キスマイ・藤ヶ谷のクズぷりをより感じる… 映画館の価値を再確認する新作たち
#ヒナタカ
5:『レジェンド&バタフライ』1月27日公開
木村拓哉が織田信長を、綾瀬はるかが正室の濃姫を演じる.。『るろうに剣心』の大友啓史が監督を、『コンフィデンスマンJP』の古沢良太が脚本を手がける。さらに総製作費20億円が投じられ、東映70周年を記念して送り出されるという、とてつもない布陣のビッグプロジェクトだ。その甲斐あって、作り手や役者陣の「本気」ぶりを隅々まで思い知らされる内容だった。
劇中では、最悪な出会い方をした信長と濃姫の関係が少しずつ、しかし着実に変化をしていく様が描かれる。そして、「魔王」と恐れられるほどの信長の暴虐ぶりも容赦なく、しかし「人間としての当たり前の感情」も同時に示される。とあるネタバレ厳禁の「攻めた」解釈と展開もあり、物議も醸すかもしれないが、それこそが最大の美点でもあった。168分と上映時間は長めであるが、それだけの贅沢な尺をもって、それぞれの生き様を映画館で体感することに意義がある。
6:『金の国 水の国』1月27日公開
2017年「このマンガがすごい!」で第1位を獲得した岩本ナオの同名コミックの劇場アニメ版。「箱入り娘のようで実はたくましいぽっちゃり体型のお嬢様」と「お調子者のようで実は聡明かつ誠実な長身で三白眼の青年」という2人が、敵対国の思惑に巻き込まれ、偽りの夫婦を演じるうちに愛が芽生えていく様が描かれており、この関係性で考えうる尊みを120%大放出してくれていて五臓六腑に沁み渡ったので、「ありがとうございます」と拝みながら観ていた。
重要なのは、良い意味で夢いっぱいの冒険ファンタジーではないということ。(デフォルメもされているが)リアルな国家間の緊張がある最中に、優しい人たちの行動が何かを変えていく物語なのだ。少し話が難しいとも言えるが、小学校高学年くらいから十分理解できるだろうし、現実のあれこれを連想して考えられることもあるだろう。背景美術は細部まで描き込まれており、スクリーン映えする展開や画もふんだんであるので、ぜひ映画館でこそ観てほしい。
7:『バビロン』2月10日公開
『セッション』や『ラ・ラ・ランド』で絶大な支持を得るデイミアン・チャゼル監督が、1920年代のハリウッドの「狂乱」を描く。何より特徴的なのは、R15+指定がされることも当然な過激な表現の数々。ブラッド・ピットやマーゴット・ロビーを筆頭とした豪華役者陣による、「こんなことまでやるの?」と思うほどの人物描写も見所だ。
もちろん、映画業界を描いた映画だからこそ、映画館のスクリーンで観ればより劇中の出来事との「シンクロ」を感じられるはず。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』にも近い、ハイテンション&ブラックユーモアで189分という長い長い上映時間中、ずっと疾走するような映画体験にこそ意義がある。そのあまりに極端な描写の数々、はたまた「しっちゃかめっちゃか」な作風のためか、本国では賛否両論の評価となっているが、個人的にはチャゼル監督のぶっちぎり最高傑作だ。
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