トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > カルチャー > 映画  > 観客の理解力はパンク寸前
今週の『金曜ロードショー』を楽しむための基礎知識㊻

『パイレーツ・オブ・カリビアン3』登場人物多すぎ! 観客の理解力はパンク寸前

『パイレーツ・オブ・カリビアン3』登場人物多すぎ! 観客の理解力はパンク寸前の画像1
金曜ロードショー『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』日本テレビ 公式サイトより

 日テレ系『金曜ロードショー』が視聴者のリクエストにお応えする企画第6弾は三部作の完結編『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』をお送りする。史上最大規模の物語がついに完結!

 本作は一作目が予想以上のヒットを記録したことで続編製作が決まり、二作目、三作目を同時に撮って公開するという体制が取られた。

 一作目以降、製作費は果てしなく上昇し続け、『ワールド・エンド』の製作費は3億ドル(約330億円)に達した。これは現在公開中の『アバター/ウェイ・オブ・ウォーター』が出るまでは映画史上最高額であった。ちなみに『ウェイ・オブ・ウォーター』は4億ドル(約540億円)とされている。

 ジェームズ・キャメロン監督の構想を完全に映像化するのにそれぐらいの費用が必要だったのだろうけど、『パイレーツ・オブ・カリビアン』の世界規模大ヒットがあったからこそ、実現した映画といってもいい。なにしろキャメロンには同じ海を舞台にし、当時最大の製作費をかけ大ヒットした映画『タイタニック』があるんだから!

 さて、こんなに目も眩むような高額になったのはディズニーが大金をかける価値を見出し、元がとれると踏んだからだ。これまでのシリーズが全部大ヒットの黒字収入だったこともあるし、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズはディズニーランドのアトラクションが「原作」だったが、映画公開後はそこにこれまでいなかったジャック・スパロウやディヴィ・ジョーンズ、ヘクター・バルボッサといった映画のキャラクターが登場する逆転現象が起きた。映画とテーマパーク両方でビジネスができるという、ほかの映画にはない強みを持っている故にディズニー史上最大のプロジェクトになった『パイレーツ・オブ・カリビアン』は製作費も、内容もひたすら肥大化する。

 史上最大規模を目指して作られた本作の上映時間も、史上最大クラスだ。一作目の上映時間は143分、二作目は150分。そして三作目はなんと169分! 当初の予定では3時間ジャストの180分あったというが、プロデューサーのジェリー・ブラッカイマーが「長すぎる」といって11分カットされた。ここまできたら169分も180分も同じような気がするんだけど。

 ファミリー向け映画とは思えない長大な上映時間に腰が引けるが、それに見合った作品内容なら、何の問題もない。果たして約3時間の完結編はいかがなものなのか?

 前作のラストで怪物クラーケンに飲み込まれたジャック・スパロウ(ジョニー・デップ)の魂を求めてエリザベス(キーラ・ナイトレイ)、ウィル(オーランド・ブルーム)ら船員たちは、ブードゥーの預言者ティア・ダルマ(ナオミ・ハリス)の魔術によって復活したヘクター・バルボッサ(ジェフリー・ラッシュ)の指揮下の元、「伝説の9人の海賊長」のひとり、サオ・フェン(チョウ・ユンファ)に会い、「世界の果て」の海図を手に入れ、ジャックの魂が封じられているディヴィ・ジョーンズの墓場を目指す。

 一方、東インド貿易会社のベケット卿(トム・ホランダー)は海賊の世の中を終わらせるために徹底的な弾圧を行い、ジャックらからディヴィ・ジョーンズ(ビル・ナイ)の心臓を奪い取った元海軍士官ノリントン(ジャック・ダヴェンポート)を再び海軍に復帰させ、ジョーンズと彼の幽霊船フライング・ダッチマン号をわが物顔で操り、世界中の海の支配をもくろんでいた。

 強大になる一方のベケット卿に対抗すべく、ジャックらは「伝説の9人の海賊長」を一堂に会する評議会を開き、エリザベスは彼らにベケット卿と決戦するよう促すが、戦力に差がありすぎることなどを理由に海賊たちは決戦を渋る。

 その場に現れたのはジャックの父親、キャプテン・ティーグ(キース・リチャーズ)。彼が引っ張り出してきた「海賊の掟」によって海賊王を決める投票が行われた結果、エリザベスが海賊王に。海賊たちとベケット卿、ディヴィ・ジョーンズとの最終決戦が始まる。

12
ページ上部へ戻る

配給映画