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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > ミラクルひかるが一喝!
特集:あらためて、宇多田ヒカル

ミラクルひかる、上辺だけの宇多田ヒカルモノマネに「そんなんじゃねえよ」一喝

他の芸人の宇多田ヒカルのモノマネは「波動が違う」

ミラクルひかる、上辺だけの宇多田ヒカルモノマネに「そんなんじゃねえよ」一喝の画像2
ミラクル版「Automatic」

――そもそもミラクルさんの歌唱力はどこで、培ったものなんですか。

ミラクル:こどものころ、合唱団に入っていたんですよ。そこでファルセットを出す訓練をしていたから、モノマネができたのかなと思います。よく他のモノマネ芸人が「宇多田ヒカルのモノマネができる」とか言って、浅い部分の形態の部分だけでマネする人いるんですけど、「そんなんじゃねえよ」っていつも思うの(笑)。ふらふらするぐらい息を使うし、すごく喉も開かなきゃいけないしめっちゃ、呼吸困難になるはずなんです。表面のところだけで軽々しくやってるのを見ると「波動が違うよ!」みたいに思っちゃいます。

――あらためて、宇多田ヒカルのモノマネをしようと思ったきっかけはなんだったんですか?

ミラクル:子供の頃、“近所でモノマネするひょうきんな子”だったんです。大人になって東京で美容師をしている時、あまりにも人生にやりがいを感じなくなって。表参道辺りの美容院に勤めてたんですけど、ヘアモデルのモデルハントをする時に外へ出て「宇多田ヒカル・ショータイム」をスタンディングでやっていた、ちょっと変なやつだったんです。そしたら若い子たちが寄ってきてくれて「スゲー!」とか言われて、すぐに“お持ち帰り”できました。お店では重宝されてましたね。

――とはいえ、そのネタが「宇多田ヒカル」だったのは、なにかあったんですか?

ミラクル:当時、流行っていたのはもちろんですが、宇多田ヒカルファンだったし、顔も似てるって言われるし歌も好きだったんで、ある時から「宇多田ヒカルのモノマネを完璧にする」という趣味を作ったんですよ。毎日練習していたら、自分の中で芸としてかたまっていきました。

 それで、美容師のモデルハントって「お時間ありますか?」とか言って一人ひとりに声かけるのって疲れるんです。いっそのこと、なんかやってやれ!と思っちゃったんですよね。全身タイツを穿いて、宇多田ヒカルの楽曲を歌うショーを毎日やって。それが19歳の時ですね。当時は、松田聖子さんと宇多田さんのモノマネしかなかったです。

――その頃から、「ミラクルひかる」という芸名を自分で決めていたんですか?

ミラクル:芸名はウチの事務所の社長であり、師匠でもあるダンシング☆谷村がつけてくれました。そもそも、私を受け入れてくれた事務所がここ(ジンセイプロ)だけだったんですよ。私もモノマネ事務所なら、すぐテレビに出られる気がしたので、東京のとあるものまね事務所に手紙を出して……いろいろな経緯でダンシング☆谷村が拾ってくれました。

――話が前後しますがそもそも、芸人になろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

ミラクル:その当時はエステティックで仕事をしてまして。だけど、毎日が楽しくないんで「どうにかしてモノマネ芸人になってやる」と思って。素人が怖いのは、こうとキメたらもう、止まんなくなっちゃうんですよね。次の職場はここしかない!と。

――そこでダンシング☆谷村さんの目にとまった、と。

ミラクル:宇多田さんのモノマネを披露したら「あ、これは金になるぞ」と思われて(笑)。それで「まずは5分の前説から始めろ」ということで、よくバーモント秀樹さんの前座をやらせてもらいました。

 それである日、とある会場に『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦』(フジテレビ系)の偉い方が見に来ていて。声をかけていただいて番組に出たら視聴率も評判も良かったらしくて。「次回からレギュラーで出てもらえませんか?」と言ってもらってそこから2年ほど、宇多田さん以外のモノマネはしていなかったです。ひたすら宇多田モノマネの完成度だけを上げて、あの頃は本当に頑張ってました。宇多田さん本人はプロモーションで1回しか着ていないような「traveling」(2002年)の衣装を、こっちは2~3着、似たような衣装をそろえて何度も着ましたね。ボロボロになるまで営業で使いました。

――やっぱり1番のモノマネは「traveling」ですか?

ミラクル:だと思います。曲自体が人気でやっぱり派手だし、お祭り的に映えるじゃないですか。ただ「traveling」は、私の中では曲のほうが勝っちゃってて。意外と「Keep Tryin’」(2006年)なんかが、キー的にもモノマネしやすいなとは思いました。

――そう言えば、数年前に出演された『にけつッ!!』(読売テレビ)の「100人飲み会」企画を観ましたけど。宇多田さん以外に女優さんとか、青汁のおばちゃんのモノマネもされたじゃないですか。すごいのは歌だけじゃないんだ、と再確認しました。

ミラクル:アッハハハ! 根本的には近所で変な喋り方のおばさんとか、気になってる人がいたら、宇多田さんの時と同じぐらい熱が入っちゃう。あとはガーシーもね。アレは2日でできちゃいました。「宇多田は2年、ガーシーは2日」っていう! モノマネ心とアーティスト愛っていうのかな?

 昔は愛情強めにやらせてもらっていたんですけど、今は悪いモノマネだと、悪意が勝っちゃうのがあって。いくらこっちに愛情があると言っても信じてもらえない。私と同じ世代の人からは「宇多田以外は悪意しかない」って認識で、若い子からは宇多田ヒカルでさえ「悪意があるんだろうな」って……(低いトーンで)。

――いや、あの、うーん……そうなんですかね?

ミラクル:そう思われたいっていうのもありますね。

――あ、そっちですか!

ミラクル:アッハハハ! 愛なんてそもそも持ち得ない人間だと思われたいですね。

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