前園真聖、本並健治…テレビ界の“元アスリート枠”がサッカーだらけで野球が消えたワケ
#野球 #サッカー
テレビ界で完全に1つのキャラとして定着した「元アスリート枠」。バラエティ番組や情報番組、報道番組まで、あらゆる番組に必ず1人は元アスリートがいるような状況だが、近年目立つのが元サッカー選手の活躍だ。
前園真聖、中澤佑二、大久保嘉人、本並健治などが毎日のようにテレビに出ており、昨年限りで引退した槙野智章もさっそくテレビに出まくっている。サッカーと人気を二分する野球出身者で元気なのは長嶋一茂ぐらいだが、いつから勢力図が変わったのか。
「大きな理由は、プロ野球中継が地上波から消えたことでしょう。かつて巨人戦が毎日中継されていた頃は、セ・リーグの主力選手の名前は一般常識でしたが、今や野球中継はBSや有料放送で見る時代。MVPを取るような選手でも、一般層から見れば、誰? という状態です。巨人のスタメンクラスでも、全世代的な知名度があるのは坂本勇人と中田翔ぐらいでしょう。
それに対してサッカーは、W杯なら予選から地上波で放送されますし、オリンピックというイベントもある。普段のJリーグ中継は見向きもしない層にも、4年に1度のW杯で選手の顔や名前が浸透するので認知度は野球よりも高く、それが引退後のタレントとしての価値につながっています」(広告関係者)
情報量では、キャンプさえニュースになる野球が圧倒的に上だが、知名度UPには“短期集中型”のサッカーのほうが効果的なよう。もっとも、引退後の生活がサッカー選手のほうが恵まれているかといえば、それはまた別の話だ。
「プロ野球は歴史が長く、ビジネスとしても巨大で、引退後の受け皿が整っています。一流選手であれば、引退すれば即、コーチや監督の道が用意されますし、解説者として新聞やテレビ局と契約を結び、外から野球を見る手ある。名球会に入っていれば野球教室などの仕事もありますし、球団の親会社に入るようなパターンもある。完全にタレントになると球界に戻るのが難しくなるので、そのバランス感覚には気を遣うでしょうね。
一方のサッカー界は、指導者になる場合はライセンスが必要で、引退した選手がすぐにJリーグの監督になることはできません。また、野球に比べれば監督やコーチの報酬も安い。先日、日本代表の森保一監督が年俸2億円で2年契約を結んだと報じられましたが、それは例外中の例外。引退後にサッカー界に残っても大して稼げないなら、“いっそ芸能界で”と考えるのは自然な流れです。
子どもの間では今やスポーツと言えば野球よりもサッカーで、今後はこういった図式が変わるかもしれませんが、サッカー選手のセカンドキャリアは、サッカー界が抱える大きな問題。平均年俸や生涯収入は、まだまだ野球に軍配が上がるのが現実です」(フリーのスポーツライター)
野球選手もサッカー選手も、引退してから本当の勝負が始まるのかもしれない。
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