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城下尊之の「フラッと芸能解説」

男性看板アナウンサーが次々と逃げ出す… テレビ業界衰退の足音

男性看板アナウンサーが次々と逃げ出す… テレビ業界衰退の足音の画像1
篠原光アナウンサー 日本テレビ 公式サイトより

 ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!

――日本テレビの篠原光アナウンサーが3月いっぱいで退社し、「eスポーツ」のキャスターに転身すると報じられました。これまで局アナが退社してフリーアナやタレント化することはありましたが、まさかeスポーツとはビックリですね。

城下 そうですね。篠原アナは2018年に入社で、『ZIP!』や『ヒルナンデス!』などに出演していました。ゲーム好きだそうで、同局で『ポケモンユナイト甲子園』の実況を担当したこともあり、4月以降はゲームの大会実況やイベントの進行役などを務めるようです。

 いくらゲーム好きといっても、まだ28歳の若手アナが異業種への転職ですから業界では驚きの声もありますが、僕はそれほど驚きませんでした。というのも、10年ほど前から、地方局のベテランアナから「アナウンサーの応募者数が以前ほどではなくなった」と聞いたことがあったんです。かつては局アナといえば狭き門。華やかですし稼げる職業として人気でした。今は地方局に限らずキー局でも、男子も女子も、それほど魅力的な職業ではないようです。若手アナの早々の転職はその表れだと思います。若いうちでないとeスポーツキャスターは視聴者から共感が得られにくいでしょうし。

――元テレビ東京の田口尚平アナも退職後、「eスポーツ」などの実況をしてますね。テレビ局に限らず、どの職業も転職流行りですしね。

城下 そうですね。『news23』(TBS系)に出演していた国山ハセンさんも2022年末にTBSを退社してビジネス動画コンテンツの会社に転職し、プロデューサーやタレントとして活動しています。

『報道ステーション』(テレビ朝日系)のメインキャスターを務めた富川悠太さんも2022年3月末をもってトヨタ自動車に転職。トヨタの広報動画「トヨタイムズニュース」のキャスターを務めて、以前にも増して露出しています。

 青木源太さんは、2020年9月に日本テレビを退社し、今はタクシー内で放送されている情報番組やユーチューバーとして活躍。この数年で人気アナ、看板アナが次々に転職しています。

 以前だったら、『報道ステーション』のキャスターからトヨタに転職はしないでしょう。もちろんトヨタですから収入も充分でしょうし、露出も多くプラスにはなっていると思います。ただ、以前であればやはり「テレビ番組に出たい」という思いがあったと思うんですね。今はもうテレビの時代ではないということ、テレビ局のアナウンサーが魅力的な仕事でなくなってしまったということが如実にわかる。

――時代の流れですね。

城下 十数年前から「テレビ業界は衰退産業だ」と言われていましたが、まさにその通りになっています。テレビがだんだん高齢者のものになってきて、若い人はテレビをあまり見なくなった。大企業もテレビでCMを流すよりも、ホームページを充実させたほうがよほど効果的だといわれています。それでもCMを流しているのは、「一応、CMもしている優良企業です」と示すという意味だけでしかなく、昔に比べたら出稿量はどんどん減ってきています。「テレビよりネット」という考え方がもう定着してしまった。

――だからテレビよりも勢いを感じる業界へ転職者したいということですね。

城下 そうですね。実力があるアナウンサー、若手のアナウンサーほど、将来性のある業界に魅力を感じるでしょう。お笑い芸人たちもYouTubeやSNSに活動の場を広げています。先々のことを考えれば、テレビ局から転職する実力組が増えていくでしょうね。

――この先、テレビはどうなっちゃうんでしょうね!

 

 

城下尊之(芸能リポーター)

立教大学在学時から、サンケイ新聞でアルバイトを行っていた経緯から、卒業後、サンケイスポーツへ入社。スポーツ紙文化部記者となった初日で見習い経験もないうちに、他に大きな事件があったため、「(故)林家三平さん、大病から復帰!」という大事な現場を任された。退社後は、TBS『奥様8時半です』のデスク担当として勤務し、その後、芸能リポーターに転身し、現在に至る。独自に身につけてきた取材能力、ブレーンの作り方等から、芸能界の裏話を交えた、楽しい味付けで話す。

【プロフィールページ】

しろしたたかゆき

最終更新:2023/02/21 13:00
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