

岡田 「スイッチ入ってる、これは! あの名言、『カタチ変えるぞ、コラ!』が」

 長州の近年の大名言「カタチ変えるぞ」は、5年前にこの番組で生まれたものである。TKJPで興奮し、キレた長州が武藤に向かって「お前、絶対にカタチ変えてやるからな」と言い放ったときが、まさに名言誕生の瞬間だった。

 さて、以下が今回の陣容だ。

【長州軍】
長州力、藤波辰爾、獣神サンダー・ライガー

【武藤軍】
武藤敬司、船木誠勝、天山広吉

 注目は、武藤のサポーターを務める船木である。なぜか、この特番に毎回欠かさず顔を出しているのが、地味におもしろい。さすが、松竹芸能所属のプロレスラーだ。あと、船木とライガーは密かに骨法対決でもある。

武藤 「(チームメイトの船木と天山は)若いからね」

天山 「自分が1番、この中では最年少なのでバンバン遠慮しないでいきたいと思います」

船木 「やっと、(この特番に)後輩が来てくれました。今まで、先輩とか年上ばかりだったので肩身が狭かったんですけど、今日は下から2番目なんで」

岡田 「まだ肩身狭いですよ、それは!」

 おでこも狭ければ、肩身も狭い船木。51歳の天山が最年少になるという事実も、「脳ベルプロレスリング」の独特の世界観を表している。

 さあ、いよいよ開会宣言。担当するのは、忙しくて今回は収録に参加できなかったという蝶野正洋であった。VTRコメントで、熱戦の幕を開けた。

「今日は俺の代わりに天山が闘う。天山、俺からのアドバイスだ。長州さん、藤波さん、ライガー、この3人に絆はない!」

「一番気をつけなければいけないことは……自軍の武藤敬司には必ず裏切られるから、気をつけろ!」(蝶野)

 身も蓋もないことばかり言う黒のカリスマ。開会宣言が悪口ばかりなのだ。先輩(長州、藤波、ライガー)にも同期(武藤)にも、必要以上に口が悪い蝶野。

船木 「蝶野さん、まだ怒ってるって言ってました。武藤さんが新日本を辞めたの、怒ってるって言ってました。まだ、怒ってるって」

武藤 「(苦笑)」

岡田 「その、生々しいコメントいらないですよ」

長州力、ジェンガタワーで姑息な性格を披露

 第1試合は、アクロバット・ジェンガである。サイコロを3個振り、出た目と同じ色のブロックを取って、ボード上の同色のマスに置く。さらに、そのブロック上に円ボードを乗せ、そのボードの同色のマスにブロックを置いていく。これを両チームが交互に繰り返し、タワーを倒したチームが負けというルールだ。

 こんな面子を集めておきながら、いきなりボードゲームをやらせる『脳ベルプロレスリング』は、武藤が言うようにたしかにフザけた番組である。

 さらに、またしてもここで蝶野がVTR出演! 勝敗予想をしてくれるらしい。なんだかんだ、出たがりの蝶野。本当に忙しかったのだろうか?

「この中でちゃんとしたゲームをできる人は1人しかいません。船木選手。それ以外の人は皆さん、目が悪かったり、耳が遠かったり、滑舌が悪かったり。船木選手以外は誰も、ゲームにならないんじゃないのかなと」

「1人だけオイシイところが出ると、つい足を引っ張ってしまうのが新日魂なんです」(蝶野)

「新日魂」の定義がひどい蝶野。足の引っ張り合いこそ、新日らしいスピリッツだと断言している。

岡田 「改めて、長州さんに聞くわ。1人目立ったら、みんなで足引っ張る。そんな新日魂、あんの!?」

長州 「それが、新日なんですよ」

岡田 「認めた!」

 新日を好き放題にdisるOBたち。今の新日とは違うだろうけど、たしかにそれが新日本プロレスっぽさだった。

 このゲームで目立ったのは、やはり長州だ。ブロックを立たせ、自らの席に戻る武藤に対し、「お前、ゆっくり座れよ!」と着席の仕方まで毒づく繊細さ。振動でタワーが倒れないか、ビクついているのだろう。

 さあ、次は長州がブロックを立てる番だ。

長州 「(ブロックを持って)これ、ピンクですよね?」

ライガー 「ゲームの趣旨が変わってきてる(笑)」

 バランス力を競うゲームなのに、色の確認から始まる長州。色盲検査じゃないんだから。奇しくも、蝶野が言った「目が見えない」という揶揄が当たってしまっている。年齢が進むにつれ、色彩感覚は鈍るのだから仕方ない。

 武藤の番になると、自席から「フシューッ」と大きな息を吐き、タワーを崩そうとする長州の姑息な性格もたまらない。さらに、先輩風まで吹かせてみせた。

「敬司、やっていいこととわるいことをわかってるな? 俺と藤波さんしかいないんだからな」(長州)

 脅しを入れ、タワー崩壊の忖度まで要求し始めた長州。政治力だ。

 ここまでライバルが頑張っているのだから、黙っていられないのはドラゴンである。自らの番で藤波は、ブロック上に円ボードをそーっと乗せるのではなく大胆に放り落としてみせた。まさかの、「ドラゴン落とし」初披露!? 藤波がドラゴン殺法で魅せている。でも、そのやり方で円ボードが乗るわけないし、衝撃でタワーが崩れないかも心配だ。

 なのに、「ドラゴン落とし」を3度も繰り返した、言ってもわからないドラゴン。でも、タワーは奇跡的に崩れない。逆に器用だ。さすが、テクニシャン。

 結果、なんとかブロックを設置した藤波。自分の席に戻るときは、歩行の振動でタワーを崩さないようこそっと帰るのもデフォルトだ。プロレスラーがそーっと帰っているのがおもしろいし、膝が悪いからみんなゆっくりしか歩けないという事情もあるだろう。

 最後の結末は、ドラマだった。5段目という悪条件のなか、なんとかブロック設置に成功した器用なライガー。喜びのあまり、長州が「セーフ!」と腕を左右に動かすと、長州の腕で生じた風が届き、タワー崩壊を招いてしまうというオウンゴールをやらかしたのだ。長州の風のせいで、変なタイミングで崩落するジェンガタワー。

ライガー 「長州さんが、こうやって(「セーフ!」と腕を横に降って)やったことで崩れたんですよ」

武藤 「そうそう、風の中で」

長州 「違う、違う」

 それ以前に、そもそも揺れるリングの上でやるようなゲームじゃないだろう。フザけた番組である。

レジェンドレスラーたちの間に、スト2のブランカのブーム到来!

 第2試合は、スーパーファミコン対決! 争うソフトは、「ストリートファイター2」だ。おそらく、『ゲームセンターCX』(フジテレビONE)の有野課長から借りてきたのだろう。

岡田 「船木さんは、(テレビゲームの腕前は)どう?」

船木 「自分は、15~19歳までやってました。新日本プロレスの合宿所の中にあったんですよ。そのときだけ、やってました」

 船木が新日にいた頃、まだスト2はなかったはずだ。要するに、その時期だけテレビゲームをやっていたということだろうか? あと、ライガーは雑誌「ファミ通」で連載を持っていたことがあるし、長州はファミコンソフト『新人類』に本人キャラで登場したこともある。決して、親和性は低くない。まあ、長州本人は覚えていないだろうけど……。

 ゲーム前、スト2の操作方法を必死で勉強するレジェンドたち。でも、とても覚えられるとは思えない。まず、エキシビジョンとして、リュウ(藤波)vsケン(長州)の一戦が行われた。

 よく考えると、名勝負数え唄の続編である。でも案の定、両者ともに離れた場所で当たらないパンチとキックを出すだけ。リュウvsケンが、シャドーボクシング状態に終止しているのだ。

 また、長州の操作がひどい。コントローラーを横に持ち、サイドにあるRボタンをひたすら連打するのみ。もちろん、この試合は藤波が勝利した。

「なんてこった!」(長州)

 いやいや、こっちのセリフである。

岡田 「長州さん、コントローラーの持ち方はこう(※普通の持ち方)持ったほうがいいですよ」

長州 「持ってこうやったりするの、面倒くさい」

「コントローラーを持つのが面倒くさい」という理由で、十字ボタンを全否定した長州。ゲームをやらせても革命戦士だ。

 さて、ここからが本戦。第1試合はライガー(リュウ)vs船木(ブランカ)だ。また、船木が強いのだ。ブランカのエレクトリックサンダーを連発し、ワンサイドでライガーに圧勝してしまった。さすが、船木は電流爆破マッチ経験者だ。

「あれはないだろ、あの電気は!」(長州)

 ブランカの電気攻撃にケチを付ける長州。スト2の必殺技に文句を言う人を初めて見た。

「船木! それ(エレクトリックサンダー)、俺に教えろ」(長州)

 敵チームの後輩に教えを請う長州。いや、2年前放送の『脳ベルプロレスリング』では、長州だってブランカを使っていたはずなのに……。もう、すっかり忘れてしまっているのだろう。

 第2試合は、長州vs武藤。船木のプレーを見て気に入った長州は、目ざとくブランカを選択した。一方、「自分と同じ髪型だから」という理由で、武藤は“ムエタイ戦士”サガットを選択。リーダー同士の激突は、ブランカvsサガットという顔合わせになった。

 試合が始まると、船木からレクチャーを受けたはずの長州が、一向にエレクトリックサンダーを出せずにいる。

「電気はどこだ!? 電気、どこ!」(長州)

 エレクトリックサンダーを出そうとやみくもに動き回るブランカに、冷徹にローキックを当てまくるサガット。こうして、長州はあっという間に負けてしまった。

ライガー 「長州さん、電気出さなきゃ!」

長州 「電気、出ねえじゃん!」

「電気出さなきゃ」「電気出ねぇじゃん」、なにこの会話は。見ていて、腹がよじれてくる。結果、長州は武藤に完敗を喫してしまった。でも、いい。今年は「電気はどこだ?」という名言も生まれたし、それがもう何よりだ。

 第3試合は、藤波vs天山。ここで、なぜか藤波までブランカを選んだのだから“ブランカブーム”ここに極まれり。対する天山が選択したのは、ザンギエフだった。

 そして、やはり電気を出すことができない藤波。たまにエレクトリックサンダーが出てくると、「うわーっ、出たぁー!」と長州は大興奮だ。勝敗うんぬんではなく、電気が出ることがゴールになっている長州軍。エレキテルの平賀源内じゃないんだから。

 とはいえ、歳には勝てなかったか? この試合は、2―1で天山の勝利に終わった。

岡田 「途中の、ブランカの電気ブームね」

ライガー 「電気、省エネか!? ってくらい、出なかったですね」

長州 「もう、高齢者だから電気出ない」

 電気を出すのに年齢制限があると、独特の自説を説く長州。ブランカが、すっかりレジェンドレスラーたちのアイドルだ。

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