アベンジャーズのゲームがサポート終了、マーベルの“粗製濫造”の象徴か
#ゲーム #MCU
マーベル・コミックに登場するキャプテン・アメリカ、アイアンマン、ハルクなどのヒーローを題材としたアクションゲーム『Marvel’s Avengers』の公式サポートが、2023年9月30日をもって終了することが発表された。カスタマーサポートなどが終了するほか、ソフトの販売も終了する。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の映画『アベンジャーズ』をモチーフとして、多くのヒーローを操り、強大な敵と戦うこのゲーム。20年9月にPlayStation4、Xbox One、Windowsなど向けに発売され、その後PlayStation5、Xbox Sreies X/S版も登場した。
「世界的に大ヒットしたアベンジャーズのゲームとしてかなり期待されていた今作ですが、微妙にバグも多く、ストーリーなどボリュームもイマイチで、発売直後から評判はあんまり……でした。その後、追加コンテンツとして複数のヒーローが配信されましたが、結局盛り上がることはなく、早期のサービス終了となった形。はっきり言って失敗作だったと思います」(ゲームライター)
映画の世界では多数の大ヒット作を輩出しているマーベルだが、ゲームの世界ではそうでもないという。
「スパイダーマンを題材とした『Marvel’s Spiderman』シリーズは総じて好評ですが、それ以外のマーベルの家庭用ゲーム機向けのタイトルはあまりヒットしていないんですよね。どちらかというと、マーベルはスマホ向けのゲームに力を入れていて、こちらはかなり多くのタイトルが配信されています」(同)
マーベルの場合、大作のゲームよりもスマホ向けのライトなゲームの方が向いているとも言われている。
「マーベルはとにかくヒーローがたくさんいて、それらを大作ゲームの中で深く掘り下げて作り込むとなると、制作するための時間もお金もかかって仕方ない。でも、スマホゲームであれば、そんなに作り込む必要もなく、ヒーローをこまめに追加できる。マーベルが持つコンテンツを使って効率的に売り上げを出すには、スマホゲームの方が向いているんです」(同)
MCUでも多くのヒーローが登場しているが、このようなスタンスが、粗製濫造につながっているとの指摘もある。
「もともと劇場公開映画だけで構成されていたMCUは、2021年からディズニープラスで配信されるドラマシリーズが加わりました。これによって、作品数も一気に増え、新たなヒーローも多数登場するようになり、コアなファンたちは喜んでいます。しかし、一方でCGの劣化が囁かれることも増え、さらには制作陣の待遇の悪さが報じられたこともあった。つまり、ヒーローが増えるにつれて、作品のクオリティーが下がっているんですよね。この状況を打破するには、スタッフの待遇改善も必須なわけですが、それも簡単ではないと思います」(映画関係者)
MCUの作品については、26年くらいまでの公開スケジュールが一部発表されているが、それを実現できるかどうかも怪しくなっているようだ。
「20年以降、コロナの影響もあり、作品の配信・公開時期の延期は相次いでいます。現在発表されている今後の公開スケジュールも、基本的には延期されるものが多いであろうというのが、業界内の見方ですね。MCU作品の興収もどんどん下がっていて、これ以上クオリティーの低い作品を世に出せないという事情もある。さらには、『Marvel’s Avengers』のサービス終了のように、マーベル関連のネガティブなニュースが飛び込んでくると、余計に不安視する声が高まってしまう。
正直言って、このままの状況だと予定されている公開スケジュールを全部消化することなく、MCUが頓挫してしまう可能性もある。こういった状況に陥った背景には、マーベルの親会社であるディズニーの“金儲け主義”もあるのでしょうが、そろそろそういった部分をしっかり見直して、“作品主義”に回帰する必要があると思います」(同)
粗製濫造が指摘されたとしても、世界中にはマーベルのコンテンツを楽しみに待っている多くのファンがいる。彼らを悲しませないためにも、素晴らしい作品を生み出してほしい。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事