低視聴率で打ち切り寸前と騒がれた『新しいカギ』が隠れた人気番組になった裏事情
#新しいカギ
「大爆死」「打ち切り間近」などネットニュースで過激な見出しが躍っていた時代、その多くは世帯視聴率を見てのものだった。だが、今や番組の人気は個人視聴率もしくはコアターゲットの支持、さらには「TVer」などの再生回数など、さまざまな指標で測られるようになっている。一時期、その世帯視聴率による批判の矢面に立っていたのが、若手芸人を集めたバラエティ『新しいカギ』(フジテレビ系)だった。
「たとえば世帯視聴率4%と聞くと、もはや絶望といった感じがしますが、その成分比を冷静に見ると、どの層がリアクションしているのかがきちんとわかります。つまり、ネットニュースによる“煽り”と番組制作者の危機意識は、時に乖離していることが多いのです。たとえば、プレスリリースで“世帯・個人含めて横並びトップ獲得”と喧伝している番組もありますが、コアターゲットを独占していたり、若年層からの圧倒的支持を得られているのは別の番組だったりします。かつて低視聴率で打ち切り寸前といわれた『新しいカギ』も、同じことがいえます」(テレビ業界関係者)
その論拠は、いったいどこにあるのだろうか。
「2021年10月16日のオンエアの視聴率は、世帯4.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)、個人2.8%。そして、C層(男女4~12歳)は3.5%でした。これが、たとえば22年5月14日のオンエアでは、世帯4.6%、個人3.1%、そしてC層は4.7%と上向きです。ちなみに、スポンサーが重視するといわれるF2層(女性35~49歳)も21年10月16日が4.7%、22年5月14日も4.6%と安定しています。また、22年10月15日放送の2時間スペシャルは世帯4.0%、個人3.0%。そしてC層は5.8%と、地道ではありますが、きちんとファンを増やしていることがわかります」(同)
同日の他の番組はどうだったのだろうか?
「『ジョブチューン ~アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)は世帯5.5%、個人3.5%。C層は2.4%でした。『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日系)は世帯7.1%、個人4.0%。肝心のC層は1.4%、T層(ティーン)の13~19歳も0.9%。番組コンセプトとしてはこうした世代にリーチできないと意味がないのですが、まったく響いていないのが皮肉です。
『嗚呼!!みんなの動物園』(日本テレビ系)は世帯9.1%、個人5.4%ですが、C層は4.7%。また、この日の日テレは『世界一受けたい授業』がなく、『1億3000万人のSHOWチャンネル』が1時間繰り上げ放送されていたのですが、世帯8.7%、個人5.4%、C層は3.1%でした」(同)
つまり、こうして見ると、『新しいカギ』は世帯・個人でこそ後塵を拝しているが、男女4~12歳のC層では同時間帯トップを獲得していることがわかる。
「子どもウケするというのは非常に大きな武器でもありますし、平均的にどの層にも見られている番組より、営業をかけやすく、またスポンサーの食いつきが良い。日テレでいえば『有吉の壁』『THE突破ファイル』『世界の果てまでイッテQ!』、また、『新しいカギ』と同じフジテレビでいえば『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』などが挙げられます」(同)
つまり、実は『新しいカギ』は“優良物件”ということになる。その人気の秘密は何なのだろうか?
「コントの数は減る一方で、レギュラーメンバーが学校を訪れ、生徒とかくれんぼで勝負する『学校かくれんぼ』や、“絶対王者”チョコレートプラネット・長田庄平と繰り広げる水上バトルゲーム『OTOSE』などの新企画を次々と投入し、とにかく体を張って、見た目一発で笑いを取れる番組にシフトしているようです。もちろん、それまでの我慢比べ対決コーナー『マジガマンMG5』、ドラマの番宣ゲストもからめられる『クイズ作家ヤノとヒダカの楽屋横断ウルトラクイズ』などは残しつつも、とにかく笑いに特化しているのが徐々に浸透しつつあるのかもしれません」(同)
隠れた人気番組になりつつある『新しいカギ』は、どこまで快進撃を続けられるだろうか。
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