ドラマ『インフォーマ』制作発表試写会に連なる「戦友3人の物語」
#森田剛 #桐谷健太 #Netflix #沖田臥竜 #インフォーマ #佐野玲於
「2分はしゃべるからな」「お手柔らかに……」
映像の世界とマンガの世界の違いは、私が一番理解していた。それでも粘り強い交渉を続け、さまざまな条件をクリアし、何とか小学館の電子コミックプラットフォーム「マンガワン」でのマンガ化を私が決めてきたのだ。
私に入るギャラは、ネームを細かくチェックし、監修をすることも込みで、200~300万円スタートの計算になった。さらに人気が出れば、跳ね上がる可能性は十分にある。個人の200~300万円と組織の2000万円である。この材料を引き下げ、私はカンテレの管理職の人たちと席につき、「私は金はいらないので、ジョニーのラトロンにオーバーしてしまった2000万円をどうにかして、監督が予算を気にせず撮影のできる状況を整えて欲しい」と交渉したのだ。
私とて金は欲しい。それでもスタッフのことを考えたのだ。なのに摩訶不思議なことが起きたのである。ジョニーが私に対して感謝しないのだ。豊福さんからは、挙げ句、「沖田さんが1円も貰わないというのは、こちらとしてもやはり気がひけます。上回った制作費もラトロンにちゃんとお支払いできるように整えますので、少しでも原作料をもらってもらえませんか」と言われたので、そこまで言われれば、私とて頑なに断る理由はない。「では、気持ちよくいただきます、ところでいかほどですか?」と尋ねた。最低でも1年半はマンガ化の仕事にかかわる対価である。
「20万でどうですか?」
私は耳を疑った。これだと、ひと月10000円ほどの計算である。いらないと言いながら、くれるというので、ではもらいましょうか。で、20万円。ネタとしてはかなり面白いではないか。そこから、私はドライブがかかっていったのであった。
ただ誤解しないでほしい。私は豊福さんとジョニーのことは、戦友と思っている。だから、どんなことでも言い合えて、笑い合える同士なのだ。
そんなこともあったので、14日の記者会見についても、
「で、オレが何をしゃべってもどうせテレビじゃカットするんやろう。自己紹介だけでオレは2分はしゃべるからな」
と伝えると、2人とも「お手柔らかに……」といいながら、コロコロと笑ってくれたのであった。
豊福さんとジョニーと私。『インフォーマ』の撮影期間中、3人のサイドストーリーで一冊書き上げられるくらい、思い出がたくさん誕生したのだった。振り返ってみても、2022年の夏、藤井組率いるインフォーマの撮影現場は、日本で一番、熱い夏だった。
追記
私のTwitterのアカウントでも投稿しておりますが、インフォーマの制作試写会に当選されなかった皆様にも喜んでいただけるように、プロデューサー陣とサプライズ企画を練っております。また当選されたかたにも私のほうからプレゼントをご用意させていただいておりますので、皆様で「インフォーマ」を盛り上げていただけたら嬉しい限りです。
(文=沖田臥竜/作家)
小説『インフォーマ』
沖田臥竜/サイゾー文芸/税込1320円
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週刊誌記者、三島寛治の日常はひとりの男によって一変させられる。その男の名は木原慶次郎。クセのあるヤクザではあったが、木原が口にした事柄が次々と現実になる。木原の奔放な言動に反発を覚えながらも、その情報力に魅了された三島は木原と行動をともにするようになる。そして、殺人も厭わない冷酷な集団と対峙することに‥‥。社会の表から裏まで各種情報を網羅し、それを自在に操ることで実体社会を意のままに動かす謎の集団「インフォーマ」とはいったい何者なのか⁉パンデミック、暴力団抗争、永田町の権力闘争、未解決殺人事件…実在の事件や出来事を織り交ぜ生まれた「リアル・フィクション」の決定版!
ドラマ『インフォーマ』
2023年1月19日(木)スタート 毎週木曜深夜0時25分~0時55分(関西ローカル)/見逃し配信:カンテレドーガ・TVer/Netflix全世界配信(先行配信中)
公式サイト https://www.ktv.jp/informa/
ドラマ『インフォーマ』予告映像
桐谷健太演じる主人公で、裏社会・政治・芸能など、あらゆる情報に精通するカリスマ的情報屋“インフォーマ”木原慶次郎と、佐野玲於(GENERATIONS)演じる週刊誌「タイムズ」記者・三島寛治が、警察・ヤクザ・裏社会の住人たちを巻き込み謎の連続殺人事件を追うクライムサスペンス。事件の背後に存在する謎の集団のリーダーで、木原の因縁の相手となる男を、事務所移籍後初のドラマ出演となる森田剛が演じる。
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