オードリー“深夜番組からの脱却”で狙うバナナマンの位置
#バナナマン #オードリー
いささか旧聞に属するが、テレビ番組・CMのリサーチを行うエム・データによる「2022年TV番組出演ランキング」で、オードリーの春日俊彰が1位に輝いたのは、読者の記憶にも新しいところだろう。
春日の出演本数は597本で、この手のランキングの上位常連である2位のバナナマン・設楽統(590本)、3位の麒麟・川島明(547本)を抑え、2022年の15位から大幅にジャンプアップ。設楽が『ノンストップ!』(フジテレビ系)、川島が『ラヴィット!』(TBS系)でそれぞれMCを務めるように、ランキング上位者は出演本数を稼げる帯番組を抱えているのが常だが、帯番組を持たない春日の1位は特筆に値する。
「春日は2022年上半期の順位が設楽に続く2位だったことから、年間1位を目指すことを公言。9月以降に出演本数を急激に伸ばし、ランキング集計直前の11月には実に70本以上出演するなど猛スパートが奏功しました。この月は単純計算で1日に2本以上出演したことになり、露骨な1位狙いの出演本数稼ぎでちょっと大人げない気もしますが、裏を返せば帯番組に頼らずともそれだけ需要があるということ。大したものです」(芸能記者)
もっとも春日だけでなく、相方の若林正恭も昨年19位から4位(502本)と順位を上げており、オードリーはコンビ揃って躍進しているのだ。
この背景には、若林のMCとしての能力の高さがある。若林とオードリーが抱えるレギュラー番組のうち、若林個人としては『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)など4本、オードリーとしては『あちこちオードリー』(テレビ東京系)など6本でそれぞれMCを務めている。
つまり、若林の“MC力”のおかげでコンビの露出度が高まり、それに伴い春日の人気もますます上がったということだ。
「番組MCを務められるお笑いコンビであれば、冠番組などレギュラーが当然増えますよね。ダウンタウンが長らくお笑い界のトップの座に君臨しているのは、笑いの天才である松本人志の存在もさることながら、浜田雅功のMC力があってこそ、というのは誰でも知っていることです」(同)
ダウンタウンは別格としても、吉本の若手コンビ6組によるユニット「吉本印天然素材」の一員として東京進出を果たしたナインティナインが、いち早くユニットから頭一つ抜け出せたのは、顔芸や運動神経の良さを活かした岡村隆史のビジュアル的な笑いとともに、矢部浩之の達者な仕切りと回しによるところが大きい。
そして現在、この組み合わせの最強とも言えるコンビがバナナマンだろう。彼らは『沸騰ワード10』(日本テレビ系)など、7本のレギュラー番組を抱える売れっ子。もちろんサンドウィッチマンや千鳥、かまいたちなど、バナナマンよりレギュラーが多く、勢いで勝るコンビは存在するには存在する。しかし、バナナマンが抱えるレギュラーの多くがMCを務める冠番組で、ゴールデン・プライム帯の放送だ。安定感では他の追随を許さない。
「朝の情報番組を始め、アイドル番組やバラエティー番組など、多彩なジャンルに対応可能な設楽は二枚目であるだけでなく、お笑い芸人の枠を超えて当代随一のMCと言える存在。片や日村勇紀は若い頃こそブサイク芸人の代表格でしたが、インプラントで歯並びを矯正した近年は愛らしいキャラクターのようなビジュアルに。ナイナイ岡村やキンコン梶原にも通じる、ある種の“可愛らしさ”を感じさせます。顔芸やダンスが得意なのも共通していますね。MC力が高い若林と個性的なビジュアルの春日のオードリーもタイプこそ違えど、ナイナイやバナナマンと同じ系統のコンビと言えます。さらに日村も春日もロケ番組が得意なことも、プラスに働くでしょう」(同)
オードリーがMCを務める番組の多くは、深夜帯や地方局の放送であるのが現状だ。だがイケメンではないものの、好感度の高い若林とピンクのベストに七三横分けの髪型がトレードマークの春日によって、バナナマンの牙城が崩される日がそのうち訪れるかもしれない。
オードリー春日俊彰の「コント」と私たちの15年間
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(11月13~19日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。 春日俊彰「一生ネタ帳なんて作ることはないんだよ」 ...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事