「どん兵衛」と「赤いきつね」が連携!?　創作うどん「たらこ」「クリーム」を食べ比べ

　今回は、和風カップ麺ブランドの2大巨頭である「どん兵衛」と「赤いきつねと緑のたぬき」から、ほぼ時を同じくして登場した「たらこ（明太子）」と「クリーム」を用いたタテ型カップ麺、日清食品の「どん兵衛 明太チーズカルボナーラうどん」と東洋水産の「たらこ味バタークリーム風うどん」をレビューします。

　どちらも創作うどんのジャンルの商品ですが、たらことクリームの入ったうどんというある種のニッチなフレーバーが同時期に発売されるのは偶然にしてはデキすぎています。おそらく示し合わせたか、意図的にどちらかがぶつけたものと思われますが、その意図通りに食べ比べてみたいと思います。

「明太風かまぼこ」とベーコンの相性は？　日清食品「どん兵衛 明太チーズカルボナーラうどん」

　まずは日清食品の「どん兵衛 明太チーズカルボナーラうどん」245円（税別）。和風カップ麺でありながらポップなパッケージデザインに、「明太」「チーズ」「カルボナーラ」を並べた、明太以外は和風とは到底思えない、創作色の強い商品となっています。

　日清食品の中でも歴史のある定番ブランド「カップヌードル」「どん兵衛」「UFO焼そば」は、時に”御三家”と並び称され、いずれも歴史がありながら流行に飛びつき取り入れる傾向が。中でも「どん兵衛」が最もファンキーでぶっ飛んだ商品が多い印象があります。「家系」「餃子」「グリーンカレー」と枚挙に暇がありません。

　チーズやクリームをベースにしたカルボナーラ風のスープに明太子風味を加え、太くてもちもち感の強いうどんに、「明太子風かまぼこ」、ベーコン、キャベツなどが合わせられています。

　なんといっても、具の明太子風のかまぼことベーコンが目立っています。「明太カルボナーラ」は居酒屋などでたまに見かけるメニューですが、明太カルボナーラはカルボナーラのベーコンを明太子で代用している場合が多く、どちらも香りが強い明太子とベーコンを共存させるパターンはあまり多くないのではないでしょうか。しかも麺はうどんだし。

　とろみのついたカルボナーラスープは、濃厚ではあるものの甘みや香りが極端に前に出てくることはなく、明太子の風味とうまく調和が取れています。浮いているパセリの風味とともにほんのりバターも香っており、カルボナーラと明太バターのハイブリッドでした。

　もうちょっとガッツリとチーズが感じられるとさらに「どん兵衛」らしいブッ飛んだ創作カルボナーラうどんになると思いますが、それでも、和風カップ麺ながら昆布だしやかつおだしの姿などまったく見えない、4コーナーを走るツインターボ師匠すら驚きを隠せないブッチギリの洋風スープでした。

　麺は、太くて縮れのついた油揚げ麺のうどん。いつもの「どん兵衛」のうどん麺より縮れがあって太く、もちもち感が強くなっています。縮れによってとろみのついたスープをよく拾って一体感があるため、スープだけでもヘビーなのに、麺と合わさって重量感がさらに増していました。

　カルボナーラには欠かせない存在のベーコンも量が多く、ベーコンらしい味と食感が楽しめます。では「明太風かまぼこ」との相性は……ベーコンのスモーク風味と明太子の風味に多少の不協和音があるような……。決して相性がいいとは思えないし、ハーモニーも奏でていませんが、仲良く喧嘩しているトムとジェリー風に味がある組み合わせのようでもあります。

　スープのカルボナーラ味と明太バター味の共存、そして具の明太子風かまぼことベーコンの組み合わせと、和風とはかけ離れていろいろと詰め込んだ賑やかな味でした。