ロングコートダディ、ニッポンの社長らマンゲキ6組が東京進出、次の注目芸人は?
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次は誰がリーダーとしてマンゲキを引っ張るのか?
2023年2月5日、大阪の劇場・よしもと漫才劇場(通称「マンゲキ」)に所属する若手芸人のマルセイユ、ロングコートダディ、シカゴ実業、ニッポンの社長、マルセイユ、マユリカ、紅しょうがが3月31日をもってマンゲキを卒業し、4月から活動拠点を東京へ移すことが発表された。
ロングコートダディは『M-1グランプリ2022』で3位となるなど近年は賞レースを賑わせ、ニッポンの社長は『キングオブコント』で3年連続ファイナリスト、紅しょうがも『THE W』で4度の決勝進出、マユリカは水着写真集が異例の即完を記録。話題性の高いコンビの東京進出が続々と決まり、お笑いファンの間では衝撃が走った。
それぞれ現在のマンゲキの看板的存在ということで、特に関西でお笑いを楽しんでいるファンからは「これからマンゲキはどうなるんだ」「次は誰がリーダーとして劇場を引っ張るのか」といった、期待と不安が入りまじる声がSNSでも見られた。
ミキ、霜降り明星の東京進出の衝撃度に近い
マンゲキは2014年12月のオープン以降、連日数公演がおこなわれ、若手芸人たちはたくさん場数を踏めることから、ものすごい勢いで、実力、人気を伸ばしている。
そういった環境面の充実だけではなく、今回のように看板芸人たちの東京進出も、世代交代や若手台頭という部分で大きな役割を担っている。マンゲキは体制を長期化させず、良い意味でスクラップ&ビルドを繰り返すことで、オープンから10年に満たないにもかかわらず、質、量ともに層を分厚くしていった。
とは言っても、ロングコートダディ、ニッポンの社長という現在のマンゲキを駆動させている両輪がそろって上京するのは、あまりに驚きが大きい。さらに、2組とともに大きな存在感を放っていたマユリカまで一緒に行くのは、やや想定外だった(東京進出は噂されていたが)。
2019年にはマンゲキの中核だったミキ、霜降り明星が同時期に東京へ行ったが、今回の各組の上京劇の衝撃度はそれに近いもの、いやそれ以上かもしれない。熱烈な支持をあつめていたコウテイが1月31日に解散したこともあり、劇場の勢力図はガラッと変わるだろう。
もちろん関西のテレビ事情にも変化がやってくるのは必至だ。ニッポンの社長は関西テレビ『お笑いワイドショー マルコポロリ!』でレギュラー、MBSテレビ『せやねん』でも月1レギュラーをつとめている。また紅しょうがも『真夜中市場+~ハイヒールの本音でイイすぎます~』ほか関西のさまざまな番組へ不定期で出演している。いずれも関西の若手芸人にとって欠かせない出世番組だ。
これからの出演についてどうなるかはまだ発表されていないが、遅かれ早かれそこにニューフェイスが食いこんでくることは間違いない。特に『せやねん』はこれまで、ブラックマヨネーズ、チュートリアル、千鳥、かまいたち、ミキらが出演。この「若手枠」に抜てきされる芸人はすなわち、ネクストブレーク最有力の証しでもある。
黒帯、kento fukayaの飛躍に期待
次のマンゲキのリーダー的存在、そして関西の人気番組にも顔を出してきそうな芸人は誰になるのか。SNSでも予想合戦がなされている。
よく見かける名前は、『M-1グランプリ2022』準優勝のさや香や同ファイナリストのカベポスターだ。たださや香はすでに『せやねん』、ABCテレビのニュース情報番組『newsおかえり』、サンテレビのバラエティ番組『バツウケテイナー』など関西でレギュラー番組を多くかかえており、またそのトーク力が高く評価されて全国番組の出演も相次いでいることから、東京進出は目前。劇場リーダーに就くには「売れすぎ」かもしれない。
カベポスターも全国のネタ番組にどんどん呼ばれはじめており、またマイペースな雰囲気もあることから、リーダーという感じではない気もする。『キングオブコント2022』優勝のビスケットブラザーズ、『THE W 2022』優勝の天才ピアニストも、現在の活躍状況から東京進出は時間の問題だろう。
そんななか、注目したいのは黒帯だ。大西進、てらうちからなる同コンビは、2009年4月に松竹芸能養成所に入所し、2010年のコンビ結成後は松竹芸能へ在籍。松竹時代は、当時同じ事務所だったさらば青春の光にかわいがられ、インディーズライブへの出演もすすめられたという(2021年1月1日配信のYouTubeチャンネル『黒帯会議』より)。ただそこでミキ、インディアンスらと共演して刺激を受け、吉本芸人へ強い憧れをいだくようになった。そして、「松竹におっても意味ないんかなあ。松竹あかんとかではなく」(同配信)と考えるようになったという。
2015年9月に吉本へ入り、マンゲキへ所属。『M-1グランプリ』も2018年から2022年まで5年連続準々決勝へ進出するなどして頭角をあらわしている。大物俳優のなんでもない日常がスクープされる『週刊誌』や、もし人を操れる能力を身につけたらどうするかなどを問いかけていく『もしも』など、観客の期待を高めてうまくスカすスタイルのネタが抜群におもしろい。
あと2021年、2022年の『R-1グランプリ』ファイナリスト、kento fukayaも飛躍が楽しみな存在だ。2022年11月にはマンゲキで1日7公演をおこなう主催フェス『kento fukaya FES.』を成功させた。また2022年5月からは、プロデューサーとしてアイドルグループ・ZiDol(ズィードル)のプロジェクトを発足(その過程を追ったYouTubeのドキュメンタリーも必見)。スーズの高見、マユリカの中谷、ニッポンの社長のケツ、紅しょうがの稲田美紀、男性ブランコの浦井のりひろを集め、持ち歌1曲にもかかわらず2023年2月28日には初のワンマンライブを大阪の大バコ、BIGCATで実現させるなど敏腕ぶりを発揮している。
見た目はスマートでオシャレ。さらに物腰が柔らかくて喋りも非常に丁寧。誰もが好感を持つ人柄のkento fukaya。ただ実は、マンゲキでも1、2を争う「変態」と言われている。振り幅が大きいキャラクターはスター性たっぷり。ZiDolでリクルート力の高さもみせていることから、次のマンゲキのリーダー格にふさわしいかもしれない。
看板芸人たちが東京へ行くのは、関西でお笑いを楽しむ者としては寂しい限り。ただその分、「次は誰が出てくるのか」と期待もふくらむ。
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