『真・事故物件パート2/全滅』「Jホラー」が爆炎をあげるスゴクヒドイ内容
#映画 #ショウムライター
しかしまあ真っ向から正面切って正々堂々威風も堂々に斯様なナニ或いはソレを画面一杯にデカデカと見せつけられると最早清々しい気分ですらある。ショウムライターに於けるマスターであるサイゾー諸氏が出資した監督のベーション(だとおっさんは解釈したしそれは本当に余りの清々しさに爆笑してしもうたし折角お供に飲ろうと思っていたビールの存在すら忘れ画面にかぶりつかんばかりの勢いであった)。
一作目である『真・事故物件/本当に怖い住民たち』と続けての鑑賞であった訳であるが、これって一作目の構想の段階から二作目である当記事主題の『真・事故物件パート2/全滅』をあんな風にめちゃくちゃにやり倒すつもりだったのだろうか。
連綿と続くJホラーのツボを押さえつつ敬意も払いつつあらぬ方向へ大胆に舵を切ったかと思えばその瞬間、ド派手に脱線脱輪大爆発をカマしいいぞもっとやれであった一作目からの続編は、台無しにした(持ってった)「Jホラー」と「事故物件」という「主題」そのものが濛々と爆炎を上げる中で輪を囲んで踊り狂うと言う様な内容であったのだ。
何かこの手のグチャドロホラーコメディって久し振りだなと嬉し懐かしであり、ピークポイントを使い回す所謂お約束的な手法なんかは「みなさんのおかげです」的でもあり「ごっつええ感じ」的でもあり勿論古くはドリフそして歌舞伎なんかの世界にも通ずる「よッ! 待ってました!」が手を変え品を変え(殆ど同じではあるが)ちゃんと訪れる安心感と爽快感があり、物語は「トッカーナ(TOCANA)」や「オカムロさん(同配給会社の作品)」や業界に対する皮肉或いは自虐とも取れる等のメタフィクションも散らかしつつ迷走と暴走の混迷を極めて行く物の、一作目でしっかりと名キャラクターを発明し今作ではそちらが更にしっかりと描かれており、上述したJホラーと事故物件と言う主題とはブン投げるがそう言った「キャラ物」としての主題はブレずであったので、その感覚に余り類を見ない新鮮さを覚えた次第。
キャラ物としてはそもそも一作目の主人公が「制服+パーカー」で二作目の主人公が「チア服+スカジャン」という、特に後者(しかもスカジャンのブランドがハードコアチョコレート)についてはスタイリスト目線で観てもめちゃ上手いなと思った。(#サトヤスタイリスト)
内容はヒドイのだが躍動する主人公がそうであるだけで映画はポップに映るのだ(中身も行き過ぎているとは言えポップだしね)。
そして取り沙汰されているのは劇中歌の多さとそのタイミング。基本音楽が鳴りっ放しである事と会話のシーンでたまに、容赦なく日本語詞が同時に放り込まれるというユーザーアンフレンドリーな特殊仕様には面食らったが、まあこれも新鮮味が個人的には勝った。という事とそもそも本作の会話の殆どは軽薄な者同士の軽薄な会話だったりするのでそこに物語上重要な情報が特に無かった(であろう)事もその結果に一躍買った由縁だ。あと曲がやたらとカッコ良かったのでサントラ聴きてえす(本当はこれが一番の理由)。
またその他諸々の手法と作風で想起される園子温監督との関係性についてだが、何が由縁かは知る由もないがこれについては基本長尺を好む傾向がある様に思える園監督とは真逆の短さである点でおっさんは特に気にならなかった。むしろ思い出したのは、短尺でやりたい事やり倒してグチャドロにしてはい終了! というかつて「ごっつええ感じ」内で放送されていたショートアニメ「きょうふのキョーちゃん」なんかを思い出し、もしも劇中にあった皮肉と自虐が監督本人の私的な所であるのならば、色んな題材(人物)を”せーの!”するショートフィルムがスピンオフとして観たいなあなんて妄想が膨らんだが、きっとサイゾー諸氏にそんな金はないであろうし、おっさんにも、ない。
いやはやまさか過去記事にて本作プロデューサーの叶井俊太郎氏と
にて一度対談させて頂いた後に「事故物件を題材にしたスゴい映画を作ってるんだよ」なんて話を軽く聞いていたのだが、まさかここまでスゴクヒドイ内容だったとは。
もしもシリーズが続くなら、何かしらの形でおっさんも一枚噛みたいです。お願い申し上げます(出来れば出資以外で笑)。
という訳で一作目『真・事故物件/本当に怖い住民たち』はAmazonプライムやU-NEXTやHuluなど各種配信サイトにて展開中(Filmarks調べ)で二作目『真・事故物件パート2/全滅』は絶賛(絶惨)公開(後悔)中。上映終了後もさっさと配信に上げて貰ったらジワジワ人気になる様な気がしてますし名画座がこぞって応援上映とかで掛けて欲しいなと思ってます。
そしたら今度こそ、おっさんはお供にビールを飲ろうと思う。
そして映画終わりでもう一杯。肴は勿論、内臓系で。
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