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日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > 『怪盗グルー』の見事な仕掛け
今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識㊽

『怪盗グルー』が仕掛けたディズニーではできなかったこと

『怪盗グルー』が仕掛けたディズニーではできなかったことの画像1
金曜ロードショー『怪盗グルーと月泥棒』日本テレビ 公式サイトより

 今週からの日本テレビ系『金曜ロードショー』は、2週連続ミニオンズだ! まずはシリーズ一作目の『怪盗グルーと月泥棒』をご覧ください。悪党グルーがかわいい(?)子分のミニオンズを率いて、月を盗む悪事に挑むアニメ映画です。

 自称・世紀の大悪党グルーは彼の相棒であるマッドサイエンティスト、ネファリオ博士がバナナ(日本語吹き替え版。原語ではシリアル)から産み出した子分のミニオンズを従えて盗みを働いていたが、最近は大したものを盗み出せず(自由の女神のミニチュアとか)、傷心の日々。世間ではエジプトのピラミッドが何者かによって盗まれる(!)といった話題で持ち切りだというのに。このままパッとしない小悪党のままで終わってしまうのか? ピラミッドよりデカくて凄いものを手に入れるしかない。

 それは……月だ! 斯くしてグルーは月を盗む計画を立てる。

 そのためには資金がいるということで、悪党専門の金貸しをしている悪党銀行に融資の申し込みに行く。地獄の沙汰も金次第とはこのことか。悪役の知られざる金事情について語られている珍しい作品です。

 悪党銀行の経営者パーキンスは、グルーの無計画さに呆れてしまう。そんなことで銀行は金を貸せない、融資をしてほしければきちんとした計画を立てろと。パーキンスは巨大な月を持ち運びやすくするためのひみつ道具「縮ませ光線銃」を手に入れるよう指示。こいつで月を小さくしてしまうのだ。

 指示通り、見事光線銃を手に入れたグルーだがライバルの悪党、ヘクターに横からかっさらわれてしまう。光線銃がなければ銀行の融資は受けられない。最新の防衛システムによって厳重に警護されたヘクターの屋敷には近づくだけで精一杯。

 ある日、ヘクターの家にマーゴ、イディス、アグネスの三姉妹がクッキーを売るために出入りしているのを見たグルーは三姉妹を利用することを思いつく。養護施設から三姉妹を引き取ったグルーは、ネファリオ博士につくらせたクッキー型ロボットを使い、三姉妹のクッキーに忍ばせてヘクターの屋敷に潜入。無事光線銃を奪うことに成功。ところが悪党銀行は「もっと若い才能に融資することにした」といって、グルーへの融資を止めにしてしまう。銀行ってこういうことするんですよね。

 最初は三姉妹を盗みのために利用するだけだったグルーはなつかれてしまい、彼女らの親代わりの生活を受け入れるように。そして三姉妹に発破をかけられたグルーは、自力で宇宙まで行くロケットを製造した! (初めからそうすればよかったんじゃ……)あとは月を盗むだけだが、三姉妹との共同生活に馴染んでしまっていたグルーはやる気を失いつつあった。情けない! お前は悪党だ、子供たちの親代わりなんかしている場合じゃないぞ、目を覚ませ! と、ネファリオは三姉妹を無理やり養護施設へ送り返してしまう。

 いよいよ月を盗む決行日だが、その日は三姉妹がバレエの発表会をする日。グルーは大急ぎで月を盗み、とんぼ返りで発表会の会場へすっ飛んでいくのだが……。

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