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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > ミラクルひかるが一喝!
特集:あらためて、宇多田ヒカル

ミラクルひかる、上辺だけの宇多田ヒカルモノマネに「そんなんじゃねえよ」一喝

宇多田ヒカルが私の中ではすごくタイプなんだな

――今でも宇多田さんはお好きなんですよね。

ミラクル:もちろん好きですよ。いろんなところで自撮りしてるような「One Last Kiss」(2021年)のMVがあったじゃないですか。自分のYouTubeチャンネルでモノマネした映像を流そうと準備していたんですけど、私の歌が下手すぎて投稿する気になれなかったんですよね。今回の「First Love」の新しく出たレコードもちゃんと買ったし、もちろん愛はあります。そりゃあ20代の時の熱狂的な感じからすると落ち着きましたけど、でも趣味なんだろうなと思いますね。彼女が私の中ではすごくタイプなんだなって。

――長らく宇多田のウォッチャーをされてきて、心境の変化を感じるところはありますか?

ミラクル:新曲を出すたびに勘ぐりますよね。そもそも楽曲の雰囲気がアルバムで、大きく変わるじゃないですか? でもね、いつの時代も宇多田さんはカッコつけるのが嫌いなんだなって感じます。どのアーティストも素直に曲を書いてるつもりが、どこかカッコつけちゃう自分っていると思うんですよ。でも宇多田さんの場合は「これは何回書き直したんだろう?」みたいな。削って削って自分の心を裸にする作業をしたんだろうな、と曲を聴くたびに思いますね。

――それを踏まえて、最新アルバム『BADモード』(2022年)はいかがですか?

ミラクル:いい意味でポップですよね。「Automatic」からの理想的な成長を感じるし、神妙さがちょっと薄くて聴きやすかった。「Be My Last」(2005年)の<母さんどうして>あたりから「どうした!?」みたいに思っていたんですけど、『BADモード』で「よかった! なんかホッとした気持ちになった!」っていう(笑)。

――素人の憶測ですが、精神が安定したからこそ『BADモード』に繋がったんですかね。

ミラクル:いやいや、それが答えだと思いますよね。実は、そんな深く本人は悩んでいないのかもしれない。というか、宇多田さんファンは彼女に対して“勘ぐり過ぎてる”ところがあると思うんですよね。

 やっぱり宇多田ファンって、ちょっと病みやすい人が多い気がするんです。きっとファン同士でも病みあっていたい、みたいな。だからこそ、本人にも過剰に期待しちゃう。

 ファンが彼女に求めているものって、3つぐらいあって。それは心の敏感さ、高いIQ、海外のエッセンスだと思うんですね。その3つを常に満たしてないといけなくて「私は明るくなっちゃいけないんだ」って、内面化してやしないかしら。反対に、宇多田さんは実は全然ポジティブで、もしかすると「ファンに合わせて神妙になってくれてるのかもしれない」とさえ思います。

 だから、宇多田さんがファンをどう思ってるのか、本当のところを聞きたい。「ファンは自分よりも暗いと思いますか?」「ファンにどれだけ気を遣ってますか? それとも何も気を遣っていないですか?」とか、知りたいですよね。

――足元を映し続けてるインスタの投稿とか、気になりますよね。

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ミラクル:アッハハハ! 私は見れないんですよ、あのインスタが。なんか怖くて。

――今の話を伺うと、そこに合点が行きますよね。

ミラクル:ね! 本当に映したくてそうしたのか、あるいは“私の優雅な生活”みたいなのを出すと引いちゃうから、気にしてくれてるのか。

――“ファンが求める私”を表出してるかどうかで考えると……やはり足元になりますね。

ミラクル:それもあり得るし「これを喜んでくれるファンでいてくれ」と思ってるのかもしれないし、どっちなんだろうってすごい考えちゃう。「これを撮る私なんです」とアピールしてるってことは……みたいな。「常に私はここにいるよ」とか「私は遠くに行かないよ」ってメッセージだと思うんですよ、足元は絶対。「帰ってくるよ、ここに」って。

――傷だらけの足の写真を投稿することもありましたよね。

ミラクル:ありましたね! ギリギリのメッセージを感じるというか、根っこがロックなんでしょうね。若い頃のアルバムはロックの要素が多かったりしたけど、今ってそんなロック感はないじゃないですか。もしかしたら、マインドがロックになったから、曲でやる必要がなくなった可能性もある。人間って自分にないものを音楽に求めたりするから。

――そういう意味では、宇多田さんの音楽は神妙な感じだけど、根はめっちゃ明るい人なのかもしれないですね。

ミラクル:曲に反映してないパターンもありますね。そう考えるとどっちなんだろう? このソワソワさせる感じもいいんですよね。まだまだ未知の存在ですよね、宇多田さんは。

(プロフィール)
ミラクルひかる(みらくる・ひかる)
1980年、兵庫県生まれ。宇多田ヒカルのモノマネ芸人として一世を風靡。中島美嘉、持田香織(ELT)、YOU、JUJU、浅野温子、工藤静香など、多数のモノマネレパートリーを持つ。現在はモノマネ番組を中心に活躍中。
<SNS>
YouTubeチャンネル「ミラクルひかるチャンネル」
https://www.youtube.com/channel/UC-oB1viuwdIH8dkss87KSYw
インスタグラム https://www.instagram.com/miracle_hikaru_official
オフィシャルブログ http://ameblo.jp/miraclehikaru

真貝聡(ライター)

ライター活動のほか 、MOROHA『其ノ灯、暮ラシ』(2017年)/BiSH『SHAPE OF LOVE』(2018年)/Mrs. GREEN APPLE『~Review of エデンの園~』(2020年)/PEDRO『SKYFISH GIRL -THE MOVIE-』(2021年)などの映画・TVにインタビュアーで参加。

しんかいさとし

最終更新:2023/02/20 11:04
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