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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > AKB48服部有菜、卒業の心境
映画『突撃!隣のUFO』公開記念インタビュー

AKB48卒業の服部有菜が気づいた「人を幸せにする」ということ

AKB48卒業の服部有菜が気づいた「人を幸せにする」ということの画像1
写真=増永彩子

 映画『突撃!隣のUFO』が2月3日から公開される。主演のヨネスケが “しゃもじ”を片手に地球外生命体と対峙する、大スペクタクル(?)でハートウォーミング(?)な本作。この話題作のヒロインに抜擢されたのが、AKB48の服部有菜だ!

 今年5月には、AKB48からの卒業も控えている服部に突撃!? インタビュー。撮影裏話はもちろんのこと、アイドルとしてのこれまでとこれからについても、じっくりと話してもらった。

ヨネスケさんとの共演は「家族がすごく喜んでくれました」

AKB48卒業の服部有菜が気づいた「人を幸せにする」ということの画像2

ーー今作は、1985年から11年まで日本テレビ系列のワイドショーなどで放送されていた、ヨネスケさんの人気コーナー『突撃! 隣の晩ごはん』が“元ネタ”になっています。2001年生まれの服部さんは、このコーナーのことはご存知でしたか?
 
服部有菜(以下、服部):実は、出演が決まってから初めて観させていただきました(笑)。あんなふうに、突然ご自宅にお邪魔する番組って今では考えられないし、すごいですよね。ヨネスケさんがすごく愛らしいキャラクターをされているから成立するんだろうと思うのですが、私もいつか、あんなロケ番組をやってみたいなと思っちゃいました。

 あと、家族が喜んでくれて。ヨネスケさんとの共演が決まって、しかも『隣の晩ごはん』がベース(?)になっている映画だよって伝えたら、「あのヨネスケさんの!?」って驚きつつ、すごく喜んでくれました(笑)。

ーー本作には、“晩ごはん”ではなく、“UFO”や“宇宙人”が登場します。服部さんも、UFO事件を調査する(※架空の)民間組織「URL」の一員を演じられていますが、オカルトにご興味は……?

服部:実は、オカルトは苦手なんです(笑)。子どものころは、怖いもの見たさでそういうジャンルのテレビを観たりすることもあったんですけど、歳を重ねて知識を得ていくうちに、UFOや宇宙人って、得体のしれないすごく怖い存在なんだと思い始めて……。この映画でも、UFOが女の子を連れ去るシーンがポイントのひとつなんですが、本当にありそうでゾッとしますよね……! あと、「キャトルミューティレーション」とかその分野の専門用語が多くて、セリフを覚えるのに必死でした(笑)。

 あ、でも私、UFOに関してはすこしふしぎな思い出があって。

ーーえ!? それはどういう?
 
服部:子どものころの記憶なんですが、実家のリビングにUFOの写真が飾ってあったんです。コルクボードに家族写真が何枚か貼られていたんですけど、その端っこに、雲の中にUFOが映っている写真があって……。気が付いたらなくなっていて、家族の誰かが撮影したものなのか、もらいものなのかもわからないんですけど、家族に聞いても正体は不明で、真相は今も謎のままなんです。

ーーUFOの写真……映画と、まさかの共通点! とはいえ服部さんは今作が映画初出演で、AKB48としての普段のアイドル活動とは違って、慣れないこともあったかと思います。撮影で苦労したことは?

服部:今までのお仕事で一番緊張したかも……って思います。いつものアイドル活動では、私、本番でもあんまり緊張しないんですよね。むしろリハーサルのほうが、スタッフさんなど多くの大人が目の前にいるので、緊張しちゃうんです。

 映画の撮影は、最初から最後まで監督さん、カメラさんたちの前で演技するっていう状況なので、ずっと緊張しっぱなしでした。舞台に立つときは、感情がスッとノるタイプなんですけど、映像は撮影もシーンごとに撮るので、感情の切り替えが難しかったです。

ーーAKB48としての活動のときとは違う、マインドセットの方法は?

服部:とにかく撮影現場では、何も考えないようにしました。「誰も私のことなんか見てない!」って思うようにしていたんですけど、カメラが回った瞬間、空気がピリッて変わるんですよ! 失敗している姿を見せたくないというプレッシャーから、空回りしちゃったことも……。

AKB48卒業を控えて、ファンに伝えたいこと

AKB48卒業の服部有菜が気づいた「人を幸せにする」ということの画像3

ーー昨年12月にAKB48からの卒業を発表され、今年5月に卒業を予定されている服部さん。アイドルとして初めて舞台に立たれたときのことを、今、振り返ってみると?

服部:AKB48のメンバーになって、初めて披露した曲が『会いたかった』だったんです。でも、ほとんど記憶に残ってないんですよ(笑)。実は、パフォーマンス中に靴紐がほどけちゃって、パニック状態になったんですよね……。ダンスをしながら結び直すタイミングをなかなか見つけられなくて、靴紐のことばっかり考えすぎて、1人だけ移動のタイミングを間違えたり、とにかくオロオロしまくっていたと思います(笑)。

ーーそこから場数を踏んで、本番に緊張しない服部さんに成長していったんですね。AKB48の活動で、特に印象深く残っている出来事は?

AKB48卒業の服部有菜が気づいた「人を幸せにする」ということの画像4

服部:チーム8での全国ツアーです。今考えれば、中学2年生で全国を回らせていただいたこと自体が、すごくありがたかったなって思いますね。デビューからたった1カ月後くらいに、いきなり東京ドーム公演の舞台に立たせていただいたことも、大きな経験になりました。

ーーAKB48加入からたった1カ月で東京ドーム……! すごい経験をされていますね。

服部:私は岐阜出身なので、東京ドームというか、後楽園に行くのも初めてのことで。AKB48にはけっこう自由で放任な風潮があって、アイドル未経験の新メンバーでも、レッスンが終わったら「とにかく一度やってみよう!」という感じなので、本当にいきなりでした(笑)。なので、めちゃくちゃ緊張しましたけど……いざ舞台に立ってみると、ファンのみなさんのペンライトの輝きや、熱のこもった声援など、すべてが本当に感動的な光景で。こんな経験をさせていただいて、本当に良い人生を送れたなと感じています。

ーーそんな初舞台から今まで、激動のアイドル人生だったと思うのですが、服部さんの支えとなったのは?

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服部:やっぱり、チーム8のメンバーの存在が一番大きかったですね。公演前に選抜メンバーを選出するオーディションがあって、16人に絞られたんですよ。私も選んでいただけて、そのあとすぐ、3日間くらい朝から晩までみんなで合宿をしたんです。各都道府県から東京に集まって、右も左もわからない、下は中学1年生の子から上は20歳までのメンバーみんながひとつの目標に向かって団結するって、なかなかないですよね。今振り返ると、そんな環境がすごく素敵だったなって感じています。

 初公演では、16人で『10年桜』、チーム8全員で『47の素敵な街へ』、オリジナル曲『制服の羽』の3曲を披露しました。これまでの人生の中でも、大切にしたい、忘れられない思い出のひとつです。

 チーム8はメンバーみんな仲が良かったですけど、パフォーマンスの面では、元メンバーの中野郁海ちゃんと横道侑里ちゃんはズバ抜けて本当にすごかったですね。先輩では、小嶋陽菜さんや木崎ゆりあさん、加藤玲奈さんのしなやかなダンスが好きで、参考にするためによく観察していました。

ーー最近の服部さんは、舞台やミュージカルでも活躍されてきましたね。

服部:初めて舞台作品に出演したのは、2021年の『マジムリ学園-蕾-RAI-』でした。正直なところ、どう演じたらいいかわからないし、とにかく人前で演じることが恥ずかしくて、「もう舞台はいい!」って自暴自棄のようになったこともありました(笑)。それでも、2回、3回と回を重ねるごとに、自分とは違う人間になれることの楽しさや、私らしい表現を見いだす喜びに目覚めたんです。

 21年~22年にはミュージカル『ジョン マイ ラブ-ジョン万次郎と鉄の7年-』に出演させていただいたんですが、そこでもすごく貴重な経験をさせていただいて。AKB48のライブパフォーマンスでは決められた振り付けがありますが、ミュージカルでは即興やアドリブもある程度、自由にできるんですよ。そういったところで、舞台っておもしろいなと思うようになりました。

 あ、でも、『ジョン マイ ラブ』ではめちゃくちゃセリフを噛んじゃった日があって……その公演の様子は、配信で残っちゃってます。きっと、おもしろい姿が観れると思います(笑)。

ーー約8年間のアイドル活動を終えようとしている今、率直な心境と、今後の活動についてお聞きできますか。

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服部:今年5月の卒業を決めたのは、チーム8の活動休止のタイミングなんです。私にとって8は、学校以上に時間を共にした居場所で、まさに“青春”そのもの。この8年間を振り返ってみて、私は「自分自身よりも、人を幸せにすること」に喜びを感じるタイプなんだって気づいたんです。誰かを笑顔にすることが好き。ここで得た「人を幸せにしたい」という目標に向かって、卒業後は“自立”していきたいと考えています。

ーーAKB48の自由な風潮とチャレンジ精神によって “自分らしさ”に気付けた服部さん。最後に、ファンのみなさんに伝えたいことをお願いします。

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服部:8年間アイドルとして活動してきて、ここ2、3年で多くの夢を叶えられました。雑誌の表紙グラビアや、舞台、それこそ今回の映画にも出演させていただけたりと、自分の名前がいろいろな作品に載ることがすごくうれしかったです。この映画は初めての映像作品なので、多くのファンのみなさんに楽しんでいただけたらなと思います。

 アイドル活動はもちろん楽しいですが、最近はAKB48としてではなく、1人の「服部有菜」として闘う機会も増えてきました。これまでアイドルとして培ってきた経験に加えて、別世界に挑戦してきたことによって、今の自分が出来上がったんじゃないかなって。卒業まであと4カ月ほどですが、みなさんへの感謝の気持ちを忘れず、残り時間もたくさんの思い出を作っていきたいです。

 この先も、目標に向かって挑戦し続けて、“自立”していく姿をお見せしていきます!

井之頭 こうしん(フリーライター)

1995年生まれ。対象を問わず何でも執筆するフリーライター。主に「人間」が垣間見えるインタビュー企画を担当。

Twitter:@k__gx88

いのかしらこうしん

最終更新:2023/02/03 19:40
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