『福岡くん』『ゴリパラ』ローカル番組が関東へ、地方テレビマンの実力は東京より上?
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福岡のローカル番組『福岡くん』(福岡放送)が12日に日本テレビで放送され、関東に上陸。1月からスタートしたフジテレビ系昼の情報番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)では先日、こちらも福岡で人気の『ゴリパラ見聞録』(テレビ西日本)が紹介され、ローカル番組がにわかに脚光を浴びている。
「『福岡くん』は、福岡県民でも見過ごしているような地元のディープなネタを取り上げ、あれやこれやと検証する番組。東京進出を果たした放送では、『人助けだと思ってどうかご覧ください』『視聴率ゼロの可能性も』と、まるで自信なさげでしたが、市内を走る2両編成の超ロングなバス、北九州の成人式のド派手な若者の生態、鮭を絶対に食べてはいけない地域などを紹介すると、Twitterでは『福岡くん』がトレンド1位になり、視聴率も日曜の昼としては大健闘の数字でした。
一方の『ゴリパラ見聞録』は、放送開始から10年以上が経過した地元の人気番組。お笑い芸人のゴリけんとパラシュート部隊の2人による旅バラエティ番組ですが、移動の車中や飲み会でもカメラを回し、グダグダでユルユルな雰囲気が厚い支持を集め、今では多くの地方局にネットされています」(テレビ情報誌記者)
期せずして2番組が東京進出を果たし、実力の片鱗を示した福岡のテレビ業界。昨今のテレビ離れに関係者は頭を悩ませているが、ローカル番組はこの閉塞した状況を打破する1つのヒントになりそうだ。
「ここ数年、テレビ界では東京以外で制作される番組の好調さが目立ちます。視聴率ランキングを見れば、上位は『ポツンと一軒家』(朝日放送)、『オモウマい店』(中京テレビ)、『プレバト!!』(毎日放送)、『秘密のケンミンSHOW』(読売放送)など、関西や名古屋制作の番組ばかり。東京の低調ぶりが際立ちます。
地方ローカル番組で伝説になっているのは、大泉洋を生んだ『水曜どうでしょう』(北海道テレビ)です。こちらは北海道のいちローカル番組でしたが、地元で爆発的な人気を得ると、口コミでその面白さが広がり、全国各地で次々と放送がスタート。何度も再放送され、DVDも記録的な売り上げを残し、大泉は全国区のスターになりました。全国各地には、その地域だけで大人気の番組がありますから、目指すは“第2の大泉洋”です」(キー局関係者)
大泉は連ドラの主役、映画の主演、NHK紅白歌合戦の司会など、次々と大役を任される国民的スター。まさにジャパニーズドリームの体現者だが、地方に活路を見出す背景には、キー局の世知辛い事情もある。
「東京のテレビ局は一見、“我々がテレビ業界の主役”という顔をしていますが、関西のテレビ局も待遇は大して変わらない。局によっては東京以上のところもあり、優秀な人材は全国に散らばっています。業界が縮小する中で、系列局と連携を深めつつ、競り合うような形で面白い番組ができれば、ネットワークとしてライバル局に対抗できますし、もっとリアルなことを言えば、互いに番組を融通し合うことで制作費や人件費を削れます。
視聴者は、どこのテレビ局が制作しようが番組が面白ければOKでしょうし、地方ローカル番組独特の雰囲気や、普段はあまり見掛けないタレントが出てくる新鮮さは魅力的なはず。近年では思わぬ大物がローカル番組をやっているケースも多く、そういった番組が東京に“逆輸入”されるパターンも考えられるでしょう」(同上)
テレビ離れの一因は、いつも同じようなタレントが出演し、パクリすれすれの企画が多いことも影響しているはず。テレビを救うのは、東京の常識に囚われない地方のテレビマンかもしれない。
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