『アメトーーク!』全盛期を彷彿とさせたサンド伊達の名言「コロッケはサラダですよ」
#アメトーーク!
1月19日の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)が行った企画は、「やっぱり!コロッケ芸人」であった。同番組が定期的に放送する“食シリーズ”の最新回である。コロッケで1時間トークするのだから、『アメトーーク!』もいよいよすごいところを攻めてきている。
あと、「コロッケ芸人」という字面で真っ先に思い浮かべる存在といえば、コロッケ好きで有名な浜田雅功(ダウンタウン)だろう。でも、さすがにキャスティングされていなかった。やはり、今回も“食シリーズ”でおなじみの博多華丸、ケンドーコバヤシ、伊達みきお(サンドウィッチマン)、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、秋山竜次(ロバート)が再招集されたようだ。
今夜のアメトーーク!は
『やっぱり!コロッケ芸人』▼先行ちょい見せ動画#アメトーーク#アメトーク pic.twitter.com/FMSEQfdSjf
— アメトーーク!(テレビ朝日公式)@ame__talk) January 18, 2023
いずれにせよ、こんなニッチなテーマなのに無駄にメンバーが豪華だし、華丸以外の面子が小太りなのも笑った(コロッケ好きだけに?)。
誤解しないでほしいが、ものまね界のレジェンドを愛好するコロッケの尊敬芸人回ではない。そっちじゃない。あと、コロッケ企画なのに台風シーズンに放送されなかったタイミング感からは、ピュアさが伝わってきた。
サンド伊達の名言「コロッケはサラダですよ」
“食シリーズ”でおなじみの面々とはいえ、取ってつけたようにコロッケ好きを名乗っているわけではない。みんな、ガチだ。
なにしろ、伊達は『サンド伊達のコロッケあがってます』(BS-TBS)なる冠番組を持っているほど。しかも、「深夜3時→夕方5時30分→夜11時30分→夜8時」と、回を重ねるごとにステップアップし、ついにはゴールデンタイムに到達した上り調子である。完全に、好事家のハートを掴んでいる。奇しくも、潜在的なコロッケ人気を表しているか?
そんな伊達が、さっそくいった。
「コロッケは太らないからね。コロッケはサラダですよ。だって、ジャガイモじゃないですか? ジャガイモを“サラダ”油で揚げてるんですよ。サラダ油ですから、サラダですよ」(伊達)
いきなり名言が出た。「コロッケはサラダ」。さらに、矢継ぎ早に「サラダ油で揚げる=サラダ。つまり、コロッケ=サラダ」と、意味のわからない理論を真顔で熱弁する伊達。さすが、伊達だ。
今回は、伊達のゼロカロリー論だけでなく、スタジオ内も自由だった。なんと、ひな壇の横にコロッケを収めるホットスナックが設置されていたのだ。コンビニじゃないんだから。
当然、収録が止まるとコロッケに群がる芸人たち。そのまま、スタジオ内でパクつくのだ。床へ垂らすわけにはいかないし、どうやらソースは用意されていなかったようだ。いや、それでいい。コロッケ芸人たちの顔を見て、再確認した。どう考えても、何もかけないほうがコロッケはおいしいと思うのだ。そんな筆者の認識に太鼓判を押してくれるような、芸人たちの至福の表情を見ることができた。
「食べ物の名前が付く芸能人とは?」で、コロッケが1位に
コロッケ芸人たちは、コロッケの良さをアピールしようと必死である。小杉が口を開いた。
「コロッケって、頭に何を付けても収まるってスゴないですか? 『肉コロッケ』、『野菜コロッケ』とか。これ、とんかつだとそうはいかないでしょ?」(小杉)
当たり前である。素材が豚肉のとんかつが「肉とんかつ」を名乗り始めたら、意味がわからない。なのに、コロッケ芸人たちは熱弁をやめないのだ。
「地名でも、どこでもいけるもんね? 『札幌コロッケ』とか『神戸コロッケ』とか、どこの土地でもいける。『インドネシアとんかつ』って言われても、イメージ湧かないでしょ?」(ケンコバ)
メチャクチャなことを言うケンコバ。そもそも、インドネシアはイスラム圏だから、とんかつは食べないはずだ。あと、頭に地名を付けるならコロッケよりラーメンだろう。しかし、そんな無理筋さえ熱意で押し切るのが、この日のコロッケ芸人たちだった。
彼らの士気を上げるべく、コロッケにどれだけ人気があるか証明するアンケートを番組は実施していた模様。たとえば、こんな設問があった。
「おやつか食事かで迷うモノは?」
これは、いいクエスチョン。かつて、ネット上で「コロッケはおかずか、おやつか?」の論争が起こったこともあったからだ。正直、「コロッケはおかずにならない」と思った時期が、筆者にはあった。「おやつコロッケ」という名前のコロッケだってあるし。しかし、もう一方で「コロッケ弁当の立場はどうなる?」という問題も浮上してくる。
さて、気になるアンケートの結果だが、「1位:パンケーキ、2位:肉まん、3位:バナナ」というトップ3に終わったようだ。
「バナナはおやつに入るんですか?」でおなじみ、バナナのトップは納得だけれど、だとしてもコロッケがランク外とは……。あと、1位を獲ったパンケーキの存在が解せない。筆者には、おやつとしか思えないのだ。朝食でパンケーキを食べる派が、幅を利かせたか?
是が非でも1位を獲りたいコロッケ芸人たちは、自ら設問を用意してきていた模様。華丸が考案したアンケートは、「食べ物の名前が付く芸能人といえば?」だった。もはや、コロッケが1位になるよう誘導するだけのアンケートでしかないな……。もちろん、同テーマでコロッケはダントツの1位を獲得している。以下が、上位陣の顔ぶれだ。
1位:コロッケ
2位:明石家さんま
3位:椎名林檎
4位:サンドウィッチマン
コロッケ(ものまねのほうの)は埼玉県新座市にコロッケのテイクアウト専門店「コロッケのころっ家」をオープンしたし、熊本にある実家は地域で人気のパン店だ。決して、コロッケとは縁遠くないコロッケ。あと、サンドウィッチマンは食べ物の名前というより、繁華街のキャッチ的な人がコンビ名の由来だと思う。
ケンコバ 「で、5位がライス?」
蛍原 「ライスは(票数が)0でした」
ライスからすると「投票してくれ~い!」という心境だろうか。あと、銀シャリがランクインしていなかったのも意外である。というか、このコーナーは一体なんなのか?
なぜ、お肉屋さんでコロッケは売られている?
いよいよ、コロッケ芸人たちが“おすすめのお店”を紹介してくれるらしい。
伊達がおすすめしたのは、サンドファンにはおなじみ「アライ精肉店」(東京都板橋区)だった。下積み時代から現在に至るまで、伊達がずっと懇意にしているコロッケ店。お店のロゴがメタリカをオマージュしていることでも有名なお肉屋さんだ。コロッケの価格は、1個110円。
続いて、ケンコバがおすすめしたのは「中村屋」(大阪府大阪市)だった。浜田雅功ぞっこんのコロッケ屋として全国区の知名度を誇り、店先には浜田の冠番組『ごぶごぶ』(MBS)のステッカーが大量に貼られている。コロッケの価格は、1個90円。
華丸がおすすめしたのは、「平和蒲鉾店」(福岡県福岡市)であった。このお店が売るコロッケの価格に驚愕だ。1個あたり70円なのだが、2個買うとなんと100円になるらしい。なんなの、その価格破壊は? 自分で作るとすごく面倒なコロッケを、こんなに安く売ってくれるコロッケ店には感謝である。
「なぜ、お肉屋さんでコロッケは売られている?」という疑問は、コロッケフリークの間でも根強い議題だろう。2020年1月31日放送『チコちゃんに叱られる!』(NHK)が、謎を解明してくれている。チコちゃんいわく、「洋食のコックさんがお肉屋さんに転職したから」らしい。
大正時代、洋食店のコックだった故・阿部清六さんは、「コロッケといえばクリームコロッケ」の時代に、おいしいじゃがいものコロッケを開発した。「いつか、自分の店を持ったら、このコロッケを看板メニューにしたい」と考えていた彼だったが、そんなときに関東大震災が起きてしまう。
洋食店を開業するには、いす、テーブル、従業員が必要。震災後に資金がなかった清六さんは洋食店をあきらめ、お肉屋さんを開店した。そして、そのお店で彼はコロッケを販売したのだ。自慢のじゃがいもコロッケは、たちまち人気商品になった。さらに、清六さんはコロッケの作り方を同業のお肉屋さんに公表、それが現在の状況へつながったという。
異論・反論あると思う。あくまで、これは1つの説と認識していただきたい。お肉屋さんの揚げたてコロッケを、購入直後に店先で食べる多幸感は筆舌に尽くしがたい。
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