『THE FIRST SLAM DUNK』は映画館だからこそ成立する
#SLAM DUNK #ショウムライター
鑑賞前の予習と言う事で原作を読み返しながらその時分は少年であった、運動嫌いなのにも関わらずスラムダンクに多少なりともの憧れがあった事と幼馴染のてっちゃんが入部したからってんで俺も入部した挙句まんまと練習について行けず幽霊部員となり唯一、出場の機会を賜った試合ではいきなりのバックパスをぶちかまして(こちら反則行為でして詳しくは検索下せえ)それ以来2度とボールに関わる事だけはすまいと心に固く誓ったそんなおっさんは改めて思ったんですよ。「こんな試合、実際に観てみてえなあ。」と。だってすげえんだもん特に海南戦と陵南戦と山王戦。
そんな淡い願いが本作にて実際に叶えられるとは一体、誰が予測出来た事か三井寿(akaあきらめの悪い男)加入に至る大騒動で牧よりも赤木よりもこいつの方ほうがフケてるぞでお馴染みの鉄男(akaじゃなスポーツマン或いはモップはてめえが)が言う所の、
「ハハッバカめ!! マンガとはちがうぞ」
は、本当にそうであったのだ。なんだ鉄男お前喧嘩とバイクだけじゃなく未来予知まで得意だったのか。
そう、当作は「マンガ」とは「ちがう」のだ。あらゆる意味に於いて。
取り急ぎこの映画に関わって下さった全ての方々にありがとうございましたと申し上げたいのだもうね、あれです原稿料は制作陣に献上したいです嘘です本作を反芻しながら飲む美酒に使わせて頂きます多謝と陳謝。
「こう来るか」に始まり、「そう来たか」にて着地を決める本作。昨年頭に書いた『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の時と同様におっさんは事前情報を遮断するのに必死だったし、オフィシャル側からあらすじについての言及が公開までほぼ一切なかった(公開してからも本当の本当に最小限に留められていた)事もなんだか近しい感じ。
ではあるのだが「どうやらあの一幕の映像化となるらしい」事は何となく聞き齧ってはいたものの、そこはまあ順当に考えりゃそれ以外有り得んでしょうつう事で溜飲を下げつつ後はオープニングテーマはbaadでもZYYGでもなくThe Birthdayでエンディングテーマは大黒摩季でもWANDSでもMANISHでもZARDでもなく10-FEETである事はスンマセン目にしちまったもんでなのとやっぱ当方、音楽好きなもんでしてその事実を消す事が鑑賞当日まで出来ませんでした、という事前情報を元に滑り込んだはブクロのグラシャン最上階(池袋のグランドシネマサンシャインの最上階のシアター12は都内最大級のIMAXシアターを有しておるのです※執筆当時)。
つうか、上記の情報即ちどの一幕が描かれるのかそして誰に焦点が置かれているのかは、オフィシャルホームページに掲載済の内容なのでそちらをご覧頂くとして(とは言えオフィシャルの閲覧は、鑑賞後を推奨したいしおっさんはそうした)、とにかく冒頭に記した通り「マンガとはちがう」と思わされたのはこれ、マンガのアニメ化ではなくマンガの立体化と言った方が正しかった所。
雄々しい線画の迫力そのままのキャラクターがグリグリ動くというよりはその、キャラクターを立体的に映すカメラがグリグリ動くという逆転のやり方により生まれた新たな映像体験。
そして試合の中心となるボールの行方をダイナミックに追いつつマンガやアニメにある時間進行の概念の無視を極力扱わず、キャラの心情描写や珍プレー好プレーの数々がほぼリアルタイムの同時進行として描かれている点。これが映画というよりシミュレーター型アトラクションに近い見せ方であった、という意味でもやはりアニメ化ではなく立体化と表現するのが正しい所ではないだろうか。
何が1番の立体化でありシミュレーター型アトラクションだったかと言うと、物事がアツく展開される様に「息を呑む様な」だとか「呼吸をする事さえ忘れる様な」なんて言い方が存在するのは広く知られる所であるが、劇中終盤で本当に上記をそっくりそのまま文字通り半強制的に体験させられるという所。これは、これだけは映画館で体験すべきだと思った。
ソフト化以降ではちと考えられない映画館という密室と暗がりと不特定多数の集まりを有する空間だからこそ成立する、鮮やかなる集団陶酔。もう一度言うが、これは、これだけは映画館で体験すべきである。言い換えればそれは同調圧力に屈する事でしか生まれない快楽。これはもう、たまんない。
つう訳で本稿で伝えたい事は映画『THE FIRST SLAM DUNK』が只今公開中という事でありそれはマンガとはちがうと言う事でありそれを観る前にはトイレに加えて深呼吸もしておいた方が良いと言う事でありそれの記事化をネタバレなしで頑張った俺をもっとホメてくれと脳内の福田吉兆が言っていますよと言う事であり、
そしておっさんのバスケの得意プレーは、バックパスと言う事である。
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放送作家の深田憲作です。 「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載...サイゾー人気記事ランキングすべて見る
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