トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 飲用てれびのテレビ事始め2023

井桁弘恵のブランディング、千鳥大悟とヤギと子ども…飲用てれびのテレビ事始め2023

井桁弘恵のブランディング、千鳥大悟とヤギと子ども…飲用てれびのテレビ事始め2023の画像1
『ヤギと大悟』(テレビ東京系)TVerより

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月1~7日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。

ダイアン・津田「顔認証でけへんようになったやないか!」

 2023年、最初の1週間のテレビ番組について感想を列記したい。1日の『新春!爆笑ヒットパレード2023』(フジテレビ系)。ハイヒールが漫才をしたあとにダウ90000がコントをし、そのあとに「クズ80000です」と岡野陽一&山添寛(相席スタート)の中継がはじまる。そんなおせち料理的というか闇鍋的な生放送は、ハレの日に見るのにふさわしい。

 強いインパクトを残したのはダイアンの津田篤宏。実家に突然電話をかける企画に失敗して顔に墨を塗られ、再チャレンジしようとスマホを手に取るも「顔認証でけへんようになったやないか!」の咆哮は笑った。あと、ランジャタイとのコラボネタの反響ゆえか、この年末年始は「ゴイゴイスー!」を連発するあまり、変なタイミングで叫ぶ津田を何度か見た。たとえばダーツを投げるときに「ゴイゴイスー!」。次はどんな無茶なとこでスーを差し上げるのか楽しみだ。

井桁弘恵「こっちにもブランディングっちゅうもんがあるんや!」

 旧年に話題になったタレントがその年の振り返り的に登場する(そして一部はその後あまり見なくなる)と同時に、新年で一層の活躍が見込まれる人たちが開幕ダッシュとばかりに露出を増やす。そんな切り替わりの光景が年末年始の特番には見られると思っていて、たとえば今回、女性タレントでいえば、あの、村重杏奈を後者の例でよく見た気がする。

 一方、出演数は多くないものの強い印象を残したのが井桁弘恵。1日の『ロケバナシGP』(TBS系)では、大阪・西成のロケで“洗礼”を浴びた彼女が「こっちにもブランディングっちゅうもんがあるんや!」などと啖呵を切っていた。もちろん演技である。が、「モデルさんor女優さんがここまでやってくれる」にバラエティ好きはめっぽう弱い。2023年はいろんな番組に呼ばれそうな雰囲気だ。それが彼女のブランディング的にどうなのかはわからないが。

アルピー・平子「三島という親友ができました」

 2日の『千原ジュニアの座王』(関西テレビ)。いつもの関西ローカル&深夜帯の放送とは違い、全国ネット&プライムタイムでの放送だが、R藤本や大須賀健剛(セルライトスパ)といった面々が勝ち上がっていた。レギュラー放送時の実力者ではあるものの必ずしも世間的に知名度が高いわけではない芸人が、全国ネットでも結果を残すところがいい。

 そして何より決勝戦である。平子祐希(アルコ&ピース)と三島達矢(すゑひろがりず)の王座をかけた戦いは、決勝とは思えないグダグダ。生まれない笑い。しかし、敗退した芸人たちがそんなグダグダっぷりをネタに盛り上げる。勝利を収めた平子はトロフィーを手に「三島という親友ができました」とコメントした。1つの椅子を奪い合う個人戦だったはずが最後は団体戦のように終わった今回の『座王』。テレビバラエティの“お笑い”が濃縮されていた。

パンサー・向井「大成立時代が来てほしいですね」

 1日の『あたらしいテレビ2023』(NHK総合)。テレビについて語り合う年始恒例のトーク番組だけれど、民放各局の若手製作者を中心にした座談会のパートが興味深かった。いわく、「成立って言葉が多い」。テレビ番組をつくる過程では、その番組や企画が面白い理屈を説明する必要がある。その理屈が通っていれば、「成立」していると評価される。しかし、言葉で説明できない面白さもあるのではないか、企画書で伝わる=「成立」するものは面白さの幅が狭いのではないか――と話は進んだ。

 で、そんなVTRを見ていた向井慧(パンサー)。「俺は成立させてきたなぁ、いろいろ」と自虐で笑わせ、エンディングでは「(2023年は)大成立時代が来てほしいですね」ときれいにオトした。「成立」に対する批判的なスタンスを理解しつつ、「成立」で切り返す感じ。この往復のなかからテレビの“面白い”が生まれてくるのだろうなと思った。

アンミカ「さっきアンミカさんの楽屋行かせてもらったら……」

 そんな『あたらしいテレビ2023』にも出演していた若手製作者が企画・演出した『ここにタイトルを入力』(フジテレビ系)が、3日に放送されていた。昨年話題になった“実験的”な番組の新春特別版である。今回、番組は2部編成となっており、個人的に特に印象的だったのは前半だ。

 前半は「すっぴん女の赤裸々ナイト」なる番組。男性ゲストを1人迎えて女性たちが本音トークをする、なんだか既視感ある番組だ。が、ひな壇に座る女性5人はすべてアンミカ。アンミカがアンミカに「さっきアンミカさんの楽屋行かせてもらったら……」と暴露するなど破綻したトークが続く。ただ、どうやら5人のアンミカの間には毒舌系、清楚系、肉食系といったキャラの違いがあるようだ。番組で必要とされる役割に応じてタレントはキャラを棲み分けていくということか。中身が破綻していてもおなじみのパッケージが整っていればテレビ番組として「成立」してしまうということか。

123
ページ上部へ戻る

配給映画