Da-iCE・工藤大輝が語る宇多田ヒカル「“基礎”を全部作ってしまった」
#宇多田ヒカル #インタビュー #Da-iCE #特集 #あらためて宇多田ヒカル
会ったら自分の何かが終わる気がする
――『BADモード』はこれまでの集大成的であり、そこからまた一歩進んだ作品に個人的に感じていて、去年はまたコーチェラに出たりとか、さらに違う新たなステージに行っちゃったような感じもしているんですが、工藤さん的には今後宇多田さんはどうなっていくと思われます?
どうなんでしょうね。いや、とりあえず僕としては曲を出していただければいいなって(笑)。活動休止の時のショックの気持ちもあり。ただ、1個の作品を作ることに対してのエネルギーって……、もちろん僕もありますけど、宇多田さんは多分かなりエネルギーを使っている気がするんですよ。なので、何かインプットがないとダメなのかもしれないなって思うので、活動休止とかも全然、どうぞお休みください!みたいな。そしてまた曲書いてもらえればいいですっていう。『HUNTER×HUNTER』の富樫さんとかと同じ気持ちです(笑)。あと、次どういう曲を作ってくるかが全く予測できないので、それがすごい楽しみですね。
――宇多田さんのライブってこれまでご覧になったことは?
生ではなくて、映像系はDVDとかで見てるんですけど。生で観れない。観たいんですけど、観ちゃダメな気持ちもあるんですよ。神聖な感じがどうしてもあって。会ったら終わるな(笑)。会ったら自分の何かが終わる気がします。
――新しい始まりかも知れませんよ。
確かに。その考え方にしときます(笑)。でも宇多田さんは、自分の中ではライブというより作品を作ってもらってそれを聞くのが楽しみなので、それをいっぱいやっていただけたら嬉しいなって思います。
――少し日本のR&Bの話に戻ると、CHEMISTRYとDa-iCEで「スパロウズ」というコラボ曲が3月にリリースされますが、松尾潔さんプロデュース、豊島吉宏(Maestro-T)さん作曲というのは、J-R&B好きにはうれしいコラボレーションだったのでは?
ふぅ…(溜息)。逆にあんまり実感ないです。僕がずっと追っかけてた方々が普通に接してくれるっていう感じに慣れないんです! 「おはよう!」みたいな感じで来ていただいても、一生慣れないですね。でも、松尾さんが作って、名義はDa-iCEになるっていうことはすごい感動しますし。最近僕が活動してて嬉しいなって思うポイントってけっこうそういうことが多いんですよ。m-floのTaku☆Takahashiさんと曲を作ることになったりとか、自分が育ってきて、リスペクトしてた人とか物とかが今帰ってきて自分の近くにあるっていうことに対してすごく幸せを感じるというか、そこに意義をめちゃめちゃ感じますね。また頑張ろうって思います。
――Da-iCEでJ-R&Bを支えてきたプロデューサーと組んで……という展開もいずれあるんでしょうか。
もし何か「J-R&Bをもう1回やってみようぜ」っていう空気感になったら、ぜひやりたいですね。その時に制作をお願いしたい人リストも死ぬほどあります(笑)。
――最近は宇多田さんをサンプリングする人もいますし。
そうですよね。そういう時代か(笑)。25年ぐらい経ってますもんね。いやだから、25年前に出した曲ですでに完成されているっていう事実に、今後自分はどうしていけばいいんだろう?っていうのはずっと思ってます。作りたくて曲を作るんですけど、「別に新しくないな」「ええんかなこれで」みたいなことをずっと思ってるんですよね。実は「スターマイン」もその流れがあって、「変なことをやろう」と思って作ったんですよ。でもその中に宇多田さんの歌詞イズムとかも入ってるわけで、今後どうしようか悩んでるところがあります。
――そこであえて宇多田イズムを汲んだJ-R&BをDa-iCEでやるというのも、おもしろそうですけどね。勝手な意見ですが。
Da-iCEのメンバーも、(和田)颯はちょっと若いですけど、でもダンス始めたのが小学生とかで、みんな90年代から2000年代のR&Bとかヒップホップを通ってきたメンバーなので、文脈をイチから説明しなくていいし、そこにスムーズにいけるっていうのはかなり強みな気がしてます。いい作品を作れる気はしますね。そうですね、いずれやります。
――楽しみにしてます!
●工藤大輝(くどう・たいき)
Da-iCEのパフォーマー兼リーダー。作家としても作詞・作曲を手掛け、Da-iCEやその他アーティストへの提供も多数行う。音楽・カルチャー・ファッションに高感度で、アイドルやアニメにも造詣が深い。作詞した『CITRUS』では「第63回日本レコード大賞」を受賞。作詞・作曲した『スターマイン』は「第64回日本レコード大賞 優秀作品賞」を受賞。
今春、New Album「SCENE」の発売が決定。アルバム楽曲を引っ提げ、全国6都市12公演を巡る「Da-iCE ARENA TOUR 2023 -SCENE-」(6月3日~9月3日)を開催。
詳細はDa-iCE公式サイトにて
宇多田ヒカル「First Love」誕生から24年、アジアの“青春”に与え続ける影響
私たちの“青春”は、何度でもリプレイされ続ける。 Netflixにて全世界独占配信中のオリジナルドラマシリーズ『First Love 初恋』が、2022年 11...宇多田ヒカル、最新作が海外の年間ベストを席巻…「First Love」も再ヒットで迎える黄金期
日本でのCDデビューから24年。宇多田ヒカルが新たな黄金期を迎えているようだ。 今年1月にリリースされた(CDは2月発売)最新アルバム『BADモード』はある種、キ...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事