『はじめてのおつかい』撮影に関する噂とは?世界で話題&唯一無二の番組の裏事情
#日本テレビ #アレのどこが面白いの?~企画倉庫管理人のエンタメ自由研究~
放送作家の深田憲作です。
「企画倉庫」というサイトを運営している私が「あの企画はどこが面白いのか?」を分析し、「面白さの正体」を突き止めるための勉強の場としてこの連載をやらせてもらっています。
今回のテーマは「『はじめてのおつかい』について」です。
『はじめてのおつかい』は日本テレビで定期的に放送されている特別番組。幼い子どもの人生初めてのおつかいを撮影する番組です。1月7日に最新作が放送されていましたが、この番組は1991年に始まり、30年を超える長寿番組です。昨年Netflixで世界配信され、海外でも話題となったようです。テレビマンならずとも「素晴らしい企画」という認識は持たれていることでしょう。
では、具体的にどこが面白いのか? 細かく考えてみたいと思います。
まず言えるのは、『はじめてのおつかい』はここでしか見ることが出来ない唯一無二のドキュメンタリーであることだと思います。テレビの世界には数多のドキュメンタリー番組がありますが、密着されるのは基本的に大人。そのため、プライベートに密着していたとしても、それはあくまで「カメラの存在を意識したうえでの素」なわけで、100%の素を撮影することは出来ません。それがこの番組の密着対象は、カメラの存在に気づかない幼い子ども。100%素の子どもを撮影しているわけです。このリアリティーや生々しさは大人が密着対象のドキュメンタリー映像では出せないものです。
そして、ドキュメンタリーでありながらも、このおつかいはテレビだからこそ出来るものであるという側面もあります。普通、幼い子どもにおつかいに行かせるのはリスクが伴います。交通事故、迷子などのリスクです。事実、このご時世に小学校入学以前の子どもに、1人でおつかいに行かせる家庭はあまりないでしょう。『はじめてのおつかい』は尾行するカメラマンやスタッフが子どもの安全を確保するからこそ出来るわけです。
ここでのおつかいは、出演する子どもだけでなくその親にとっても貴重な体験ですし、それが映像として残るのは人生の宝物のはず。『はじめてのおつかい』に我が子を出したいと思う方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。この「出演者が得をする」「出たいと思う人がたくさんいる」というのも素晴らしい企画の要素の1つだと思います。安全面や見え方で出演者が損をしてしまう番組だと、出演者の確保が難しくなってしまいます。特に一般の方がメインとなる番組だとなおさらです。
噂によると『はじめてのおつかい』はかなりの数の撮影をした中から、展開がより面白くなったものを放送しているそうです。ということは、出演したい人の数が減ればクオリティは下がっていくということ。「出演者が得をする」「出たい人がたくさんいる」という部分でも『はじめてのおつかい』は優良な企画と言えると思います。
大人から見ればただのおつかいですが、子どもにとっては大冒険。親から告げられた買い物の内容を覚えるのも、目的地に迷わず到着するのも至難の業。安全は確保されていながらも、おつかいの道中では様々なトラブルが発生します。視聴者は親目線で常に緊張感を持って子どものおつかいを見守り、いちいちハラハラさせられます。「ハラハラ」という言葉を使いましたが、この番組で感じるハラハラは、他の番組を見た時に感じるハラハラとは異質のものだと思います。母性や父性から湧き出るハラハラというか、それは温かい感情のような気がします。
そして、「笑いあり涙あり」という言葉がありますが、この表現がぴったり当てはまる番組です。ハラハラドキドキしながら見ていたら、時に子どもの言動に笑ってしまったり、時に感動して涙してしまったり。先述したようにこの番組は混じりっけなしのドキュメンタリーですから、演技は一切ありません。100%素の子どもの言動だからこそ、純粋に笑えて、感動も出来てしまいます。この番組を見終わった時に感じる読後感は、他の番組では味わえない、まさに唯一無二のもの。今後、いつまでこの番組が続いていくのか分かりませんが、扱っている内容が世代も国も超えた普遍的なものなので、今のところはいつまででも続いていくような気がします。本当に素晴らしい企画だと思います。それでは今日はこの辺で。
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